水木しげる大先生、逝く!

一条真也です。
30日午前、「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」で知られる漫画家・水木しげる氏が都内の病院で亡くなられました。水木氏は今月11日、調布市内の自宅で転倒し、頭を打って入院していました。93歳でした。


スポニチアネックス」より



スポニチアネックス」配信の記事では「『ゲゲゲの鬼太郎水木しげるさん 多臓器不全で死去 93歳」の見出しで、以下のように書かれています。
「警視庁などによりますと、漫画家の水木しげるさんが30日午前、都内の病院で亡くなりました。93歳でした。死因は多臓器不全だということです。水木さんは11月11日、調布市内の自宅で転倒し、頭を打って入院していました。水木さんは1922年生まれで、鳥取県出身。
ゲゲゲの鬼太郎』や『悪魔くん』など妖怪をテーマにした作品を次々と発表し、1991年には紫綬褒章を受章し、2010年には文化功労者に選ばれ、2011年には園遊会に出席していました。
『年取ったら、あまり楽ではない、絵を描くの。読者がついていると思うと』(水木しげるさん、2011年)1993年、鳥取県境港市に鬼太郎や妖怪のブロンズ像を並べた『水木しげるロード』ができ、人気の観光スポットになっています。また、太平洋戦争末期に、激戦地パプアニューギニアラバウルに送られ、マラリアに苦しみ米軍の爆撃で左腕を失いました。自らの戦争体験を反映させた作品も数多く発表しています」


わたしは少し前に、『戦争と読書 水木しげる出征前手記』水木しげる荒俣宏著 (角川新書)を読みましたが、「この本は水木しげるの遺書だ」と思いました。この本は、水木氏が徴兵される直前、人生の一大事に臨んで綴った「覚悟の表明」たる手記です。そこから浮かびあがったのは、これまで見たことがない懊悩する水木氏の姿でした。水木氏が哲学書を読み耽る多感な青年であったことを知り、わたしは感銘を受けました。


また、『水木しげる泉鏡花伝』(小学館)も読みました。
異界のようすをレポートした人として、水木しげるは、上田秋成平田篤胤小泉八雲柳田國男泉鏡花らと並ぶ偉人でした。まったく惜しい方を亡くしましたが、あの世の住人たちは大喜びしているかもしれません。


水木しげる記念館の前で

水木しげる記念館にて

水木しげるロードにて

水木しげるロードで、鬼太郎とツーショット



ブログ「水木しげる記念館」ブログ「水木しげるロード」で紹介したように、2013年9月のサンレー本社の社員旅行で境港を訪れたのも良い思い出です。社員にも妖怪みたいな人がいました。いやあ、なつかしいですね!


書斎の机の頭上にある書棚



なにより、ブログ「ブログのペースを落とします」に書いたように、昨年8月末には書斎の書棚の中に置かれた水木しげる氏の「なまけ者になりなさい」という色紙を見て、「自分もちょっと、なまけ者になろうかな」と思い、わたしはブログのペースを落としたのでした。その後、また毎日書いていますけど(苦笑)。本当に、水木しげる大先生の思い出は尽きません。


わが書斎に設置したメモリアル・コーナー



子どもの頃、「ゲゲゲの鬼太郎」や「河童の三平」や「悪魔くん」などを読んで、ワクワクしたものでした。また、ちょっとアダルトな匂いのする幻想短編にも心をときめかしたものでした。偉大なる妖怪王・水木しげる大先生の御冥福を心よりお祈りいたします。合掌。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月30日 一条真也