ロータリーで大志を語る

一条真也です。
28日、小倉ロータリークラブの職場例会が 松柏園ホテルで行われました。前日、福岡県では新たに3955人の新型コロナウイルス感染が確認されました。新規感染者は3日連続で過去最多を更新しています。

f:id:shins2m:20220128112436j:plain松柏園ホテルのテラスで

 

わたし自身は開催中止も考えましたが、ロータリアンの皆様の強い要望により完全予防体制で開催したところ、なんと30名を超える方々に参加していただきました。昼食も「ザ・テラス」の窓を開けて通気を良くし、ワンテーブル4人掛けでアクリル板も設置。今日はアンビション(大志)について語るので、「青雲の志」ということで、ブルーのコーディネートでみなさんをお迎えしました。

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換気にも細心の注意を払いました

 

職場例会ということは、わがサンレーを訪問して下さったということです。小倉ロータリーの職場例会といえば安川電機、TOTO、ゼンリンといった北九州を代表する名門企業が定番でしたので、非常に名誉なことであります。卓話は、わたしが サンレー社長としてお話しました。演題は「サンレーズ・アンビション」です。

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職場例会のようす

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卓話者紹介のようす

 

アンビションとは「大志」のことですが、わが社は「サンレーズ・アンビション」として、「天下布礼」を進めています。具体的には「社会貢献」「有縁社会再生」「老福社会実現」「グリーフケア」の4つのカテゴリーで数多くのプロジェクトを推進しています。最近、わが社の社会貢献事業が多大な注目を集めています。わが社の大志、すなわちサンレーズ・アンビションが次々に「かたち」となっており、話題を集めているのです。

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卓話のようす

 

まず、わが社では今年から児童養護施設に入居している新成人に晴れ着などを提供し、記念の写真を撮影する取り組みを始めました。昨年12月4日、北九州市児童養護施設で暮らす新成人2人が 松柏園ホテルで晴れ着を選び、今年1月9日に行われた北九州市の成人式式典には、この晴れ着で出席されました。また、わが社は同様に経済的理由から七五三の晴れ着撮影ができない北九州市内の6児童養護施設の児童に対しても、今年から晴れ着の提供を呼びかけ、計28人の児童が七五三の晴れ着姿を撮影しました。良い思い出になったようで、お礼のお手紙や絵が届いたときは涙が出るほど感動しました。

f:id:shins2m:20220128130929j:plainサンレーとは?

 

さらに、12月7日、わが社が指定管理者を務める天然温泉「ふるさと交流館 日王の湯」(田川郡福智町神崎)で「子ども食堂」を開催し、小中学生を無料招待しました。これらの活動は大きな話題となり、全国紙をはじめとしたマスコミ各社からも取材の申し込みが相次ぎました。取材ではよく、「なぜ、このような社会貢献事業をされるのですか?」という質問があります。わたしは、「わが社の本業である冠婚葬祭互助会はソーシャルビジネスだからです」とお答えしています。ソーシャルビジネスとは、高齢者や障がい者の介護・福祉、子育て支援、まちづくり、環境保護地域活性化など、地域や社会が抱える課題の解決をミッション(使命)として、ビジネスの手法を用いて取り組むもの。「人間尊重」としての礼の精神を世に広める「天下布礼」の実践です。

f:id:shins2m:20220128131203j:plain天下布礼をめざして

 

晴れ着の無料レンタルは、儀式というわが社の本業というべきものの意味と価値を世に広く問うものです。七五三は不安定な存在である子どもが次第に社会の一員として受け容れられていくための大切な通過儀礼です。成人式はさらに「あなたは社会人になった」というメッセージを伝える場であり、新成人はここまで育ててくれた親や地域社会の人々へ感謝をする場です。長寿祝いも含めて、すべての通過儀礼は「あなたが生まれたことは正しい」「あなたの存在と成長をこの世界は祝福している」という存在肯定のセレモニーです。万物に光を降り注ぐ太陽のように、サンレーはすべての人に儀式を提供する志を抱いています。

