歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るることを知る

一条真也です。
発行部数18万部の「リビング北九州」に連載している「一条真也の心に残る名言」が第25回目を迎えました。12回で1年分で1クールですが、大変好評につき3クール目に突入します。紙面刷新に従って、字数やレイアウトは変わります。今回の名言は、『論語』に登場する孔子の「歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るることを知る」です。


「リビング北九州」5月30日号



言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回は、儒教を開いた孔子の言葉です。わたしは、世界孔子協会より「孔子文化賞」を与えられましたが、人類史上で孔子を最も尊敬しており、その言行録である『論語』を心の支えとしています。



さて、わたしはホテルを経営しています。「松柏園ホテル」というのですが、これは祖父の栗田光十郎が『論語』にちなんで名づけました。
論語』の」〈子罕篇〉には、以下の言葉が登場します。
「歳寒くして、然(しか)る後に松柏の彫(しぼ)むに後(おく)るることを知る」
「冬になってはじめて松や柏が枯れないで残ることがわかるように、人の真価はピンチのときにこそ、はっきりと現れる」という意味です。その人の能力が表面的なものなのか、しっかり身についているものなのかは、緊急時にわかるものです。



ふだんから周囲の人たちに親切にしていたり、みんなから尊敬されているような人なら、本当に困ったとき、誰かが助けてくれます。でも、いつも自分のことばかり考えている人間は、絶体絶命のピンチのとき、誰も手を貸してくれません。人は自己中心的なことばかりしてはならないのです。これは、わが祖父の教えでもありました。




*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年5月30日 一条真也