ご先祖さまへの贈りもの

一条真也です。
29日、「サンデー毎日」2017年9月10日号が発売されます。
わたしは、同誌にコラム「一条真也の人生の四季」を連載しています。
第94回目のタイトルは、「ご先祖さまへの贈りもの」です。


サンデー毎日」2017年9月10日号



この夏、みなさんは祭りに参加されたでしょうか。
最近のわがカラオケ定番曲は、北島三郎さんの「まつり」。
会社や業界団体の懇親会などで熱唱すると、大いに盛り上がります。
祭りは先祖供養のひとつの儀式として始まりました。たとえばお盆ですが、これは家族がご先祖さまを供養します。それに祭りの要素が加わったのが、「盆踊り」であり「花火大会」です。



盆踊りは死者、つまりご先祖さまを楽しませるものとして始まりました。わたしの出身地である北九州市小倉では「無法松の一生」で知られる祇園太鼓が夏祭りを彩ります。太鼓もまたご先祖さまを楽しませる余興のひとつでした。ご先祖さまを村人が総出でもてなしたわけです。



秋祭りも、収穫への感謝の儀式です。
天皇家神嘗祭として、ご自身のご先祖さまである天照大神へ感謝を示しますが、わたしたち国民も、それぞれの祖先に感謝を示すのです。
花火大会も死者への慰霊と悪霊退散を祈ったものです。徳川吉宗が、江戸のコレラ流行、異常気象による全国に発生した飢饉を治めるためと、亡くなった方への鎮魂のために始めたのが隅田川の花火大会です。



花火大会は先祖供養という意味でお盆の時期に行われ、大輪の花火を見ながら、ご先祖さまを懐かしみ、あの世での幸せを祈ります。日本の花火を見て、なんともいえない切なさを感じるのはわたしだけでしょうか。ディズニーランドで打ち上げられる花火とは明らかに違います。はかなさが伝わってくるのです。太鼓、盆踊り、花火、そして祭り・・・これらはすべて、ご先祖さまを楽しませ、もてなすためのエンターテインメントだったわけです。



わたしは『なぜ、一流の人はご先祖さまを大切にするのか?』(すばる舎)という本を書き上げ、もうすぐ上梓する予定です。感謝の「こころ」は「かたち」にしなければなりません。そして、最も感謝すべき対象は「いのち」を与えてくれたご先祖さまです。ご先祖さまに贈りものを!


サンデー毎日」2017年9月10日号の表紙



2017年8月29日 一条真也