8月度総合朝礼

一条真也です。
文月晦日、7月31日に全国で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は過去最多となる1563人でした。東京では過去最多の463人、大阪府は過去2番目の216人でしたが、愛知県が過去最多の193人、福岡県も過去最多の170人の感染が確認されました。また、沖縄県でも過去最多の71人の感染が確認され、玉城知事が会見で県独自の緊急事態宣言を発表しました。

f:id:shins2m:20200801084355j:plain8月度総合朝礼のようす

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最初は、もちろん一同礼!

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社歌斉唱のようす

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わたしも小声で斉唱しました

そんな中、8月になりました。先月に続いて、わが社が誇る儀式の殿堂である小倉紫雲閣の大ホールで、サンレー本社の総合朝礼を行いました。全員マスク姿で社歌の斉唱および経営理念の唱和は小声で行いました。
それから社長訓示の時間となり、わたしは登壇しました。

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小倉織のマスク姿で登壇しました

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訓示の前にマスクを外しました

わたしは、まず、「8月になりましたが、新型コロナウイルスの猛威が止まりません。一昨日からは梅雨が明けて猛暑となっています。みなさん、感染と熱中症の両方に気をつけて下さい」と言いました。それから、「8月は6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、12日の御巣鷹山日航機墜落事故の日、そして15日の終戦の日・・・3日置きに日本人にとって忘れられない日が訪れます。そして、それはまさに日本人にとって最も大規模な先祖供養の季節である『お盆』の時期とも重なります。まさに8月は『死者を想う季節』だと言えるでしょう」と述べました。

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社長訓示のようす

 

続いて、わたしは「今年の夏は特別です。昨年までとは違って『コロナの夏』だからです。国が『GoToトラベル』キャンペーンを展開しても、感染を怖れて旅行に出かける人は少ないようです。それでは、お盆になっても墓参りも行かないかというと、そうでもないようで、『せめて墓参りだけはしたい』という人が多いと聞きます」と言いました。
先日、「産経新聞」から「コロナ『自粛』で祈り、供養の機会『増えた』 日本香堂調査『大切な故人、心の拠りどころに』」というネット記事が配信されました。記事には、「新型コロナウイルスの感染拡大防止で続いた自粛期間中、親族など身近な故人への祈り、願いごとをする人が増えていることが調査で明らかになったと書かれていました。

f:id:shins2m:20200801120804j:plainなぜ人間は死者を想うのか

 

コロナ禍で先祖との「絆」を求める指向が高まっていることも明らかになりましたが、日本香堂は「未曽有の経験に揺れ動いた心の拠りどころとして、大切な故人に見守られているような、安らぎのひとときという実感を強めているのではないか」と分析しています。
拙著『唯葬論』(サンガ文庫)で、わたしは、「なぜ人間は死者を想うのか」という問いを立て、人間に「礼欲」という本能がある可能性を指摘しました。

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人間には「礼欲」がある!

 

人間を「社会的動物」と呼んだのはアリストテレスで、「儀式的存在」と呼んだのはウィトゲンシュタインですが、儀式とは人類の行為の中で最古のもの。ネアンデルタール人も、現生人類(ホモ・サピエンス)も埋葬をはじめとした葬送儀礼を行っていましたわたしは、祈りや供養や儀式を行うことは人類の本能だと考えています。この本能がなければ、人類は膨大なストレスを抱えて「こころ」を壊し、自死の連鎖によって、とうの昔に滅亡していたのではないでしょうか。

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熱心に聴く人びと

 

また、冠婚葬祭とは「祈り」や「供養」の場であるとともに、「集い」や「交流」の場でもあります。人間には集って他人とコミュニケーションしたいという欲求があり、これも「礼欲」の表れだと言えるでしょう。冠婚葬祭などに参加しづらいコロナ禍の現状下で、人々は多大なストレスを感じていることを確認できました。「社会的存在」である人間は常に「隣人」を必要とします。冠婚葬祭は「死者への想い」と「隣人性」によって支えられていますが、それらは「礼欲」の両輪と言えるでしょう。

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‟BIG  NEWS”を発表!

 

コロナ禍の中にあっても、わが社の施設はオープンし続けました。この仕事は社会的必要性のある仕事なのです。そして、わたしはビッグニュースを社員のみなさんに披露しました。なんと、日本を代表する超大物歌手がわが社のCMキャラクターとなることが決定したのです。わたしが「日本一、歌のうまいエンターテイナー」とかねてからリスペクトしていた方です。早速、8月上旬にCMを撮影します。「どうぞ、お楽しみに!」と言うと、みんな驚いた様子でした。

f:id:shins2m:20200801121217j:plain疫病の流行りし世には亡き人を想ふこころのさらに強まり
 

わたしは、「ということで、新型コロナウイルスが完全終息するのはまだ先のことでしょうが、礼欲がある限り、儀式文化を基軸としたわが社の事業は永久に不滅です!」と述べてから、以下の道歌を披露して降壇しました。

 

疫病の流行りし世には亡き人を
 想ふこころのさらに強まり(庸軒)

 

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訓示後は「今月の目標」を唱和

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最後は、もちろん一同礼!

 

総合朝礼の終了後は、大会議室で北九州本部会議を開催します。コロナ時代にあっても未来を拓くための有意義な会議にしたいと思います。みんなで力を合わせて、「コロナの夏」を乗り切ろう!

 

2020年8月1日 一条真也