死を乗り越えるボブ・ディランの言葉

 

人生に後退は無い。
あなたの人生で起こること全てが、
あなたをゴールへと進ませている。
ボブ・ディラン

 

一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。今回の名言は、ボブ・ディラン(1941年~)の言葉です。彼は、アメリカのミュージシャン、シンガーソングライター、詩人。グラミー賞アカデミー賞をはじめ数々を受賞し、ロックの殿堂入りも果たしました。2016年には、ノーベル文学賞を受賞。大きな話題となりました。



ボブ・ディランノーベル文学賞受賞は、歌詞が文学として評価された初めてのケースです。彼の代表作「風に吹かれて」に描かれた人生観に、世界は称賛を贈ったわけです。この曲で問われているのは人間の尊厳や反戦平和の願いにまつわる重要な疑問です。たとえば最初に出てくる「どれだけの道を歩けば、彼は人間と呼ばれるようになるのだろう」という一節は、人が置かれた不条理な状況全般についての疑問です。あるいは、道は旅や人生や練達という意味にとることもできるので、その場合は人間の成長をめぐる一般的な感懐がうたわれていると解釈できます。



1962年のレコードデビュー以来半世紀以上にわたり多大なる影響を人々に与えてきた彼は、今でも現役。「ネヴァー・エンディング・ツアー」と呼ばれる年間100公演ほどのライブ活動を中心にして活躍しています。「人生に後退はない」と言われれば、あるがままに存在する彼の生き方にシンクロしてきます。彼が言うゴールとは「死」のことでしょう。決して成功や栄誉ではないと思います。ましてや単に富を手にすることなどではないでしょう。



人間はいつかはゴールを迎えて、「天国の扉」を開きます。ノーベル賞を受賞した彼は、一時、消息不明でした。辞退か受賞が話題になったのはいかにも彼らしいエピソードです。実際、彼は授賞式にも姿を見せず、「どこ吹く風」でしたが・・・・・・。なお、このボブ・ディランの名言は、死を乗り越える名言ガイド(現代書林)に掲載されています。

 

 

2024年2月28日  一条真也