沖縄祝賀式典

一条真也です。
沖縄に来ています。今日の那覇は雨で気温が14度くらいです。今朝はシークワサー・ジュースを飲みながら、「琉球新報」をゆっくり読みました。やはり地元紙を読むと、沖縄の「いま」がよくわかります。

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入場のようす

 

7日の午前中、サンレー沖縄の新年祝賀式典を行いました。会場は、マリエールオークパイン那覇4Fの「ムーンライト」です。例年は各部署から総勢200名以上が参集するのですが、今年はコロナ対策もあって少なめで、約100人です。もちろん、ソーシャルディスタンスには万全に配慮をしています。

f:id:shins2m:20210107103210j:plain勇壮なふれ太鼓

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一同礼!

f:id:shins2m:20210107103410j:plain全員で社歌を斉唱♪

f:id:shins2m:20210107103653j:plain全員で「S2M宣言」を唱和

 

司会は、総務課の横木課長が務めました。
まず、東部営業所の名幸所長による「ふれ太鼓」で開幕。「開会の辞」に続いて全員で社歌を小声で斉唱し、第二営業ブロックの小禄ブロック長代理によって「経営理念」、「S2M宣言」が読み上げられ、全員で小声で唱和しました。

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f:id:shins2m:20210107103845j:plain社長訓示を行いました

 

そして、いよいよ「社長訓示」です。
わたしは、以下のような話をしました。
あけまして、おめでとうございます!
2021年の新しい年をみなさんと一緒に迎えることができ、たいへん嬉しく思います。昨年は、とにかく、新型コロナウイルスの感染拡大という想定外の出来事に尽きる年でした。ニューノーマルの時代となっても、わたしたちは、人間の「こころ」を安定させる「かたち」としての儀式、冠婚葬祭を守っていかなければなりません。

f:id:shins2m:20210107104101j:plain鬼滅マスクを外しましたf:id:shins2m:20210107103941j:plain
日本が直面する国難とは?

日本は、いま最大の国難に直面しています。それは新型コロナウイルスの問題でも、中国の領土侵犯の問題でも、北朝鮮のミサイル問題でもありません。より深刻なのが人口減少問題です。人口減少を食い止める最大の方法は、言うまでもなく、たくさん子どもを産むことです。そのためには、結婚するカップルがたくさん誕生しなければならないのですが、現代日本には「非婚化・晩婚化」という、「少子化」より手前の問題が潜んでいます。

f:id:shins2m:20210107104325j:plain結婚式は結婚よりも先にあった!

 

わたしは、結婚式は結婚よりも先にあったと考えています。一般に、多くの人は、結婚をするカップルが先にあって、それから結婚式をするのだと思っているのではないでしょうか。でも、そうではないのです。日本人の神話である『古事記』では、イザナギイザナミはまず儀式をしてから夫婦になっています。つまり、結婚よりも結婚式のほうが優先しているのです。他の民族の神話を見ても、そうでした。すべて、結婚式があって、その後に最初の夫婦が誕生しています。結婚式の存在が結婚という社会制度を誕生させ、結果として夫婦を生んできたのです。

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熱心に聴く人びと

 

結婚式があるから、多くの人は婚約し、結婚するのです。結婚するから、子どもが生まれ、結果として少子化対策となります。結婚がなくなれば、子どもの出生が少なくなり、子どもが成長して大人となり、老いていって次の世代へ繋がることもなくなります。すなわち、結婚は生命のサイクルの起点なのです。観光や外食と違って、結婚式は社会の維持のために絶対に必要です。冠婚業はけっして単なるサービス産業ではありません。日本という国を継続させていくエンジンのような存在です。

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葬祭業はエッセンシャルワークだ!

 

葬儀の方ですが、最近、「葬祭業はエッセンシャルワークですね」とよく言われます。 エッセンシャルワークとは電気・水道・医療・介護などの日常生活に不可欠な仕事です。そして、葬儀もエッセンシャルワークです。葬儀にはさまざまな役割があり、霊魂への対応、悲嘆への対応といった精神的要素も強いですが、まずは何よりも遺体への対応という役割があります。遺体が放置されたままだと、社会が崩壊します。それは、これまでのパンデミックでも証明されてきたことでした。何が何でも葬儀に関わる仕事は続けなければならないのです。葬儀が必要不可欠のエッセンシャルワークなのです。

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先祖を大切にする沖縄人は素晴らしい!

 

とにかく、昨年は新型コロナウイルスの猛威に振り回された1年でしたが、そんな中で社会現象と呼べる大ブームを巻き起こしたのが『鬼滅の刃』です。漫画も、アニメも、映画も、史上最大のヒットを記録するという信じられないような現象を巻き起こしています。「なぜ、『鬼滅の刃』はコロナ禍の中で大ヒットしたのか」という謎について、わたしは考え抜きました。日本人の「こころ」は神道儒教・仏教の三本柱によって支えられています。そして、それらの三本柱には「先祖崇拝」という共通項があり、それが「かたち」として表されるのが儀式です。ちなみに日本で最も先祖崇拝の精神が生きているのが沖縄です。本当に素晴らしいことです!

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儀式なくして人生なし!

