一条真也です。
ソクラテスは、「哲学の祖」と呼ばれる人物です。
彼は、「本当に自分は何を求めるのか」と自問したとき、自分はこの社会の中で立身出世を求めることが悪いとは思わないし、財をなすことも悪いとは思わないと考えました。しかし、まず自分がしなければならないこと、それは「本当に人間の最も大事なものは何か」ということを探すことであると思い至ったのです。そして、その緊急課題として「エピメレイア・テース・プシュケース」ということを考え出しました。「魂の世話」という意味です。
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ソクラテスは、人間にとって最も大事なことは、自分の命である魂を世話することだと喝破したのです。そして魂を世話するということは、本質的に魂が要求するものを大事にすることです。人間の魂が本質的に要求していることとは、真理を知ること。だから魂の世話とは、知恵を大事にすることなのです。それで、最初から自分を知者であるとは言わずに、自分は本当の知を愛し、求める者であるとソクラテスは言ったのです。
哲学のことを「フィロソフィー」と呼びます。
これは「フィロソフィア」という言葉から来ています。「フィリア」は「友愛」を意味するし、「ソフィア」は「知恵」ですから、フィロソフィアとは「愛知」ということになります。他の賢者たちが「自分たちはソフィステース(知者)である」と言ったのに対して、ソクラテスは「自分はフィロソフォス(知恵を愛し求める人)にすぎないと言ったのです。
ソクラテス以前のギリシャの哲学者は、タレスやヘラクレイトスのように宇宙の原理を問うた。ソクラテスにおいて、初めて自己と自己の根拠への問いが哲学のテーマになったのです。彼は自然現象の統一的な原理が何であるかということよりも、人間の魂が要求するものは何かということを追求し続けました。この意味で、ソクラテスは「魂の哲学」の祖なのです。
わたしは「魂の世話をする」というソクラテスの言葉から、「結魂」や「送魂」などの冠婚葬祭の本質を示すコンセプトを発見しました。
すなわち、冠婚葬祭業とは「魂のお世話業」なのです! なお、今回のソクラテスの名言は『世界をつくった八大聖人』(PHP新書)にも登場します。
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*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。
2017年3月18日 一条真也拝