東スポでグリーフケア!

一条真也です。
6日、3回目のワクチン接種をしました。
7日、ブログ「グリーフケア対談in東京スポーツ」で紹介した一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の山下裕史会長との対談記事が、「東京スポーツ」全面で掲載されます。「中京スポーツ」「大阪スポーツ」「九州スポーツ」各紙の全面でも併せて掲載され、合計150万部の新聞に掲載されたことになります。

f:id:shins2m:20220408134811j:plain東京スポーツ」ほか2022年4月7日号・8日号

 

グリーフケアの重要性」「超高齢化社会、コロナ禍の今だからこそ」の見出しで、以下のリード文が続きます。
「『グリーフケア』という言葉をご存じだろうか。超高齢化社会を迎える一方で、核家族化などで近親者の死を身近に経験したり、死と向き合う機会が減少している。さらに、伝統的な宗教や地域社会の弱体化により、葬送に対する地域社会からのサポートも減ってきている。その結果、悲嘆(グリーフ)を抱える人々を支え癒やす場所が少なくなり、そのサポート&ケアの重要性が高まっている。そこで「グリーフケア資格認定制度」を創設した一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)の山下裕史会長と同副会長の佐久間庸和・全互協グリーフケアPT座長に“グリーフケア”について語ってもらった」

f:id:shins2m:20220302155354j:plain対談のようす

 

「大きな悲嘆を抱える方々に寄り添い癒やす大切な役目」の小見出しでは、以下の質問と回答が展開されます。
―「グリーフ」とは何か
山下裕史会長(以下=山下) グリーフは、嘆くような深い悲しみの意味です。心身は表裏一体ですので、心に深い悲しみを受けると、身体にも不調をきたしてしまいます。
―具体的にどのようなグリーフがあるのか
佐久間庸和座長(以下=佐久間) ライフサイクルのさまざまな場面で喪失や決別は訪れます。まず離婚や失恋といった離別。また、一見いいようなことに思える子供の成長・卒業・自立・引っ越し・結婚・子離れでもグリーフが発生することがあります。そのほかにも、失敗・転勤・失職・退職・けが・病気・事件・事故・災害も含まれます。その中で、最も大きな喪失は、家族やかけがえのない人との死別です。特に災害や事件・事故、あるいは自死など、予期せぬ形での死別は最悪の喪失体験となり、大きなグリーフとなる可能性がありますね。

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対談のようす

 