 

冠婚葬祭、年中行事、そして祭礼は広く「儀式文化」としてとらえることができます。そして、それらは「かたち」の文化です。それらが何のために存在するのかというと、人間の「こころ」を安定させるためです。コロナ禍では、卒業式も入学式も結婚式も自粛を求められ、通夜や葬式さえ危険と認識されました。しかしながら、儀式は人間が人間であるためにあるものです。儀式なくして人生はありません。まさに、新型コロナウイルスは「儀式を葬るウイルス」と言えるでしょう。そして、それはそのまま「人生を葬るウイルス」です。

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熱心に聴く人びと

 

人間の「こころ」は、どこの国でも、いつの時代でも、ころころ動いて不安定です。だから、安定するための「かたち」すなわち儀式が必要なのです。多くの儀式の中でも、人間にとって最も重要なものは「人生の卒業式」である葬儀ではないでしょうか。新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった方の葬儀が行うことができない状況が続きました。芸能界でも志村けんさん、岡江久美子さんがお亡くなりになられましたが、ご遺族はご遺体に一切会えず、荼毘に付されました。新型コロナウイルスによる死者は葬儀もできないのです。ご遺族は、二重の悲しみを味わうことになります。

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鬼滅ブームはコロナ禍の中の「祭り」

 

コロナ禍の現状、ことごとく夏祭りや盆踊りが中止されました。その中で生じる最大の問題は、夏祭りや盆踊りが担っていた祖霊祭祀と病疫除去という役割を、誰が担うのかというものです。その答えの1つが、「鬼滅の刃」という作品だったと思います。夏祭りは先祖供養であると同時に、疫病退散の祈りでした。それが中止になったことにより、日本人の無意識が自力ではいかんともしがたい存在である病の克服を願い、疫病すなわち鬼を討ち滅ぼす物語であり、さまざまな喪失を癒す物語でもある「鬼滅の刃」に向かった側面があるのではないか。「鬼滅の刃」現象とは、コロナ禍の中の「祭り」であり、「祈り」だったのです!

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最後に道歌を披露しました

 

鬼滅の刃』という物語は、わたしたちの仕事である冠婚葬祭業とも深い関わりがある、いわば「 天下布礼」の物語であると言えます。そして、死者を供養し、先祖を祀るという「礼欲」という本能があるかぎり、冠婚葬祭や年中行事は不滅です。すなわち、わたしたちの礼業は永遠に不滅ということです。社会現象にまでなった『鬼滅の刃』という物語が、日本人における「礼」の精神の重要性と普遍性を説くものであったと知り、わたしは大変心強い思いがしました。最後は、「今年も力を合わせて、世のため人のために頑張りましょう!」と言ってから、「亡き人をしのび病を追い払ふ これぞ日の本 鬼滅の祭り」という道歌を披露しました。

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f:id:shins2m:20210107105818j:plain訓示する康弘社長

 

それから、昨年から就任したサンレー沖縄の佐久間康弘社長が登壇して、訓示を行いました。康弘社長は、「コロナ禍での変化とその適応をめぐり、企業は二極化していると言われます。これまでの働き方や固定費を見直し変化に適応している組織と、変化から目をそらし過去の経験に固執し従来までのやり方を頑なに順守する組織の二つです。いずれ何とかなるから問題ないという希望バイアスで過度に楽天的になったり、新型コロナウイルスへの過剰な恐怖に捉われて過度に悲観的になる組織がダメなのは言うまでもありません」と述べました。

f:id:shins2m:20210107110339j:plainいまこそサンレーの出番!

 

また、康弘社長は「コロナ危機は以前から明らかだった社会の変化をさらに加速する役割を果たしているだけであり、様々な課題を真摯に見直し、グレートリセットするという千載一遇のチャンスを与えてくれているのです。変化を恐れず、新しい時代に挑戦する勇気こそ、サンレーの発展の原動力であると確信しています。人類は100年前、スペイン風邪の危機を乗り越えてきた歴史があります。また、100年と言えば日本には『百年企業』が数多あり次世代に繋ぐ思想が脈々と続いています。新たな年の幕開けです。いまこそ『冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする』というミッションを掲げるサンレーの出番です。歴史に学びつつ、本年も明るい未来に向けて邁進していきましょう!」と述べました。

f:id:shins2m:20210107111427j:plain各種の表彰が行われました

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表彰者の記念撮影

続いて、各種の表彰式が行われました。最初に資格取得者表彰を行いました。まずは、康弘社長が「1級葬祭ディレクター合格者」表彰、続いて「優績者表彰」を行いました。

f:id:shins2m:20210107112001j:plainサンレーおもてなし賞」の表彰

f:id:shins2m:20210107112134j:plain表彰者との記念撮影

続けて、わたしが佐久間会長の代理として、4名の方に「サンレーおもてなし賞」を表彰いたしました。サービス業は人が宝ですので、この賞を受ける方々はまさに宝の中の宝です。おめでとうございます!

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新成人への記念品授与

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挨拶する随行

その後、新成人へ康弘社長が記念品を渡しました。
それから、わたしと一緒に沖縄に来た随行者の2人が紹介されました。北九州本部紫雲閣事業部の郡部長と、福岡営業所の武冨所長です。2人とも高身長なので、会場からどよめきが起こりました。2人はマイクを持って自己紹介しましたが、これがまた抜群に上手い! 2人とも北九州市の市会議員の選挙に出たら通ると思います。

f:id:shins2m:20210107113337j:plain決意表明のようす

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決意表明を読む小久保本部長

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決意を受け取る康弘社長

 

続いて、「部門別決意表明」です。営業推進部の瀬名波部長、八重山ブロックの前原ブロック長、冠婚営業部の崎山支配人、紫雲閣事業部の新城部長代理がそれぞれの決意を読み上げました。そして、最後に沖縄本部を代表して小久保本部長が決意書を 佐久間康弘社長に渡しました。

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最後は「和のこえ」で

f:id:shins2m:20210107113956j:plainこれが「和のこえwithコロナ」だ!

最後は、八重山ブロックの前原ブロック長の音頭による「和のこえ」で祝賀式典がめでたく終了。サンレー名物の「和のこえwithコロナ」で全員の心が1つになりました。コロナなんて、なんくるないさー!

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退場のようす

 

2021年1月7日 一条真也拝