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わが社の社会貢献について

 

これらの一連の活動は、SDGsにも通じています。SDGsとは「持続可能な開発目標」という意味ですが、要するに社会を持続させるために必要なことを実行するということ。そして、冠婚葬祭互助会は社会を持続させるシステムそのものであると考えます。結婚式は、夫婦を生み、子どもを産むことによって人口を維持する結婚を根底から支える儀式です。一方で葬儀は、儀式とグリーフケアによって死別の悲嘆によるうつ、自死などの負の連鎖を防ぐ儀式です。冠婚業も葬祭業も単なるサービス業ではありません。社会を安定させ、人類を存続させる文化装置です。

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卓話のようす

 

そして、互助会の根本理念である「相互扶助」は、社会の持続性により深く関わります。貧困ゆえに入浴の習慣を知らない小学生がいるという。また、一日に一回しか食事ができない子どもがいるという。その事実を知り、「なんとかしなければ!」と強く思いました。SDGsは環境問題だけではありません。人権問題・貧困問題・児童虐待・・・・・・すべての問題は根が繋がっています。そういう考え方に立つのがSDGsであるわけです。その意味で入浴ができない、あるいは満足な食事ができないようなお子さんに対して、見て見ぬふりはできません。「相互扶助」をコンセプトとする互助会こそはソーシャルビジネスであるべきです。

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わが社のM&A

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わが社の「使命」と「志」を語りました

 

コロナ禍という想定外の大事件によって、社会は一変しました。これまでのように「ただ儲ければいい」「ただ売上と利益さえ追求すればよい」という商売の仕方では通用しません。これからの企業に求められるものは「M&A」ではないでしょうか。M&Aの「M」とは「Mission(ミッション)」のことです。そして、「A」とは「Ambition(アンビション)」のことです。すなわち、サンレーの「M&A」は「使命」と「志」のことです。

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この世から「なくしたい」もの

f:id:shins2m:20220128131315j:plainサンレーズ・アンビション・プロジェクト

会社人として仕事をしていく上で「ミッション」が非常に大切です。ミッション経営とは、社会について考えながら仕事をすることであると同時に、お客様のための仕事を通して社会に貢献することです。要するに、お客様の背後には社会があるという意識を待たなくてはなりません。そして、ミッションと並んで会社人に必要なものが、アンビション、つまり「志」です。志とは何よりも「無私」であってこそ、その呼び名に値します。「自分が幸せになりたい」というのは夢であり、「世の多くの人々を幸せにしたい」というのが志です。夢は私、志は公に通じているのです。自分ではなく、世の多くの人々、「幸せになりたい」ではなく「幸せにしたい」、この違いが重要なのです。

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グリーフケアの時代

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グリーフケアについて説明

 

わが社には無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生するという志、グリーフケアによって世の人々の悲嘆を軽くするという志、そして冠婚葬祭という儀式で日本人を幸福にするという志があります。すなわち、「天下布礼」という大志です。今後は、ますます「ハード」よりも「ハート」、つまりその会社の「想い」や「願い」を見て、お客様が選別する時代に入ります。サービス業からケア業への進化を目指すサンレーは「天下布礼」の大志を抱きながら、新しい時代を創造していきたいと述べたところ、盛大な拍手を頂戴しました。とても感激しました。

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ロシナンテスの川原氏も来てくれました!

 

今日は、小倉高校の後輩で、アフリカで医療支援を行うロシナンテス代表の川原尚行さんも来て下さいました。世界でも最高レベルの社会貢献活動をされているプロフェッショナルの前で、わが社の大志を述べることができて感無量でした。なお、「サンレーズ・アンビション」の1つに「ロシナンテス支援」があります。みなさんにはお土産として、拙著『アンビショナリー・カンパニー』(現代書林)をプレゼントさせていただきました。

 

 

2022年1月28日 一条真也