死を乗り越える吉田兼好の言葉

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死後は序を待たず。
死は、前よりしも来たらず。
かねて後ろに迫れり。
吉田兼好

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、鎌倉時代の随筆家である吉田兼好(1283年頃~1352年頃)の言葉です。日本三大随筆の1つと言われる『徒然草』を残しました。

 

徒然草 (ちくま学芸文庫)

徒然草 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:兼好
  • 発売日: 2015/08/28
  • メディア: Kindle
 

 

吉田兼好は、別名を「兼好法師」といいます。なぜなら彼が出家しているからです。中学時代に『徒然草』を教科書などで読まされますが、ピンとこない人が多いようです。中学生になり、古文に接するわけですが、受験のために勉強した記憶しかないという人が多いです。いつも最後の数行は、教訓めいた話で終わり、なんだか年寄りの説教を聞いているようにも思えます。

 

現代語訳 徒然草 (河出文庫)

現代語訳 徒然草 (河出文庫)

 

 

今でも覚えているのが、「最近の若者は……」はといって、兼好法師が風潮を嘆く話です。いつの時代にも、人生の先輩(高齢者)から、若者を見れば、「最近の若い奴」はと言いたくなるわけです。わたしもそういう傾向が強まってきたのかもしれませんが・・・・・・。ただ、ある程度の年月を重ねると、兼好法師の心根が理解できるようになりました。ある意味、『徒然草』は老人文学の原点かもしれません。超高齢社会の今、老いの心情を改めて知るテキストだと言えるでしょう。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。ご一読下されば、幸いです。

 

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2021年5月12日 一条真也