世界平和パゴダの本、プレゼント!

一条真也です。
北九州市門司区の和布刈公園にある国内唯一のミャンマー式寺院「世界平和パゴダ」は日本遺産に登録され、国登録文化財にも指定されましたが、紹介動画ができました。


紹介動画の4分15秒には、世界平和パゴダ奉賛会の佐久間進会長( サンレーグループ会長)が登場して、メッセージを述べています。現在、わたしが社長を務める株式会社サンレーでは、「世界平和パゴダ」の支援をさせていただいています。世界平和パゴダ第二次世界大戦後、ビルマ政府仏教会と日本の有志によって昭和32年(1957年)に建立されました。その目的は「世界平和の祈念」と「戦没者の慰霊」です。

f:id:shins2m:20210602122605j:plain世界平和パゴダ奉賛会の佐久間進会長 

f:id:shins2m:20200718100646j:plain世界平和パゴダ

f:id:shins2m:20120821150235j:plain世界平和パゴダの前で、佐久間会長と
 

ミャンマーは上座仏教の国です。上座仏教は、かつて「小乗仏教」などとも呼ばれた時期もありましたが、ブッダの本心に近い教えを守り、僧侶たちは厳しい修行に明け暮れます。現在の日本は儒教の影響が強く「礼」という思想的遺伝子を共有しているはずの韓国や中国と微妙な関係にあり、国際的に複雑な立場に立たされている。わたしは、ミャンマーこそは世界平和の鍵を握る国ではないかと思っています「慈悲の徳」を説く仏教の思想、つまりブッダの考え方が世界を救うと信じているのです。「ブッダの慈しみは愛をも超える」と言った人がいましたが、仏教における「慈」の心は人間のみならず、あらゆる生きとし生けるものへと注がれます。

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「読売新聞」2011年12月24日朝刊

f:id:shins2m:20200718172340j:plain西日本新聞」2012年4月25日朝刊
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ミャンマー大使館でパゴダの委嘱状を渡される

f:id:shins2m:20120829103918j:plain世界平和パゴダ再開のセレモニーで

 

思えば、わたしが世界平和パゴダ閉館のニュースを新聞報道で知って心を痛め、サンレー企画部の石田部長と一緒に現地に赴き、その後、佐久間進会長とともにパゴダを建立された故柳田桃太郎氏(元門司市長)の御令嬢である八坂和子さんにお会いし、わが社の世界平和パゴダ支援が決定したのです。その後、佐久間会長を代表とする日緬仏教文化交流協会を設立し、ミャンマー大使館やミャンマー仏教界の大僧正から佐久間会長が委嘱状を渡されたりして、2012年8月29日、パゴダはついに再開しました。

f:id:shins2m:20200718100126j:plain慈を求めて』(三五館) 

 

パゴダ再開の詳しい経緯は、ブログ「世界平和パゴダ」ブログ「大僧正のお別れ会」ブログ「世界平和パゴダ再訪」ブログ「ミャンマー大使館」ブログ「ブッダ・ミッション」ブログ「世界平和パゴダ再開」をお読み下さい。なお、『慈を求めて』(三五館)の帯には、世界平和パゴダを背景にしたわたしの写真が帯に掲載され、「世界平和パゴダ再開!」「『慈』はあらゆる生きとし生けるものに注がれる!」と書かれています。

f:id:shins2m:20191129101302j:plain慈経 自由訳』(現代書林)

 

ミャンマー仏教は上座仏教ですが、その根本経典は「慈経」(メッタ・スッタ)といいます。仏教の開祖であるブッダの本心が最もシンプルに、そしてダイレクトに語られている、最古にして、最重要なお経です。上座仏教の根本経典であり、大乗仏教における「般若心経」にも比肩します。上座仏教はかつて、「小乗仏教」などと蔑称された時期がありました。しかし、上座部仏教の僧侶たちはブッダの教えを忠実に守り、厳しい修行に明け暮れてきました。「メッタ」とは、怒りのない状態を示し、つまるところ「慈しみ」という意味になります。「スッタ」とは、「たていと」「経」を表します。わたしは、この「慈経」を自分なりに自由訳し、『慈経 自由訳』(現代書林)として世に問いました。

 

