死を乗り越えるブッダの言葉

f:id:shins2m:20200705132919j:plain

 

ああ、短いかな、人の生命よ。
百歳に達せずして死す。
たといそれよりも長く
生きたとしても、
また老衰のために死ぬ。(ブッダ

 

一条真也です。
当ブログで連載していた「空海の言葉」が終了したので、新たに「死を乗り越える名言」をお送りしたいと思います。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。最初の名言は、ゴーダマ・ブッダ(推定:紀元前463年 ~紀元前383年)の言葉です。ブッダは「釈迦」とも呼ばれる仏教の開祖で、本名は「ゴータマ・シッダッタ」です。80歳没。

 

ブッダのことば: スッタニパータ (岩波文庫)
 

 

「ああ、短いかな、人の生命よ。百歳に達せずして死す。たといそれよりも長く生きたとしても、また老衰のために死ぬ。」は、『ブッダのことば』(中村元訳・岩波文庫)に紹介されている言葉で、出典は仏教最古の経典である『スッタニパータ』です。仏教の開祖であるゴーダマ・ブッダは、多くの言葉を残しました。

 

それらの言葉は、他の聖人たち同様に自らが書き記したのではなく、弟子たちによって書き留められ、伝聞として受け継がれてきました。弟子たちはブッダの言葉を、自らで咀嚼し、自分なりの解釈を加え、経典として残しました。わたしは、あらゆる教えや儀式は、ただ受け継いでいくのではなく、それぞれの時代に合わせて変化していくべきだと考えています。

 

守るものは守り、変えるべきものは勇気をもって変える――わたしはその作業を「アップデート」と呼んでいます。ブッダは弟子たちが、それぞれの解釈を加え、状況や時代に合わせて変化することを〝良し〟としていたと思います。それが、仏教のもつ、他の宗教にない多様性を生み出したのではないでしょうか。

 

ブッダが80歳まで長生きをしてくれたおかげで、〝老い〟というテーマについて、たくさんの言葉を残してくれました。それらの言葉は、〝老い〟について、人類史上もっとも切実な問題となった日本人に多くの示唆を与えてくれています。「人は老いるほど豊かになる」――これはわたしの持論です。そのことをブッダの言葉は再認識させてくれます。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。また、ブッダの生涯および思想に関しては、『世界をつくった八大聖人』(PHP新書)に詳しく紹介されています。

 

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

死を乗り越える名言ガイド 言葉は人生を変えうる力をもっている

  • 作者:一条 真也
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

2020年7月5日 一条真也