「医師や介護士を目指す学生に取得してほしい資格」の小見出しでは、以下のような質問および対話が展開されます。
―「グリーフケア」とはどのようなことか
山下 本来はその傷ついている本人が自己再生するのが基本です。しかし、一人では抱えきれないことが多分に出てくる。そういう時に、周りで支えてくれる人や仕組みが必要となってくる。それがグリーフケアなんです。上からや下からではなく、同じ目線で共感を持ってサポートし、寄り添うことが大切です。具体的には「よく話を聴く」ことです。悲しみを共有しようという姿勢が、一番はじめの基本です。
―なぜ今の社会にグリーフケアが必要なのか
佐久間 現代の日本は「超高齢化」が進行しています。年を重ね、死を身近に感じている人々が増加しています。また、多くの人が都市に移り、核家族化が進み、最近は病院で亡くなる人が大半となりました。さらに、伝統的な宗教が弱体化し、葬送儀礼も形骸化しつつあります。地域社会も弱体化し、葬送に対する地域社会からのサポートも減少しています。死生観が空洞化し、悲嘆を抱える人を支え癒す場所が少なくなっています。それをサポートするのがグリーフケアなんです。
グリーフケアを広め、深めていくことの重要性は
山下 ここ最近はコロナ禍によって、普段会っていたような人たちと会えない状況が続いている。病院や介護施設にもなかなか行けない。葬儀も家族葬直葬が増え、親しい人との最期の別れもできなくなっている。最近の調査で「葬儀はなぜ必要か?」とアンケートしたところ、「故人をしのぶ」「関わりのあった人に感謝を伝える」といった意見のほかに「残された人たちに気持ちの整理をする場が必要だ」という意見がありました。しかし、コロナ禍で葬儀に行きたかったのに行けなかった人々は、悔いが残ってしまう。コロナ禍ということだけではなく、近年は「周りに迷惑をかけたくない」ということで葬式や結婚式に人を呼ばない傾向があります。周りに信用できる人が減り、孤独だけがどんどん広まってしまっているんです。
―具体的にどういった職業や立場の人が学び、実践していくべきなのか
佐久間 職務を通してグリーフケアの実践が必要な方(医師、看護師、介護士、介護スタッフ、社会福祉士、将来これらの専門職に就く大学生、専修学校生、看護学校生等)。悲嘆を抱えた方に寄り添いケアを行う方(遺族会患者会など)。冠婚葬祭互助会の事業所等に勤務されている方。グリーフケアに高い関心を持つ方に資格を取っていただきたいですね。
グリーフケアの資格制度が誕生した背景は
山下 これまでにもグリーフケアという考え方はあったのですが、バラバラだったんです。それを体系的に学び、ケアするスキルを持った専門家の必要性が高まってきました。2009年に日本で初めてグリーフケアを専門とした研究機関として誕生した「上智大学グリーフケア研究所」に全面監修をしていただき、21年6月に「グリーフケア資格認定制度」が設立されました。より専門性が高い「上級グリーフケア士」への道もあります。
―葬祭関係者がグリーフケアの一翼を担う理由は
佐久間 病院で亡くなられたときに、最初にお迎えに行くのが葬祭業者です。家族以外で話をする人でもあるんです。私と同年齢のリリー・フランキーの自伝的小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の中で、オカンが亡くなってすぐに主人公が八つ当たりしたのが医師や看護師、そして互助会だった。医療関係者は病気を治すのが仕事であって、亡くなった人のご家族のケアまではしてくれない。そこで葬儀関係者がご家族の心のケアをする必要があるんです。
―葬祭業に関わる人が資格を取得するとどういう変化があるのか
佐久間
 資格を取った人たちは「なにより自分たちの仕事に誇りが持てるようになった」と言っています。そして、本人がグリーフの当事者になったときに、自主再生できるようになるんです。これこそケアです!
―資格制度の今後の在り方は
山下
 資格の取得は、経験則にのみ頼るのではなく、知識や技術の習得を意味します。グリーフケア資格の取得者が葬儀を通して遺族にかかわることで、葬祭業が社会的役割を担い、それが評価につながると思います。私たちは、葬送の場を提供するだけの職業ではなく、健全な社会の構築を担う重要な職能であると自覚し、高度に発展していこうと考えています。

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対談のようす 

 

また、「年末年始を除く毎日300会場で試験実施」として、グリーフケア資格認定制度】の説明として、「上智大学グリーフケア研究所の全面監修のもと、一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団と全互協が産学一体で『グリーフケア資格認定制度』を2021年6月に創設。対象は18歳以上。試験は、年末年始休業を除くすべての日に全国約300会場で実施。指定教材『グリーフケア士テキスト』から出題され、正答率7割以上で合格となる。合格者には資格認定証(カード)が交付される。5年ごとに更新。受験料は2万7500円(税込み、テキスト代、登録料を含む)。不合格、または受験後に取り消す場合でも受験料等の返還不可。テキストの送料は別途。詳細は、試験サイトを参照」と書かれています。

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対談を終えて・・・・・・

 

さらに、以下の説明があります。
【一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)】
業界団体として、消費者保護、互助会システムの整備および加盟互助会の指導・教育等を行っている。
【冠婚葬祭互助会】
経済産業省の許可の下、会員システムで事業を行っている事業者で、全国各地に結婚式場、斎場、貸衣装部門等を持ち、冠婚葬祭業界で最大の規模と実績を有している。
一般財団法人 冠婚葬祭文化振興財団】
冠婚葬祭に代表されるさまざまな人生儀礼の文化を振興し、次世代に引き継いでいくための事業を行い、伝統文化の向上、発展に寄与することを目的として設立され、全互協とも協力・連携して社会貢献事業等に取り組んでいる。

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東京スポーツ新聞社の本社前で(撮影:山下裕史)

 

2022年4月7日 一条真也