一条真也です。
ブログ「仏教連合講演会のお知らせ」、ブログ「『いのちとこころ』の講演会」で紹介したシンポジウムが6日の午後から開催されました。
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エルガーラホールの前で
リハーサルを行いました
講師用控室の前で
控室で会場モニターをチェックする
福岡県仏教連合会の主催による「第10回『いのちとこころ』の講演会」で、会場は福岡市中央区天神にあるエルガーラホール(8階 大ホール)です。
14時にシンポジウムが開始。挨拶などの後、14時20分から、わたしが「葬式は必要〜有縁社会をめざして」の演題で基調講演を行いました。
講師紹介後に一礼しました
基調講演がスタートしました
自分の関上げを率直に述べました
380名収容の大ホールがほぼ埋まりました。これまでもブログ「浄土真宗講演」およびブログ「曹洞宗講演」などで紹介したように、僧侶の方々の前で講演した経験はありますが、これほど多くの僧侶を前に話すのは初めてです。まさに「釈迦に説法」ですので、最初にそのことをお断りしました。
多くの僧侶を前にして話しました
わたしのベースは孔子の教えです
「礼」から「慈」へ・・・・・・
「釈迦に説法」ですが・・・・・・
冠婚葬祭が専門です
わたしは『図解でわかる!ブッダの考え方』(中経の文庫)、『慈経 自由訳』(三五館)、『ミャンマー仏教を語る』(現代書林)なども書いていますが、あくまでも仏教の研究者ではなく、冠婚葬祭の専門家として話しました。
混ざり合った日本人のこころ
不遜ながら、僧侶に「日本人のこころ」を説く!
それから日本人の「こころ」が神道・仏教・儒教の三本柱から成っていることを説きました。神前結婚式は神道と儒教のハイブリッド儀式であり、仏式葬儀は仏教と儒教のハイブリッド儀式であることも述べました。この「なんでもあり」「いいとこどり」の文化の創始者は聖徳太子であり、後に武士道、心学、冠婚葬祭に受け継がれていきました。
葬式は必要!
「葬儀は人類の存在基盤」と訴えました
「天」と「地」をつなぐワザ
自分の葬儀を想像する
そして、いよいよ講演のタイトルにもなっている「葬式必要論」について話しました。『葬式は必要!』(双葉新書)の内容を中心に話を進めました。
葬儀は人類が長い時間をかけて大切に守ってきた精神文化です。いや、葬儀は人類の存在基盤だと言ってもよいでしょう。昔、「覚醒剤やめますか、人間やめますか」というポスターの標語があったが、わたしは、「葬式やめますか、そして人類やめますか」と言いたいです。日本人が本当に葬式をやらなくなったら、人類社会からドロップアウトしてしまいます。
あらゆる生命体は必ず死にます。もちろん人間も必ず死にます。親しい人や愛する人が亡くなることは悲しいことです。でも決して不幸なことではありません。残された者は、死を現実として受け止め、残された者同士で、新しい人間関係をつくっていかなければなりません。葬式は故人の人となりを確認すると同時に、そのことに気がつく場になりえるのです。葬式は旅立つ側から考えれば、最高の自己実現であり、最大の自己表現の場ではないでしょうか。「葬式をしない」という選択は、その意味で自分を表現していないことになります。葬儀とは人生の卒業式であり、送別会だと思います。
「人間の幸せ」について
「有縁凧」を掲げて、有縁社会を訴えました
さらに、「有縁社会」についても話しました。
『ご先祖さまとのつきあい方』(双葉新書)をもとに血縁の重要性を、また『隣人の時代』(三五館)をもとに地縁の重要性を説きました。
タテ糸とヨコ糸から「人間の幸福」が実現することを述べ、実際にブログ「有縁凧」で紹介した凧を会場で掲げながら「有縁社会」の必要性を訴えました。わが社が取り組んでいる「隣人祭り」についてもお話ししました。
無縁社会から有縁社会へ
「隣」とは何か
流行語になった「無縁社会」ですが、もともと「無縁社会」という日本語は変です。なぜなら、「社会」とは「関係性のある人々のネットワーク」という意味だからです。ひいては、「縁ある衆生の集まり」という意味だからです。
「社会」というのは、最初から「有縁」なのです。ですから、「無縁」と「社会」はある意味で反意語ともなり、「無縁社会」というのは表現矛盾なのです。どうも、「無縁社会」という言葉には無理矢理に人を怖がらせようとする意図があるように思えます。いたずらに「無縁社会」の不安を煽るだけではダメです。それよりも、わたしたちは「有縁社会」づくりの具体的な方法について考え、かつ実践しなければなりません。隣人祭りに「相互扶助」の精神を見たわたしは、わが社で隣人祭りのお手伝いを行ってゆくことにしました。
わたしたちは「無縁社会」を乗り越え、「有縁社会」を再生しなければなりません。まずは、地縁再生から! これからも、隣人祭りを通じて、地域の人間関係が良くなるお手伝いがしたいと述べました。参加者のみなさんは真剣なまなざしで1時間の話を熱心に聴いて下さいました。
最後はみなさまとの御縁に感謝して、合掌いたしました。
盛大な拍手も頂戴して、とても有難く感じました。
*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。
2014年6月6日 一条真也拝