春一番さんらしいお別れ

一条真也です。
昨日10日、春一番(本名・春花直樹)さんの葬儀が東京都内の斎場で営まれました。「燃える闘魂」ことアントニオ猪木のモノマネで知られる人気お笑いタレントでしたが、肝硬変を患い47歳で亡くなられたのです。


「日刊スポーツ」7月11日号



葬儀には、爆笑問題、布川敏和、松村邦洋エスパー伊東ダチョウ倶楽部肥後克広山田邦子といった芸能界の仲間など約50人が参列しました。参列者によると、遺体の首には、モノマネのときに愛用していた赤いタオルが巻かれ、体には茶色のガウンがかけられていたとか。故人はお酒が大好きでしたが、体調を崩してからは節酒していました。



葬儀では、妻の綾さんが遺体にバーボンウイスキーの「ワイルドターキー」をかけ、参列者たちも春一番さんに飲ませたといいます。
最後は綾さんが、春一番さんのネタをまねて「今日も負けてしまいましたが、気持ちよくやらせていただきます。ご唱和ください。1、2、3、ダー!」とかけ声を上げ、全員で拳を突き上げました。



まさに「闘魂葬」というべき送られ方ですが、猪木モノマネ仲間であるアントニオ小猪木(42)さんは「継承って言葉は違うかもしれませんが、猪木芸人の大先輩。僕も頑張っていきたい。偉大なる兄貴です。本当の燃える闘魂になったんじゃないかと思います」とコメントしています。故人をしのんだ。その小猪木さんが綾さんにあいさつにいくと、頬を叩かれて、猪木ばりに「闘魂注入」されたそうです。綾さんは芸人さんの妻の鑑ですね。



春一番さんが亡くなられたとき、本人が敬愛してやまなかったアントニオ猪木さんは、「送る言葉に相応しくないかもしれませんが、あえて『元気ですかー!!』を送ります。謹んでご冥福をお祈りいたします」と語っています。
わたしは、この素晴らしい追悼の言葉に感銘を受けました。
これは、不謹慎でもなんでもありません。「命には続きがある」ということを知っていればこその言葉です。わたしも、よく亡くなった親しい方に「お元気ですか?そちらの世界はいかがですか?」と心の中で語りかけています。



春一番さんは、本当に「春一番さんらしい」送られ方をされました。
あらゆる生命体は必ず死にます。もちろん人間も必ず死にます。親しい人や愛する人が亡くなることは、誰にとっても悲しいことです。しかし、死そのものは決して不幸なことではありません。残された者は、死を現実として受け止め、故人がこの世で生きた意味を知る必要があります。葬儀は故人の人となりを確認すると同時に、そのことに気がつく場です。


「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>

「あの人らしかったね」といわれる 自分なりのお別れ<お葬式>

「あの人らしかったね」といわれる自分なりのお別れ』(扶桑社)にも書きましたが、葬儀は旅立つ側から考えれば、「最高の自己実現」であり、「最大の自己表現」であると思います。見事な「あの人らしかったね」といわれるお別れをされた春一番さんのご冥福を心よりお祈りいたします。合掌。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年7月11日 一条真也