スーパームーン

一条真也です。
福岡県に緊急事態宣言が発令された翌日の8日、小倉の自宅からスーパームーンを見上げました。今年最大の満月がよく見えました。夜空の月は日本のみならず、中国も、アメリカも、ヨーロッパも、中東も、アフリカも照らしてくれます。わたしは、スーパームーンに向かって合掌しました。そして、国内で103人、世界で8万人以上となった新型コロナウイルスで亡くなられた方々に心からの祈りを捧げました。

f:id:shins2m:20200408223500j:plain小倉の自宅から見たスーパームーン

 

この日、国内で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が503人となり、1日に感染が確認された人数がはじめて500人を超えました。不安な日々が続くというか、不安がますます増大している印象ですが、夜空の満月を眺めていると、不思議と安らかな気分になってきます。それは月が、わたしたちの魂の故郷だからであると思います。

f:id:shins2m:20200408223241j:plain強烈な光を放っていました

 

多くの民族の神話と儀礼において、月は死、もしくは魂の再生と関わっています。規則的に満ち欠けを繰り返す月が、死と再生のシンボルとされたことは自然でしょう。世界中の古代人たちは、人間が自然の一部であり、かつ宇宙の一部であるという感覚とともに生きており、死後への幸福なロマンを持っていました。その象徴が月なのです。



 わたしは、故人の霊魂を霊座(レーザー)光線に乗せて月へ送る「月への送魂」という儀式を提唱し、デモンストレーションを行っています。「葬」という字には草かんむりがあるように、草の下、つまり地中に死者を埋めるという意味があります。「葬」にはいつでも地獄を連想させる「地下へのまなざし」がまとわりついているのです。一方、「送」は天国に魂を送るという「天上へのまなざし」へと人々を自然に誘います。「月への送魂」によって、葬儀は「送儀」となり、お葬式は「お送式」、葬祭は「送祭」となります。そして「死」は「詩」に変わります。

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慈経 自由訳』(現代書林)

 

わたしは『慈経 自由訳』(現代書林)を上梓しましたが、ブッダは8月の満月の夜に「慈経」を説いたと伝えられています。満月は、満たされた心のシンボルなのです。「月の経」の別名を持つ「慈経」を重視するミャンマーなどの上座仏教の国々では今でも満月の日に祭りや反省の儀式を行います。仏教とは、月の力を利用して意識をコントロールする「月の宗教」だと言えるでしょう。



仏教のみならず、神道にしろ、キリスト教にしろ、イスラム教にしろ、あらゆる宗教の発生は月と深く関わっています。そのように、わたしは考えています。月こそは宗教も民族も超えた「世界平和」のシンボルではないでしょうか。そして、満月の夜にブッダによって説かれた「慈経」の教えは、老いゆく者、死にゆく者、そして不安をかかえたすべての者に、心の平安を与えてくれます。わたしはスーパームーンに向かって合唱し、「慈経」を唱えながら、新型コロナウイルスで亡くなったすべての死者の御冥福を祈りました。

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この第3弾が出ます!

 

今夜、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生との満月の夜のWEB往復書簡である「ムーンサルトレター」を交換しました。2005年10月20日の夜にわたしが第1信を書いてから、ちょうど15周年の第180信になります。第1信から第60信までは『満月交感』、第61信から第120信までは『満月交遊』にまとめました。第121信から第180信までは、『満月交心』のタイトルで今秋までに刊行したいと思っています。お楽しみに!
今宵のスーパームーンが、世界中の悲しみを和らげてくれますように。そして、1日も早く新型コロナウイルスの感染拡大が終息し、世界に平穏な日々が訪れますように。

f:id:shins2m:20200408223500j:plain世界に平穏が訪れますように・・・・・・

 

2020年4月8日 一条真也拝