終活読本「ソナエ」春号

一条真也です。
3月22日は長女の誕生日です。おめでとう!
さて、現在は大変な終活ブームで、終活専門誌の「ソナエ」(産経新聞出版社)も注目を集めています。その最新号(2018年春号)が出ました。


終活読本「ソナエ」2018年春号(Vol.20)の表紙



表紙の写真は、女優の名取裕子さんです。「家族信託 相続対策の切り札」「認知症から財産を守る」「大切なのはモノより思い出 遺品整理の極意」「最初から完璧を目指さない『使える』と『使う』は違う」「ストレッチと読経で健康生活 女優 草笛光子さん」「『お口のケア』で健康寿命を延ばす」「これだけは知っておきたい 弔辞・弔電のエチケット」「継母の介護と看取り 名取裕子さん」といった活字も躍っています。


一条真也の老福論」第15回



ソナエ」は今大注目の雑誌ですが、わたしも連載ページを持っています。その名も「一条真也の老福論」。「人生の終い方」から「人生の修め方」へ・・・・・・豊かな「老い」と「死」を迎えるためのヒントを毎回ご紹介しています。第15回目のタイトルは「なぜ、仏壇を買わないのか」です。
親から「お墓も要らない」などと言われたら、子供たちにしてみれば「お墓がなければ供養できない」と思うのではないでしょうか。死にゆく人は、子供の言うことに従うことも重要だと思います。迷惑などと勝手に思い込まずに、話し合ってほしいものです。



さらに、「お墓をつくろう」という発想になったとしても、仏壇を買おうという人は少なくなりつつあります。でも、お墓に比べて、仏壇のほうがはるかに安く、メンテナンスもかかりません。いつでも故人の供養ができます。
それなのに、なぜ仏壇は人気がないのでしょうか。それはライフスタイルの変容で仏壇そのものが淘汰されつつあるからではないでしょうか。新しいマンションには床の間もなければ、和室もない。当然、仏間などあるわけがない。仏壇がないということは、死者はもうすでに家にいないということです。
死者どころではありません。いまの家は核家族の住まいであり、家族だけが暮らす空間です。外部の者は、生きている人でさえ家には来ません。親戚の集まりもなければ、子供の友達も家に来ないのです。



親が「お墓をつくろう」と言えば賛成しても、「仏壇を買おう」と言えば反対する子供が多いといいます。これには、死者を家の中に入れたくないという心理が働いているように思えてなりません。わたしは「生者は死者とともに生きている」と考えており、生活の中には仏壇のような死者の空間が必要であると思っています。それは別に立派な仏壇でなくても構わないが、あなたの大切な故人を思い出し、その冥福を祈る「こころ」を「かたち」にする方法を真剣に考えてほしいと思います。


終活読本「ソナエ」2018年春号(Vol.20)



また、「ソナエ」春号には「終活ニュース」の中で「現代仏壇」の特集を組んでいます。そこで、「スタイリッシュな仏壇次々に リビングで先祖に合掌」として、簡易仏壇に代表される現代日本における仏壇の変化について意見を求められました。わたしの談話が以下のように紹介されています。
「こうした仏壇のスタイルの変化について、本誌で『老福論』のコラムを連載する、サンレー社長で作家の一条真也氏は『仏壇のかたちは多様化していますが、死者を偲ぶ「こころ」があればその「かたち」は何でもいいと思っています。これからは既存のスタイルにとらわれず、自分らしい供養の仕方について考えることが大切です。自分の好きなやり方で大切な人を偲べばいいのではないでしょうか』と話している」


2018年3月22日 一条真也