『日中韓のしきたり』校正

一条真也です。
祥伝社黄金文庫から刊行予定の『日中韓のしきたり』(仮題)の初校が出ました。わたしは、この本の監修者なので、念入りに校正を行いました。この本には、わたしの大きな願いが込められています。それは、日本・中国・韓国の良好な関係構築と東アジアの平和への願いです。


日中韓のしきたり』の初校ゲラ



もともと、日本も中国も韓国も儒教文化圏です。
孔子の説いた「礼」の精神は中国で生まれ、朝鮮半島を経て、日本へと伝わってきたのです。しかしながら、ブログ「礼なき国々」にも書いたように、現在の中国および韓国には「礼」の欠片も感じられません。
中国のレーダー照射問題など、「言語道断」の一言です。
尖閣諸島竹島をめぐる領土問題も深刻化する一方ですが、もともと「礼」とは2500年前の中国の春秋戦国時代において、他国の領土を侵さないという規範として生まれたものだとされています



中国や韓国は、日本にとっての隣国です。隣国というのは、好き嫌いに関わらず、無関係ではいられません。まさに人間も同じで、いくら嫌いな隣人でも会えば挨拶をするものです。それは、人間としての基本でもあります。
そして、この人間としての基本が広い意味での「礼」なのです。
「礼」からは、さまざまな「しきたり」が派生しました。この本は、「ライフスタイル」「冠婚葬祭」「伝統行事」「子育てと教育」「ビジネスマナー」といった5つのパートに分かれ、それぞれの分野の「しきたり」を紹介しています。特に「冠婚葬祭」や「伝統行事」の分野は類書にない詳しさで、資料的な価値も大きいと思っています。本が刊行されたら、わたしがメンバーとなっている「東アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」のみなさんにも、ぜひお送りしたいです。



造事務所の副社長である「出版界の木下藤吉郎」こと堀川尚樹さんの依頼で、監修者をお引き受けしました。造事務所さんとは、これまで多くの仕事をさせていただいてきました。また、造事務所さんはブログ『こんなに違うよ! 日本人・韓国人・中国人』で紹介したベストセラーを世に送り出しています。
まさに、わたしは最高のコラボの相手を得たと言えるでしょう。

こんなに違うよ!日本人・韓国人・中国人 (PHP文庫)


しかも、担当者は中田浩平さん。大学で中国文化を学んだ金沢出身のナイスガイです。中田さんには、『世界一わかりやすい「論語」の授業』』(PHP文庫)の編集面でも大変お世話になりました。

世界一わかりやすい「論語」の授業 (PHP文庫)


それぞれの国の「しきたり」を知ることは、その国の文化を知ることです。
そして、互いの文化の違いと共通点を知ることは、その国の国民の「こころ」を知ることに他なりません。わたしはこの本が日中韓の相互理解、国際親善、そして世界平和につながることを願って、心を込めて初校をチェックし、監修者として「はじめに」の文章を書きました。今のところ、4月中旬に刊行予定です。
刊行されたら、もちろん、安倍晋三総理にもお送りしたいと思います。



*よろしければ、「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年2月21日 一条真也