がんばれ高山善廣!  

一条真也です。
ここ最近、当ブログでプロレスに関する本を連日紹介してきましたが、かなり多くの新規アクセスがありました。やはり、世の中にはプロレスに関心を持っている方が多いようですね。じつは、その方々にこの記事をお届けするために、プロレスの話題を取り上げてきたのです。ぜひ、お読み下さい!


今年5月4日のDDT豊中大会において、プロレスラーの高山善廣選手(50)が回転エビ固めを行った際、頭から落ち、そのまま動けなくなり、救急搬送されました。高山さんは「頸髄損傷および変形性頚椎症」と診断されました。9月4日、東京・後楽園ホール5階展示場にて,高山選手に関する現在の容態が発表されました。記者会見には高山選手のマネジャーの石原真氏、高山さんの親友である鈴木みのる選手、DDT社長でもある高木三四郎選手が出席しました。石原氏によれば、手術当初は「頸髄損傷および変形性頸椎症」と発表されていましたが、じつは「頸髄完全損傷」であったそうです。現状では回復の見込みがないとされています。現在は人工呼吸器を取り外せるようになりましたが、依然として首から下が動かない状況。それでも回復の希望を持ってリハビリを続ける高山選手のため、プロレス界の有志たちが支援団体の設立を決意。主戦場としていたDDT・高木三四郎社長は「試合会場での募金の設置、応援グッズ、チャリティーのプロレス興行と、高山選手の意見を反映して長く継続していきたい」と活動趣旨を説明しました。


この日の会見には鈴木みのる選手も出席しました。
鈴木選手は、涙まじりに以下のように述べました。
「昨日、本人に会ってきまして、いろんな話をしてきました。俺の顔を見て第一声が『G1誰が優勝した?』って。自分は体動かない状態なのに、プロレスのこと気にしていました(中略)命をかけて戦った、自分の親友です。普段、人をぶん殴ってるクソ野郎が何を言っても響かないと思いますが、俺なんてどうでもいいんで、高山善廣に勇気をたくさんもらったと思うので、ぜひ皆さん力を貸してください。それと、彼は言いませんがUWFの大先輩の前田日明さん、師匠である高田延彦さん、ぜひ、力を貸してください。よろしくお願いします」


鈴木選手が名前を挙げて直訴した前田氏は「高山には頑張ってほしい。どういう形かわからないけど、何かできることがあれば前田日明としてもリングスとしても協力したい」と約束。UWFインターナショナルでの高山選手の師であった高田氏も「辛いよ。言葉が見つからない。高山、また元気になって一緒に飲もう!」とコメントしました。わたしは両者の漢気に感銘を受けるととともに、前田氏の責任感あふれるコメントも、高田氏の体育会的な前向きなコメントも、それぞれに「らしいなあ」と思いました。



高山選手は日本人離れした恵まれた体格と積極果敢なファイトスタイルで、プロレスファンからは「帝王」と呼ばれていました。つねに全力で相手と向き合い、相手の良さを存分に引出し、一歩も引かず自分のプロレスも存分に発揮するのが高山スタイルでした。高山選手の多くの名勝負の中でも、特にPRIDEでのドン・フライとの一戦が忘れられません。総合格闘技の猛者であり、アントニオ猪木引退試合の相手まで務めたビッグネームであるフライ選手に対して、高山選手は一歩も引かない殴り合いをしました。その試合は、日本における最も壮絶なリアルファイトとして伝説となっています。わたしも猛烈に感動しました。



じつは、1年ほど前に、わたしは飛行機で高山選手と通路を挟んで隣り合わせの席に座ったことがあります。羽田から北九州へ向かうスターフライヤーの機内でしたが、金髪で巨体の彼はすごい存在感でした。スターフライヤーのシートはわりと大き目なのですが、それでも彼には窮屈そうでした。でも、じっと目を閉じて、両手を組んで、1時間半のフライトを過ごしていました。本当は、彼に「高山さん、ドン・フライ戦はすごかったですね!」と言いたかったです。



それにしても、意識はあるのに首から下がまったく動かないなんて、なんと辛いことでしょうか! 本当に、表現する言葉が見当たりません。 
高山選手は2004年8月、新日本プロレスのマットで頭から落とされて脳梗塞になりましたが、その後懸命なリハビリをし、2006年7月16日、プロレスリング・ノア日本武道館大会で奇跡の復活を果たしています。今回も、なんとか奇跡の復活を願っています。プロレス界とプロレスラーの有志は高山善廣支援団体「TAKAYAMANIA」を設立し、これまでも幾多の試練を乗り越えて来た不屈の男の復帰を全力で応援する意向を示しました。



「TAKAYAMANIA」設立記者会見の場では、高山選手本人からの以下のようなコメントが披露されました。
「この度は私、高山善廣を支援していただく会を発足していただき、また、その発表にお集まりいただきました皆さんに、感謝いたします。去る5月4日、試合中、頚椎を痛めてしまい首から下が全く動かず、また呼吸もできなくなってしまいました。首の手術を受けた後、心臓停止などのトラブルもあり、術後の経過が思わしくなく、なかなか皆さんにご報告できる状況にありませんでした。そんな私のために仲間たちが集まって、私のために色々とやってくれると聞き、感謝の気持ちしかありません。みなさん、どうもありがとうございます。私もどんどんアイデアを出していこうと思っております。リハビリ頑張りますので今後ともよろしくお願いします」



「TAKAYAMANIA」では、高山選手の治療費のための寄付を募っています。ご賛同される方は、下記口座に直接募金をお振込み下さい。よろしくお願いいたします。
【銀行振込】
東京三菱UFJ銀行
代々木上原支店
【店番号】137
口座番号:普通預金 0057767
口座名義:株式会社 高山堂
※通帳は高山選手の奥様がお持ちになられています。
【TAKAYAMANIAお問い合わせ】 takayamania.staff@gmail.com



2017年9月15日 一条真也