現代を生きる羅針盤

一条真也です。
ブログ「ムーンサルト・トークセッション」、およびブログ「『満月交遊』出版記念会」で紹介したように、22日、東京自由大学で同大学理事長にして宗教哲学者である鎌田東二先生との共著『満月交遊 ムーンサルトレター』上下巻(水曜社)の出版記念イベントが行われましたが、今日の「徳島新聞」朝刊に同書の書評が掲載されました。


徳島新聞」2015年11月27日朝刊



書評記事は、「現代を生きる羅針盤」の見出しで、以下のように書かれています。
阿南市出身の宗教哲学者・鎌田東二氏(京都大こころの未来研究センター教授)は、冠婚葬祭業大手の経営者であり作家の一条真也氏(2012年第2回孔子文化賞受賞)と、05年10月から満月の夜にウェブ上で文通を続けている。この文通は『ムーンサルトレター』と名付けられ、お互いの著書やプロジェクトをはじめ、閉塞した社会を乗り越えるための方策や知恵、直感と洞察が縦横無尽に語られる。本書(上下巻)には10年8月から15年6月までの往復書簡が収められている。この間に起こった最大の出来事は11年3月11日に発生した東日本大震災であろう。
鎌田氏は20年以上前から、世の中に戦乱や混乱の続く『乱世』となり、異常気象や天変地異の相次ぐであろうことを予感。『これまでの生き方を変えろ!』という地球自然界からのメッセージと受け取って、大量生産、大量消費という産業文明のあり方をどう変えることができるのか、新しい時代のビジョンやライフスタイルを模索しつつ、天河護摩壇野焼き講やNPO法人東京自由大学など挑戦的な取り組みを続けてきたという。自然と心の荒廃を自らの責任として、7世代先の子供たちをも見据えて奔走する胸の内には大きな『願』が脈打っている。
一方、一条氏は『人間尊重』『相互扶助』の思想を核に『心豊かな社会』づくりを目指してきた。『生きることはつながること』であり『となりびと』との関係を結んでいくことであるとして、隣人祭りなど新しい互助行為を創出し、鬱や自殺、孤独死の増大する『無縁社会』から『有縁社会』へのシフトを図っている。
二人の合言葉は『楽しい世直し・心直し』。震撼する命と社会の危機を踏み越えようとする不屈の覚悟が読む者の心を揺さぶり、無力感や絶望の闇をも吹き払ってくれるようだ。『自分たちで今できること、今つながることでいっそう力と認識を増やしながら具体的な活動として社会と生活の中に着地していくこと』『八百万縁結びの方策をゲリラ的に実践していきたいと思っています。どんな悲劇的な事態の中でも、歌や笑い、ユーモアを忘れずに、ともに生きぬき、そして、死んでいきたい』という粘り強い実践は、激動の時代をこぎゆく私たちの明日へ羅針盤となるだろう。(県立文学書道館事業課主査・亀本美砂)」


満月交遊 ムーンサルトレター 上

満月交遊 ムーンサルトレター 上

満月交遊 ムーンサルトレター 下

満月交遊 ムーンサルトレター 下

*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月27日 一条真也