死からの始まり「レヴェナント:蘇えりし者」

一条真也です。
わたしは、 終活WEB「ソナエ」で「一条真也のハートフル・ライフ」を連載しています。「日本の心」や「心ゆたかな生き方」をテーマに月に2回、コラムをお届けしております。その第33回目が本日アップされました。


終活WEB「ソナエ」



第33回目のタイトルは「死からの始まり『レヴェナント:蘇えりし者』」です。「劇中に描かれた生死に学ぶ」の大見出しでTOPページに掲載されています。映画「レヴェナント:蘇えりし者」を観ました。第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞など同年度最多の12部門にノミネートされ、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を受賞して自身初のオスカー像を手にしました。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督も、前年の「バードマン」に続いて2年連続の監督賞を受賞。撮影監督のエマニュエル・ルベツキも3年連続で撮影賞を受賞しました。


「死からの始まり『レヴェナント:蘇えりし者』」



舞台は、アメリカ西部の原野です。ハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負います。彼は、仲間のジョン・フィッツジェラルドトム・ハーディ)に裏切られて置き去りにされますが、かろうじて死の淵(ふち)から生還します。グラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいくのでした。


「死からの始まり『レヴェナント:蘇えりし者』」



アカデミー受賞作品の公開直後とあって、映画館は満員でした。わたしは最前列で鑑賞したのですが、ずっとスクリーンを見上げっぱなしでした。そこで、次々にスクリーンに映し出される圧倒的な大自然の映像を神のように崇める姿勢で2時間37分を過ごしたのです。率直な感想は面白かったです。異様にセリフが少ない映画なのですが、ディカプリオの鬼気迫る演技に魅了されました。ある意味で、究極の「死が怖くなくなる映画」であると思いました。なぜなら、一度死んだはずの者が蘇える話だからです。数少ないセリフの中に「死など怖れない」というディカプリオのセリフが出てきますが、確かに死者にとって死は怖くないでしょうね。よく「死んだ気になって頑張る」などと言いますが、心の底から「自分は死者である」と思い込んでしまえば、死の恐怖など消えていくのです。
ある意味で、究極の「死が怖くなくなる映画」かもしれません。



次回の「一条真也のハートフル・ライフ」は、5月31日(火)にアップされる予定です。タイトルは「古代エジプト人の『死』の文化に学ぶ」です。ツタンカーメン関連の新発見で、古代エジプトが注目を集めています。古代エジプトといえば、ミイラ、ピラミッド、極彩色に彩られた壁画や巨大な石造りの神殿・・・・・・そこには、どこまでも「死」のイメージがついて回ります。古代エジプトは大いなる「死」の文化が栄えていました。万人に必ず訪れる「死」を古代エジプト人たちはどのように考え、どのように受け入れていたのでしょうか。同じ多神教の国である日本をはじめとする他の文化・文明との比較によって、著者は古代エジプトの死生観・来世観の独創性を浮かび上がらせています。次回は、いよいよ最終回です。どうぞ、お楽しみに!



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年5月16日 一条真也