ブレイキングダウン9

一条真也です。
26日、「BreakingDown9(ブレイキングダウン9)」が東京・アリーナ立川立飛で行われました。正直言って食傷気味なのですが、イロモノながら話題のカードを用意するのは抜群にうまいです。本当は忙しかったのに、今回もまたPPVを購入してしまいました。

BD9が開催!(ABEMAより)

 

ブレイキングダウンとは、プロアマ問わず我こそはと集結した喧嘩自慢たちが繰り広げる "1分間最強" を決める新感覚の格闘エンターテインメントのことですね。総合格闘家朝倉未来がCEO、朝倉海・白川陸斗スペシャルアドバイザーとして監修しています。

 

9回目となる今回は、「喧嘩自慢地区対抗戦」と日韓連合軍で挑む「ヨーロッパ対抗戦」を開催。K-1レジェンドのアーネスト・ホース、ピーター・アーツらが率いるジェロム・レ・バンナボブ・サップ、K-1 WORLD MAXデ魔裟斗としのぎを削ったアルバート・クラウスらを擁する「欧州軍団」が来襲し、ブレイキングダウンでお馴染みのメンバーたちと1分間のバトルを繰り広げました。


サンクチュアリ」岩本は辛勝!(ABEMAより)


不良団体戦は大阪が優勝!(ABEMAより)

 

今回は、 ブログ「サンクチュアリー聖域ー」で紹介したNetflixの相撲ドラマに力士役で出演した岩本駿介を応援。彼は、わたしの母校である小倉高校の後輩です。あと、今回は日本中の不良を地域別にチーム化して対抗戦を行わせていましたが、大阪チームが優勝していました。

所沢のタイソンは弱かった!(ABEMAより)


サップ西成は強かった!(ABEMAより)

 

あとは、所沢のタイソンとかサップ西成といった伝説の格闘家の出場は個人的に興味深かったですね。「果たして、偽物か本物か?」と興味を惹きましたが、結果的に「ケンカ3000戦無敗」というタイソンは偽物で、「前田日明を襲撃した男」ことサップ西成は本物の実力者でしたね。


サップvsノッコン戦(ABEMAより)


判定でノッコンが勝つ!(ABEMAより)

レ・バンナvsジェフン戦(ABEMAより)


KOでレ・バンナが勝つ!(ABEMAより)

 

今大会の目玉は、日韓連合vs欧州連合セミファイナルで、ボブ・サップvsノッコン寺田、メインイベントでジェロム・レ・バンナvsキム・ジェフンという重量級対決が実現しました。サップとレ・バンナといえば、共にK-1レジェンドです。結果ですが、長らく試合から遠ざかっていたサップはノッコンに判定負け、当年50歳のレ・バンナは因縁のジェフンにKO勝ちしました。しかし興行的に見れば、サップvsノッコン戦をメインイベントに持ってくるべきと思ったのは、わたしだけではありますまい。

 


これまでと同じく、試合そのものよりもオーデイションの方が盛り上がりました。そのオーデイションの動画も、YouTube朝倉未来チャンネルで数日置きに配信され、期待というよりもイライラが募りました。正直、この猿芝居にはもう飽きました。高校生を使うところも疑問で、ブレイキングダウンには失望しています。短時間で闘争本能をぶつけ合うなら、大相撲の方がいいですね。


勝利者賞が特攻服かよ?!(ABEMAより)

 

それにしても、毎回、スポンサーが提供する賞品のショボさには驚かされます。ゲームでのみ使える「喧嘩コイン10万円相当」とか「メタバースの土地」とか一体何なんだ? せっかくリアルな賞品があるかと思ったら、特攻服! こんなことをしていたら、ブレイキングダウンはいつまでもマイナーのままで、メジャーにはなれませんね。


マイナーといえば、ブレイキングダウンの出場選手には、反社や半グレ、暴走族などのアウトローとしか思えない者が多いです。身体に入れ墨はおろか、 「アウトローのカリスマ」こと瓜田純士に代表されるように顔面に入れ墨を入れた者もいます。瓜田純士朝倉未来の出身団体である「ジ・アウトサイダー」の創設者は前田日明ですが、彼は高阪剛との対談の中で、「アウトサイダーを始める前までは、入れ墨を彫った選手は格闘技のジムにも入れなかった」と語っています。一方、ブレイキングダウンの選手の中には前科がある者も多いですね。


まあ、人生崖っぷちの中年男女や、とにかく目立って有名になりたいだけのYouTuberとかTikTokerをタダ同然で使って、使い捨ててる構図が見えてきます。儲かるのは朝倉未来だけのような気がしますな。彼のビジネスセンスはなかなかのものですが、もともと少年院出身だった彼が世に出たのは前田が創設したアウトサイダーのおかげです。そこを忘れてはいけません。

 

不良少年の更生というアウトサイダーの理念を最も体現している者こそ、朝倉未来なのです。どうか、彼には金儲けだけに走らず、前田日明やその師であるアントニオ猪木のような高い志を持っていただきたいですね。あと、前田に断りもなくサップ西成を起用するのは礼に反していますし、未来は自身が試合に勝てるように練習しないといけません。彼が本物の強さを見せないと、ブレイキングダウンは怪しい見世物小屋でしかありません。


2023年8月26日  一条真也