一条真也です。東京に来ています。
26日は、冠婚葬祭総合研究所の会議、互助会保証の監査役会、取締役会、情報交換会に参加しました。27日の朝一番で北九州に戻ります。
この日、「サンデー毎日」3月11日号が発売されます。わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。第119回のタイトルは、「手元供養を知っていますか」です。
「サンデー毎日」2018年3月11号
前回、簡易仏壇について書きました。
今回は、さらにコンパクトな供養の「かたち」について話してみたいと思います。「手元供養」という言葉を最初に耳にしたのは、もう10年以上前です。今では広く認知されています。具体的には自らの手元に家族のご遺骨やご遺髪をおいて供養するというものです。
方法としては、ご遺骨・ご遺灰やご遺髪をミニ骨壷などの専用の容器を使い自宅に安置し供養するもの、ペンダントやブレスレットの中にご遺骨・ご遺灰やご遺髪を納めて日常的に身につけるといったものがあります。
現在では、さまざまな色や形のミニ骨壷が販売されており、亡くなった方をイメージして偲べるようなものを選ぶことが多くなっていいます。
また、ペンダントやブレスレットも多様な材質や形をしたものが販売されており、その他にもご遺骨をダイヤモンドに加工し、同じくペンダントや指輪にするサービスも人気です。
手元供養を行う人には2種類いるような気がします。ひとつは、どこかのお墓もしくは納骨堂で納骨を行い、そのうちのご遺骨の一部を手元供養として行うもの。もうひとつは今まであったお墓を片付け(墓じまい)、納骨していたご遺骨を合祀・散骨(樹木葬など)を行い、一部を手元供養用として残すものです。
前者と後者の違いは何でしょうか。前者は亡くなった方を身近で供養したいという理由が多いのに比べ、後者はお墓の維持が出来なくなった、後継者がいなくなったなどの理由があります。
拙著『儀式論』(弘文堂)でも詳しく述べましたが、そもそも人間とは「儀式的動物」であると考えます。当然ながら供養も儀式です。その「かたち」はともかく、自分が納得のいく「愛する人への供養」の選択肢が増えていくことの意義は大きいと言えるでしょう。
世間体だけで行われる儀礼では悲しみは癒せません。「あるべき」ではなく「ありたい」という個の覚悟が手元供養を生み出したように思えます。簡易仏壇も、手元供養も、現代人の「こころ」の「かたち」なのでしょう。
- 作者: 一条真也
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2016/11/08
- メディア: 単行本
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「サンデー毎日」2018年3月11号の表紙
2018年2月27日 一条真也拝