一条真也です。
大相撲ロンドン公演が19日、ロンドン中心部のロイヤル・アルバート・ホールで千秋楽が行われ、横綱豊昇龍が優勝しました。ともに4勝無敗で迎えた結びの一番で横綱大の里を送り出しました。約5400人収容の会場には5日間ずっと「満員御礼」が掲げられ、1991年以来34年ぶり2度目の「ロンドン場所」は大盛況で幕を閉じました。
ヤフーニュースより
「時間いっぱい」が告げられると、音楽の殿堂として知られる会場は静寂に包まれ、取組が始まると大歓声が起こりました。観戦マナーが洗練されていた。八角理事長は「良い取組には声が大きくなり、相撲を分かっている。(閉会式の)歓声にはぐっと来るものがあった」と感慨を込めた。相撲人気のさらなる向上を図る絶好の機会に、豊昇龍は「これが大相撲なんだというのを見せたかった。感謝の気持ちで相撲を取った」と振り返っています。
相手国の招待を受けて実施する海外公演は2005年の米ラスベガス以来です。来年6月にはパリで実施するそうですが、さらなる大盛況が予想されます。現在、円安ということで日本国力の低下が嘆かれていますが、日本の国技であり、日本の伝統文化を代表する大相撲が海外の人々の心を掴んだというのは嬉しいニュースです。大相撲はもちろん魅力のあるプロスポーツですが、競技そのものの魅力に加えて、様式美や儀式の素晴らしさがあります。
『儀式論』(弘文堂)
拙著『儀式論』(弘文堂)に詳しく書きましたが、わたしは、日本文化の本質とは儀式の文化であると思います。日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲といった、さまざまな伝統文化があります。そして、それらの伝統文化の根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在します。相撲の場合は力士同士がぶつかり合って勝敗を決する時間は一瞬です。しかし、それ以外の儀式に費やす膨大な時間が存在します。今回の大相撲ロンドン公演でも、花の海による弓取り式の荘厳さに多くの観客が魅了されていました。
すなわち、儀式なくして文化はありえません。儀式とは「文化の核」と言えるでしょう。「儀式」と似た言葉に「儀礼」がありますが、これは人間同士のコミュニケーションの全てともいえるもので、ほとんど「文化」の同義語であると言っても間違いではないと思います。儀式とはその儀礼の核をなすものであり、儀礼が「文化」なら、儀式は「文化の核」です。そして、拙著『冠婚葬祭文化論』(産経新聞出版)の帯にもあるように、「冠婚葬祭は日本文化の集大成」です。
大相撲ロンドン公演の大成功を見て、わたしは「ジャパン・イズ・バック」という高市早苗第104代首相の言葉とともに、 ブログ「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」で紹介した7月18日に公開されたアニメ映画を連想しました。同作は、日本を含む全世界で13日までに累計観客動員7753万人、総興行収入約948億円(6億5400万ドル ※1ドル=145円換算)を記録し、2025年に公開されたすべての映画の中で、現時点で全世界興行収入第5位を達成しています。「鬼滅の刃」という物語にも様式美があり、さらには「こころ」の不安をケアするという儀式の力が溢れています。そのようなことを述べたわたしの最新刊『「鬼滅の刃」と日本人』(産経新聞出版)が、12月初旬に発売されます。どうぞ、お楽しみに!
*よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!
2025年10月20日 一条真也拝
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