「中外日報」に『満月交心』が紹介

一条真也です。
中外日報」といえば、京都に本社を置く日本最大の宗教新聞です。特に、仏教界の方々はほとんど購読されているのではないでしょうか。同紙に、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二氏と小生の共著である『満月交心 ムーンサルトレター』(現代書林)の書評記事が掲載されました。

f:id:shins2m:20210219141016j:plain中外日報」2021年2月19日号

 

書評は、「時事社会論じる月々の対話収録」の見出しで、以下のように書かれています。
「歌(和歌・歌謡・詩)こそ日本宗教の核だとする宗教哲学者の鎌田東二氏と、弔いこそ人間の人間たるゆえんだと考える作家の一条真也氏が、毎月の満月の日に交わす『WEB文通』をまとめた書籍の第3弾。2015年7月から20年4月まで収録した。
互いの活動報告のほか、コロナ禍はもちろん、『絶歌』出版、終戦70年、オウム事件原発事故、熊本地震、『沈黙―サイレンス―』や『シン・ゴジラ』といった話題の映画、グリーフケア天皇即位などの時事や社会的課題について語り合っており、ページを開くとその時々の世情が思い出される。
一条氏は人類の存在を示す最古の遺跡が埋葬の痕跡であるように、死者を弔うことこそサルとヒトの違いだと語る。向き合うべきは自分の死というより、他者をどのように葬り弔うかだと強調する。そして祖先祭祀を重視する儒教への関心につながっていく。韓国の研究者の『儒学は道徳倫理の学ではなく、美学である』との言葉に強い共感を示し、礼法や儀式を支える価値観と結び付く。また神々や怨霊を鎮める所作が上代の神楽や中世の能楽の起源だとする鎌田氏の説と重なり合う。
結論や正解が用意されているわけではないが、言葉のセッションがじわじわと互いに影響を及ぼす過程は読み手にも刺激的だ」

 

満月交心 ムーンサルトレター

満月交心 ムーンサルトレター

 

 

2021年2月19日 一条真也