一条真也です。
「月刊リトル・ママ」2020年9月号が刊行されました。朝日新聞社系の「ママと子どもの明日を応援!!」するフリーペーパーで、各幼稚園などに配布されますが、コロナ禍で3ヵ月ぶりの刊行となります。わたしは同紙で「一条真也のはじめての論語」というコラムを連載しています。拙著『はじめての「論語」 しあわせに生きる知恵』(三冬社)の内容をベースに、毎月、『論語』の言葉を紹介していきます。
「リトル・ママ」2020年9月号
第7回目は「子曰く、約を以て之を失う者は鮮なし」という言葉を紹介しました。「つつましく生きる」というのは、「あれもほしい、これもほしい」という物欲(物を欲しがる気持ち)をなくして、「どうせ使わない物はいらない、必要な物だけあればいい」という気持ちで生きることです。これを「倹約の精神」といいます。
もうひとつは、自分の「分」(やるべきこと)をわきまえて、余計なことに出しゃばらないで生きることも、「つつましい生き方」といいます。でも孔子さまなら、「必要な物は買ってもらいなさい。ただし、なぜほしいのか、ちゃんとお父さん、お母さんに説明できるようにしておきなさい」というでしょう。
あまりに質素すぎると、生きていく楽しみがありません。ですから「なんとなくほしいだけのものはいらない」と決めて、「でも、これがあると便利だな」「あると楽しいな」と思うものがあったら、「お願い!」と頼むことにしましょう。「いるもの」と「いらないもの」とがきちんと分けられれば、自分のなかに手に入れるものの基準ができて、むだづかいをすることもなくなることでしょう。
2020年8月21日 一条真也拝