熊本地震と日本人の「こころ」

一条真也です。
わたしは、NIKKEI STYLE「一条真也の人生の修め方」というコラムを連載しています。第30回目となるコラムが本日アップされました。


「熊本地震と日本人の『こころ』」



今回のタイトルは、「熊本地震と日本人の『こころ』」です。
わたしは九州に住んでいます。このたびの熊本県で始まった地震活動は阿蘇地方や大分県に広がり、被害が拡大しています。熊本で14日夜、益城町でM6.5の地震が起きた後、16日未明にM7.3の地震が発生、これは1995年の阪神淡路大震災に匹敵する規模です。震度1以上の地震の回数は新潟県中越地震阪神淡路大震災をはるかに上回り、史上最多であるともいわれています。このたびの地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々の不安や心配や苦悩が少しでも軽減されることを心からお祈りいたします。



今回の地震でも自然の脅威を嫌というほど思い知らされました。
よく、「自然を守ろう」とか「地球にやさしく」などと言います。
しかし、それがいかに傲慢な発想であるかがわかります。やさしくするどころか、自然の気まぐれで人間は生きていられるのです。生殺与奪権は人間にではなく、自然の側にあるということです。
 


日本人固有の信仰といえば、神道です。神道とは何でしょうか。
日本を代表する宗教哲学者にして神道ソングライターであり、また神主でもある鎌田東二氏が、すっきりとした説明をしてくれます。鎌田氏は、著書『神道とは何か』(PHP新書)で次のように述べています。
「さし昇ってくる朝日に手を合わす。森の主の住む大きな楠にも手を合わす。台風にも火山の噴火にも大地震にも、自然が与える偉大な力を感じとって手を合わす心。どれだけ科学技術が発達したとしても、火山の噴火や地震が起こるのをなくすことはできない。それは地球という、この自然の営みのリズムそのものの発動だからである。その地球の律動の現れに対する深い畏怖の念を、神道も、またあらゆるネイティブな文化も持っている。インディアンはそれをグレート・スピリット、自然の大霊といい、神道ではそれを八百万の神々という」



神道とは日本人の「こころ」の主柱です。そして、柱は他にも存在します。仏教と儒教です。日本人の「こころ」の三本柱である神道、仏教、儒教が混ざり合っているところが日本人の「こころ」の最大の特徴であると言えるでしょう。それをプロデュースした人物こそ、かの聖徳太子でした。太子は、心の部分を仏教で、社会の部分を儒教で、そして自然と人間の循環調停を神道が担う。三つの宗教がそれぞれ平和分担するという「和」の宗教国家構想を説いたのです。今回の地震でも、日本人は「和」の精神を示しました。そして、「隣人愛」を発揮しました。「隣人愛」とは「相互扶助」につながります。わたしの本業である冠婚葬祭互助会のコンセプトです。被災者のために何ができるかを考えたいと思います。


次回も、どうぞお楽しみに!



なお、第31回目のアップは5月10日(火)。その日は、わたしの53回目の誕生日です。タイトルは「誕生日には同級生のことを考える」です。わたしは1963年(昭和38年)生まれです。同じ生年でまず頭に浮かぶのは、俳優の唐沢寿明さん、加藤雅也さん、お笑いコンビ「ダウンタウン」の浜田雅功さん、松本人志さん、作家の京極夏彦さん、重松清さん、イラストレーター・作家・俳優としてマルチに活躍するリリー・フランキーさん、アナウンサーの宮根誠司さん、プロ野球福岡ソフトバンクホークス監督の工藤公康さん、それからジョニー・デップブラッド・ピットといった海外の大物俳優も同じ年の生まれです。次回は、そんな話を書きます。どうぞ、お楽しみに!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年4月26日 一条真也