仲よくない人の忠告こそ大事

一条真也です。
「月刊リトル・ママ」2020年8月号が刊行されました。朝日新聞社系の「ママと子どもの明日を応援!!」するフリーペーパーで、各幼稚園などに配布されますが、コロナ禍で3ヵ月ぶりの刊行となります。わたしは同紙で「一条真也のはじめての論語」というコラムを連載しています。拙著『はじめての「論語」 しあわせに生きる知恵』(三冬社)の内容をベースに、毎月、『論語』の言葉を紹介していきます。

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「リトル・ママ」2020年8月号 

 

第6回目は「子曰く、君子は言を以て人を挙げず、人を以て言を廃せず」という言葉を紹介しました。だれかがあなたに忠告をしてくれたとします。そのとき、相手が人気のある人、みんなに好かれている人だったら、よろこんで聞くでしょう。でも、ちょっと評判の悪い人、自分でも気に入らない人だったら、なんとなく聞き流したりしていないでしょうか。

 

孔子さまはむしろ、つまらないと思う人が言ってくれた忠告こそよく聞きなさいというのです。そういうなかにこそ、「ああ、そうだよね」という真実がつまっているかもしれないのです。というのは、人気がある人や、あなたと仲がいい人は、「あなたに悪く思われたくない」という気持ちから、正直にいわないでごまかしてしまうかもしれないからです。でも、あまり仲よくない人は、そんなこと関係ないので、ズバリと言ってくれることが多いのです。

 

言葉は、そのなかみをよく考え、その人柄と、言葉を切り離して考えなければいけません。仲がよくない相手なら、いつも忠告してくれるわけではないでしょうが、「めったにない忠告」だからこそ、とても大事な意味がこめられているのです。

 

はじめての「論語」 しあわせに生きる知恵

はじめての「論語」 しあわせに生きる知恵

  • 作者:一条真也
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: 単行本
 

 

2020年7月14日 一条真也