終活読本「ソナエ」夏号

一条真也です。
現在は大変な終活ブームで、日本初の終活専門誌「ソナエ」(産経新聞出版社)も注目を集めています。その最新号(2017年夏号)が出ました。


終活読本「ソナエ」2017年夏号(Vol.17)



表紙には女優の財前直見さんの写真が使われています。
また、「難聴 補聴器で『美しい人生』 松崎しげるさんも愛用」「前田忠明さんの臨死体験 『お花畑で亡き兄が・・・』」「新 遺産活用法」「遺贈 節税して社会貢献 基金に名を残すことも」「新連載 弔問のエチケット 宗派で異なるお線香」「財前直見さんが語る 『おかげさま』」「小林麻央さん 在宅の看取り」といった活字が躍っています。


一条真也の老福論」第12回



ソナエ」は今大注目の雑誌ですが、わたしも連載ページを持っています。その名も「一条真也の老福論」。「人生の終い方」から「人生の修め方」へ・・・・・・豊かな「老い」と「死」を迎えるためのヒントを毎回ご紹介しています。第12回目のタイトルは「愛があるから死を見られる」です。
歌舞伎俳優の市川海老蔵さんの妻でフリーアナウンサー小林麻央さんが6月22日夜、自宅で亡くなられました。34歳でした。
わたしの妻は毎日、麻央さんのブログを読み、その回復を願っていました。わたしも信じられない気持ちでいっぱいです。まだ幼いお子さんをふたり遺して逝かれる心情を思うと、たまりません。



でも、わたしは、麻央さんの人生は決して不幸ではなかったと思えてなりません。最後は在宅医療を選択され、愛する家族に囲まれて「そのとき」を迎えられました。また、麻央さんの生き方は多くの人々に勇気を与えました。これほど「覚悟」を持って生き切った方はなかなかいないのではないでしょうか。麻央さんの生き方は、確実に日本人の死生観に影響を与えました。麻央さんは、ブログの持つ豊かな可能性をも示してくださいました。



自宅で家族に囲まれた麻央さんは海老蔵さんに「愛してる」と言って旅立たれたそうです。麻央さんは、最愛の夫や子供たちにしっかりと愛を渡したのでした。最期まで勇気をもって死に向き合った麻央さんでしたが、その勇気の源は愛する家族の存在でした。人は心から愛するものがあってはじめて、自らの死を乗り越え、永遠の時間の中で生きることができます。
麻央さんも、「家族への愛」というサングラスをかけることによって、自身の死を正面から見つめることができたのでしょう。小林麻央さんのご冥福を心よりお祈りいたします。合掌。


2017年7月15日 一条真也