「慈経」はもともと詩として読まれていました。すなわち単に書物として読まれるものではなく、吟詠されたものだったのです。わたしも、なるべく吟詠するように、千回近くも音読して味わい、自由訳に臨みました。自らの人生をかけて、魂をこめて、「慈経」のメッセージをわかりやすい言葉に直しました。「慈経」の教えは、老いゆく者、死にゆく者、そして不安をかかえたすべての者に、心の平安を与えてくれます。これからの日本人にとって最も必要なお経が「慈経」であると確信しています。ブッダは8月の満月の夜に「慈経」を説いたと伝えられています。満月は、満たされた心のシンボルです。わたしが満月に格別の感情を抱いていることはご存知かと思いますが、いつか北九州市門司港にある日本で唯一のミャンマー式寺院である「 世界平和パゴダ」で満月の夜の行事を盛大に行いたいと思っています。

f:id:shins2m:20210602130627j:plain「ふくおか経済」2013年11月号

 

また、ブログ「仏教文化交流シンポジウム」で紹介したように、2013年9月21日に世界平和パゴダ建立55周年を記念して「仏教は世界を救う」をテーマにしたパネルディスカッションが開催されました。パネリストは以下の方々でした。

井上ウィマラ氏(高野山大学文学部教授)
天野和公氏(「みんなの寺」坊守・作家)
八坂和子氏(ボランティアグループ一期会会長)
一条真也(作家・株式会社サンレー社長)

また、パネルディスカッションのコーディネーターは、内海準二氏(出版プロデューサー)が務めて下さいました。


パネルディスカッションのようす

 

パネリストの井上氏は、ブログ『人生で大切な五つの仕事』で紹介した本の著者です。天野氏は、ブログ『ミャンマーで尼になりました』で紹介したコミックの著者です。井上氏、天野氏ともにミャンマーで仏教の修行をされています。また、八坂氏はブログ「大僧正のお別れ会」をはじめとして一連のパゴダ関連のブログ記事に登場する、これまでパゴダを守ってこられた方です。コーディネーターの内海氏は、あの「出版寅さん」です。当ブログの読者のみなさんには、もう有名ですね。


世界平和パゴダの意義について話しました

 

そのとき、世界平和パゴダ」の意義について、わたしは「世界平和パゴダは、ミャンマーと日本の友好のシンボルです。そして、その可能性を語り合うことは、大きな意義のあるものと思います。わたしは、現代の日本において、いや東アジアにおいて 世界平和パゴダはとても大きな意味と可能性を持っていると考えています」と述べ、 世界平和パゴダ」の重要性は主に3つあるとして、(1)アジアの平和拠点であること(2)戦没者の慰霊施設であること(3)上座仏教の寺院であることの3点を指摘し、日本人の「こころの未来」にとって大きな可能性を秘めていると訴えました。その考えは、今も変わりません。


ミャンマー仏教を語る』(現代書林)

 

仏教文化交流シンポジウム」の内容は、『ミャンマー仏教を語る』(現代書林)という本にまとめられています。巻頭には、世界平和パゴダ住職であるウィマラ長老の基調講演、日緬仏教文化交流協会(日緬協)の佐久間進会長による主催者挨拶が収録されています。また巻末には、日緬協メンバーでもある京都大学名誉教授の鎌田東二先生が寄稿されています。この本を読み返しながら、軍事政権の暴挙でミャンマーが話題になっている現状をとても悲しく思いました。一日も早く、ミャンマーに平和が訪れることを心より願っています。

f:id:shins2m:20210602133044j:plain登録記念に2冊をプレゼント!

 

このたびの世界平和パゴダ日本遺産登録および国登録文化財決定を記念して、『慈経 自由訳』および『ミャンマー仏教を語る』の2冊を、抽選で30名様に進呈させていただきます。ハガキでご応募下さい!

<応募方法>
郵便ハガキに郵便番号・住所・氏名・電話番号・書籍名をご記入の上、下記宛へお送り下さい。当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。
〒802-0022
北九州市小倉北区上富野3-2-8
サンレー「世界平和パゴダ」書籍プレゼント係
2021年8月31日(火)消印有効 

f:id:shins2m:20210602173023j:plain世界平和パゴダ の前で

 

2021年6月4日 一条真也