新しい『冠婚葬祭入門』を!

一条真也です。東京に来ています。
ブログ『日本人の心のかたち』には大きな反響がありました。
著者の玄侑宗久先生ご本人からも「私の本を読むよりわかりやすそうですので、公式サイトでも一条さんのブログ記事を紹介させていただきます。それにしても、『サンレー』が『産霊』とは、知りませんでした。驚きました」とのメールを頂戴しました。


互助会保証が入る森ビル40番

来月、ベトナム視察が行われます



5日は午後から神谷町にある互助会保証で「アジア冠婚葬祭業国際交流研究会」が開催されました。わたしは、この会の副座長を務めています。
今回は、ベトナムの冠婚葬祭についての詳しい報告を聴きました。
来月は、みんなでベトナムへ視察旅行に行きます。
研究会の終了後、わたしとともに副座長を務める小谷みどりさん(第一生命経済研究所主任研究員)から「一条さん専用の編集者の方がいると聞きましたよ。すごいですね!」と言われました。おそらく、「出版寅さん」こと内海準二さんのことでしょう。内海さんは最近、終活情報誌「ソナエ」の仕事を始められたようですが、小谷さんも同誌で連載ページをお持ちなのです。
じつは、この後、わたしは内海さんに会う予定でした。


京橋駅前はニューヨークみたいでした(撮影:内海準二)



わたしは地下鉄神谷町駅から日比谷線に乗り、銀座で乗り換えて、京橋まで行きました。京橋駅前には新しい施設がオープンしており、キラキラと白く輝いていました。とても綺麗で、まるで冬のニューヨークの夜みたいでしたね。ここで内海さんと合流、一緒に実業之日本社の本社に向かいました。
同社は創業120年を超える出版業界の老舗です。
わたしは、昨年11月に同社から『即効!ビジネス成功法則』および『即効!ビジネス心理法則』の2冊の監修書を同時に上梓し、「法則王」の称号をいただいております。(苦笑)


実業之日本社にて(撮影:内海準二)



じつは、同社から「冠婚葬祭」の入門書を出す企画が進行しています。ここ数年、複数の出版社からこの企画のオファーを受けていたのですが、縁あって伝統ある実業之日本社さんから刊行させていただくことになりそうです。同社は、かの澁沢栄一翁が創業に関わられているとのことで、誠に光栄なことです。近代日本の出版史を振り返ると、日本万国博覧会が開催された1970年に超ベストセラーが誕生しました。塩月弥栄子氏の『冠婚葬祭入門』(光文社)です。


じつに308万部を売上げ、シリーズ全体(全4冊)で700万部を超える大ミリオンセラーとなりました。同名でTVドラマ化、映画化もされています。
あの頃、日本の冠婚葬祭は大きな変化を迎えて、誰もが新しい冠婚葬祭のマナーブックを必要としていました。いま、また結婚式も葬儀も大きく変貌しつつあり、「無縁社会」などと呼ばれる社会風潮の中で、冠婚葬祭の意味と内容が変わってきています。今こそ、新しい『冠婚葬祭入門』が求められているのです。


日本橋の「たいめいけん」を訪れました

この魚貝フライを見よ!

名物のボルシチはなんと50円!



実業之日本社での打ち合わせが終わり、同社の編集長さんを交えて、わたしたちは日本橋の「たいめいけん」まで足を延ばして夕食をともにしました。
この日も購入したコンビニ・マンガ『思い出食堂』でおなじみの老舗洋食店です。このマンガを愛読しているわたしは、一度、「たいめいけん」に行ってみたかったのでした。内海さんに連れられて、この夜、ようやく願いが叶いました。いやあ、魚貝フライ盛り合わせやオムライスが絶品でしたね。また、名物となっている50円のボルシチも美味でした。大ジョッキに並々と注がれた黒ビールも美味しゅうございました。この「たいめいけん」でも、わたしたちは「冠婚葬祭のアップデート」について熱い議論を交わしました。


思い出食堂 A定食編 (ぐる漫)

思い出食堂 A定食編 (ぐる漫)

ところで、新しい『冠婚葬祭入門』が求められていることを痛感した出来事がありました。食事を終えて地下鉄京橋駅からわたしたちは銀座線に乗り込んだのですが、その車中でスマホのニュースサイトを眺めていた内海さんが「あっ!!」と大きな声を上げたのです。わたしが「どうしたんですか? 地下鉄の中ですよ」と小声で言うと、蒼白になった内海さんは「とうとう、冠婚葬祭殺人事件が起こってしまった・・・・・」と、うわごとのように喉から声を絞り出しました。


その事件は、4日午前8時40分頃、宮城県大崎市鳴子温泉で起きました。母親の葬儀の最中に兄(48)を弟(45)がナイフで刺したのです。
その理由というのが弟が普段着で通夜に出席したのを兄からとがめられ逆上したというのです。出棺の直前、棺おけに花を手向けていた兄に後ろから近づき、首の右後ろをナイフ(刃渡り約15センチ)で刺したそうです。そのとき、葬儀の場でコートを着ていた兄に、今度は弟が腹を立てたのです。
兄は重傷を負ったものの、現在のところ命に別条はないようです。ですので、正確には「殺人事件」ではありませんが、弟は「殺そうと思った」などと容疑を認めているそうです。



その話を聞いたわたしは大いに驚くとともに、まことに象徴的な事件であると思いました。母親の通夜に息子が普段着で出席したり、同じく母親の葬儀にコート姿で参列するほど、いま、冠婚葬祭が乱れているのです。というよりも、冠婚葬祭のしきたり・作法を知らない人々が多くなってきたのです。それは、おそらく「無縁社会」といった風潮とも無縁ではないはずです。
わたしは、「これは、現代の『冠婚葬祭入門』を早く作れという天からのメッセージかもしれない」と思いました。そして、「論語と算盤」を追求した倫理経営の神様・渋沢栄一ゆかりの実業之日本社から『冠婚葬祭入門』の最新版にして決定版を刊行することを決意しました。
そう、冠婚葬祭とは「人の道」そのものではないでしょうか?
わたしが“ど真剣”に作るアップデート版『冠婚葬祭入門』に御期待下さい!
 


*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2014年2月6日 一条真也