東京感染者4166人!

一条真也です。
金沢に来ています。今日はサンレー北陸の本部会議を行いました。このまま東京に入ろうかなどと思っていましたが、この日の新規感染者が4166人で過去最多を更新したと知って、東京出張を中止しました。

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ヤフーニュースより 

 

東京の新規感染者は先週の水曜日から989人増えており、直近7日間の1日あたりの平均は3478.7人で、前週(1954.7人)に対し178.0%でした。過去最多と言っても、まだピークを迎えたわけではありません。今週は東京オリンピック開幕後の人出が感染者数に反映される時期にもあたり、どこまで感染者数が増えるかに注目が集まっています。専門家が「経験したことのない爆発的な感染拡大」と表現した都内の感染状況は、まさに文字どおりの急増ぶりをみせています。全国の感染者数も、過去最多となる1万4000人以上となっています。

f:id:shins2m:20210804182747j:plainヤフーニュースより  

 

小池百合子東京都知事は、7月28日、新型コロナウイルス感染者の急増を受けて記者団に「ワクチンを若い方も打っていただきたい」と発言しました。今月2日にも「40~50代のまだ受けていない方はできるだけ早くお願いしたい」と呼びかけました。しかし、小池都知事の発言に対し、SNSでは「予約を取りたくても取れないのに」と怒りが噴出しています。毎日新聞の記事では、都内に住む42歳の女性が自身の経験から「ワクチンの予約は、超人気アーティストのチケットを取るようなものだった」と予約争奪戦を嘆き、小池氏の発言に憤っていると紹介。

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そんな中、政府は新型コロナウイルス感染者について、感染急増地域は自宅療養を基本とする方針を示しました。入院は重症患者らに絞り込み、中等症以下の患者は入院せずに自宅で過ごせというのです。菅義偉首相は3日、日本医師会中川俊男会長ら医療関係団体と面会し、「ワクチン接種の進行と感染者の状況の変化を踏まえ、急激な感染拡大においても医療提供体制を確保し、誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるよう方針転換した」ことを伝え、理解を求めました。しかし、東京都では感染者が爆発的に増えており、自宅療養者の病状急変に対応できなくなる恐れもあります。一人暮らしの高齢者などの孤独死が急増する可能性も高くなります。この政府方針に対して、与党や自治体からも撤回要求が相次ぎました。

f:id:shins2m:20210804182903j:plainヤフーニュースより 

 

驚いたのは、こんな重大決定を政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が知らず、「寝耳に水」だったことです。4日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、尾身会長は入院対象者を重症者らに絞り込む政府方針について、事前の相談を受けていなかったことを明らかにしました。尾身氏は「政府とは毎日のようにいろいろなことで相談、連絡、協議しているが、この件に関して相談、議論したことはない」と述べています。この点について、田村憲久厚労相は答弁で「病床のオペレーションの話なので政府で決めた」と理由を述べましたが、信じられない話です。「専門家の意見を聞いて」「国民の命を守る」という菅首相の十八番のセリフはどこに行ったのでしょうか。医療従事者をはじめとして国民の怒りは沸騰しています。東京五輪の開催延期決定から1年もの時間があったのに、PCR検査の拡充もせず、病床も増やさず、ワクチンも在庫が足りませんでした。そして、最後は自宅療養とは!!

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これはもう政府が東京の医療崩壊を認めたに等しく、それならば開催中の東京五輪は即刻中止しなければなりません。政府の「自宅療法」方針決定の前に、東京五輪を途中中止し、五輪対応に張り付けている約7000人の医療従事者を各地の現場に振り分ける必要があることは明らかです。それを万策尽き果ててもいないのに、「コロナ患者は自宅療養」「五輪は最後までやる」では筋が通りません。世間には、脳科学者の茂木健一郎氏をはじめ、「東京の感染者増と五輪開催は無関係」などと主張する者もいますが、無関係なはずはありません。そもそも、今年の4月か5月に東京五輪の中止を決定してから緊急事態宣言を発出すれば、東京都民や日本国民も真剣に外出自粛したはずです。尾身会長も言うように「オリンピックをやるということが人々の意識に与えた影響はある」のです。あと、五輪開催によって数万人単位で海外から入国した人々の影響も、もちろん無視できません。

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4日、ギリシャのアーティスティックスイミングの選手4人と関係者1人が新型コロナウイルス検査で陽性が確認されました。5人は東京・晴海の選手村に滞在しており、選手村でのクラスター発生は初となります。これで、累計で300人以上の五輪関係者が感染したことになります。わたしは開会式以外は、東京五輪を一切テレビ観戦していません。そもそも、今回の五輪はワクチン接種を含め諸々の感染対策や入国後の待機期間中に練習できないことなど、まったく公平性に欠けています。真のオリンピックではなく、メダルの価値も従来の五輪とは違います。サッカーに代表されるように、海外の有力選手の多くは最初から棄権しています。このような「五輪もどき」の運動会を観て「感動した!」「日本すごい!」などと言っている人たちの気が知れません。「パンとサーカス」に操られて、日本のメダルラッシュとやらに喜んでいる間に深刻な事態が進行していることに気づかないのは、まさに無知の涙です。パンデミック下でオリンピックを開催するという大いなる矛盾のツケをこれから払うのは日本国民なのです!



2021年8月4日 一条真也