一条真也です。
金沢に来ています。今日は1月17日。阪神・淡路大震災が発生してから30年目を迎えました。1995年(平成7年)1月17日(火曜日)5時46分52秒、兵庫県の淡路島北部(あるいは神戸市垂水区)沖の明石海峡を震源として、マグニチュード7.3の地震が発生しました。
今から30年前に発生した阪神・淡路大震災では、近畿圏の広域が大きな被害を受けました。特に震源に近い神戸市の市街地(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区)の被害は甚大で、近代都市での災害として日本国内のみならず、世界中に衝撃を与えました。犠牲者は6434人にも達し、第二次世界大戦後に発生した自然災害では、東日本大震災が発生するまでは最悪のものでした。
ヤフーニュースより
2011年3月11日には東日本大震災が、2024年1月1日には能登半島地震が発生しました。次から次に起こる自然災害はわたしたちに悲しみを与え続けますが、わたしたちは葬儀やグリーフケアで悲しみに寄り添い続けるしかありません。ちなみに、1月17日には神戸市の東遊園地で追悼行事が営まれますが、灯籠を並べてつくられた文字は「よりそう」。まさに、グリーフケアの言葉です。
ヤフーニュースより
今朝、サンレー北陸の大谷賢博部長からLINEが届きました。彼は上級グリーフケア士ですが、昨年の元旦に発生した能登半島地震の被災者でもあります。実家が全壊したため、高齢の両親とともに避難所でも暮らしました。彼からのLINEには、「本日、5時46分に黙祷しました。自分自身も1年前に被災したため、いろんな感情が沸き起こりました。どれだけの人たちが、一体どれだけの不安や恐怖を感じたのだろう。愛する人を亡くした家族、友人、知人、縁のあった人たちの悲しみの大きさを思います。灯籠を並べてつくられた『よりそう』の文字。暗闇に浮かび上がるその光はグリーフケアの光だと思いました。それは『悲しみを抱えながらも、私たちは一緒に手を取り合って歩んでいく』という思いが、光の言葉となって現れたようでした」と書かれていました。
そして、阪神・淡路大震災30年となるこの日、ついに映画「君の忘れ方」が全国公開されます。拙著『愛する人を亡くした人へ』(現代書林・PHP文庫)を原案とし、大切な人を亡くし悲しみを抱える人に寄り添う「グリーフケア」をテーマに、恋人を失った青年の愛と再生を描いたヒューマンドラマです。同書が刊行されたのは2007年ですから、もう18年も前ですが、当時は「グリーフケア」という言葉を知る人はほとんどいませんでした。それが今では、「グリーフケア」はすっかり時代のキーワードになった感さえあります。現在わたしが理事長を務める一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団には、21年6月に創設した「グリーフケア士」 という資格制度があります。今や、グリーフケア士は1000人を超え、 さらに上級グリーフケア士は32人が取得しており、感慨深いものがあります。映画「君の忘れ方」を1人でも多くの方々にご覧いただき、グリーフケアへの理解を深めていただくことを願ってやみません。最後に、阪神・淡路大震災の犠牲者の方々に心から哀悼の意を表させていただきます。合掌。
『愛する人を亡くした人へ』(PHP文庫)
2025年1月17日 一条真也拝