長崎孔子廟

一条真也です。
サンレー本社の社員旅行で、「長崎孔子廟」を訪れました。「孔子廟」とは、儒教創始者である孔子を祀っている霊廟(霊を祀る建物)です。


長崎孔子廟」の前で

長崎孔子廟」の案内板



元来、孔子廟とは、孔子の遺品を納め祀ったのが始まりです。
ブログ「湯島聖堂」で紹介した施設をはじめ、日本にも各地に孔子廟があります。しかし、最も見応えのある孔子廟は「長崎孔子廟」とされます。
江戸時代以降、長崎は外国貿易の地と定められ、唐人屋敷がありました。


論語板」の前で

ずらりと並ぶ「72賢人石像」

72賢人石像の一部

72賢人石像の一部



明治26年(1893年)、清国政府と在日華人が協力して、中国の総本山並に伝統美あふれた「孔子廟」が作られました。
ここには『論語』の全文を刻印した石版が掲示されており、見るだけで圧倒されます。また、何よりも72賢人石像が壮観です。
孔子像や72賢人石像をはじめ、琉璃瓦・青白石製欄干・龍紋様の御道石などはすべて中国から取り寄せられたものです。


長崎孔子廟の「大成殿」

天下布礼」の幟を持って「大成殿」の前に立つ

大成殿の中には孔子像があります

大成殿の中で

大成殿の中にある位牌

大成殿の中にある銅鑼

「釋奠」の儀式を紹介

中国・本廟の孔子



寺院の本殿に当たる「大成殿」の中には孔子像をはじめ、聖人の位牌や、「禮鐘」を思わせる銅鑼、ブログ「足利学校」で紹介した「釋奠(せきてん)」という儀式が紹介されていました。
「釋奠」とは儒教の祖である孔子と、その弟子たちをまつる儀式です。「釋奠」という言葉には「供え物を置く」という意味があります。現在、足利学校をはじめ、東京の湯島聖堂、岡山の閑谷学校、佐賀の多久聖廟などで行われています。ここ長崎孔子廟では、9月の最終土曜日に行われるそうです。


また来たい場所です

長崎孔子廟」の庭にて


長崎孔子廟の「大成殿」裏には「中国歴代博物館」が併設されており、ここは中華人民共和国の土地だそうです。2階には「北京故宮博物院」が提供した宮廷文化財を、3階には「中国歴史博物館」提供の出土文化財を一堂に展覧しています。ここも、想像以上に立派な施設で、孔子の生まれ故郷である「曲阜」の説明をはじめ、孔子儒教の聖人たちにまつわるさまざまな資料が展示されていました。今回は、「天下布礼」の幟を持って参上することができ、思い出に残る訪問となりました。
長崎孔子廟を出る前に庭園も散策しました。また、改めて来たい場所です。


*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年9月12日 一条真也