「LOVE展」

一条真也です。
ブログ「ハリー・ポッター展」で紹介した展覧会を観た後は、同じ森タワーの中に入っている森美術館を訪れました。ここでは「LOVE展」が開催されています。


同時開催されている2つの展覧会

LOVE展」のタペストリ



LOVE展」には「アートにみる愛のかたち シャガールから草間彌生初音ミクまで」というサブタイトルがついています。公式サイトには「今こそ、愛を」のタイトルで、以下のように展覧会について説明されています。
「愛は人間にとってかけがえのないものです。森美術館は10周年を記念して、この「愛」というテーマを掲げ、美術史を彩る名作や意欲的な新作を含む約200点を通して、愛のかたちを探ります。恋愛から始まり、家族愛、人類愛へ広がる愛のかたち。ときに憎しみや嫉妬にもつながる愛の複雑さ。また、あらゆる対立を超越する愛の力。さらにはインターネット社会における新たな絆など、愛の諸相を描く名作を紹介します。あなたにとって「愛」とは? 
今もう一度、アートを通して愛を体験してみませんか?」


絵画、写真、映像、彫刻、オブジェ、音楽・・・・・もう本当に「愛」をテーマとして何でもコレクションしている観があり、まずはその企画力に感心しました。けっこう有名な名画もたくさん展示してありました。フリーダ・カーロの「私の祖父母、両親そして私(家系図)」はやはり迫力満点でしたね。
また、マルク・シャガールの「町の上で、ヴィテブスク」をはじめ、ジョルジュ・デ・キリコルネ・マグリットサルヴァドール・ダリなど、わたしの大好きなシュールレアリスムの画家の作品が多く、望外の喜びでした。


モダンアートは撮影OKでした



モダンアート系の作品も多く集められていました。その展示手法は、わたしのお気に入りのミュージアムである金沢21世紀美術館に似ていると思いました。
写真集『東京日和』でおなじみの荒木経惟氏が洋子夫人の撮影した写真のコーナーもあり、興味深かったです。映画「東京日和」では、中山美穂が洋子夫人を演じましたね。柳川の川下りのシーンが印象的でした。
また、バーチャル・アイドルである初音ミクのコーナーも面白かったです。


幻想的な草間彌生「愛が呼んでいる」



そして、圧巻は草間彌生の「愛が呼んでいる」です。
1つの部屋を丸ごと使って「愛」を表現しているのですが、原色がふんだんに使われて、まさにファンタスティック!!
何より素晴らしいのは、ここは写真撮影がOKで、多くの来場者がデジカメや写メで記念撮影していたことです。本当の芸術とは「カメラ禁止」「お手を触れないで下さい」の世界ではなく、気軽に親しめるべきではないでしょうか。



なお、「LOVE展」の会場内には、「愛とは2つの肉体に宿る1つの魂である」というアリストテレスの言葉が掲げられており、非常に印象的でした。
この言葉は、名言ブログ「プラトン(1)」名言ブログ「スウェデンボルグ(1)」で紹介した言葉とほぼ同じ意味ですね。アリストテレスプラトンの哲学を批判的に継承し、天上的なものよりも地上的なものを重視しました。また、スウェーデンが生んだ偉大な神秘主義者であるスウェデンボルグは諸学に通じ、「北欧のアリストテレス」と呼ばれました。しかし、「愛」についての定義は、プラトンアリストテレスもスウェデンボルグも同じ考え方をしていたのですね。
最後に、「LOVE展」の開催が可能ならば、次は「DEATH展」を希望します。
なんといっても、「愛」と「死」は人類の二大テーマですから・・・・・。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年6月27日 一条真也