ハートフル・ソサエティのこころみ

一条真也です。
今朝の「朝日新聞」に「タウンペーパーQ」の10月号が入っていました。
わたしの新連載である「一条的こころみ」が同紙でスタートしています。



「タウンペーパーQ」10月号


「タウンペーパーQ」は、「キタQとその周辺に住む方の生活のQuality(質)とQuestion(はてな)に応える情報紙」です。
朝日新聞」の折込メディアで、朝日広告社が発行しています。同社は以前、「はつらつ新聞ひまわり」という朝日の折込メディアを発行していました。わたしは「人は老いるほど豊かになる」および「ハートフル・ライフ」というコラムを長期連載していました。久々に「朝日新聞」の読者の方々にメッセージをお届けすることになります。



記念すべき第1回目のテーマは、「ハートフル・ソサエティ」です。
連載タイトルは「一条的こころみ」ということで、わたしの語りを通して、いろいろと自由にこころみたいと思います。
このタイトルは編集部が考えてくれたのですが、「こころみ」は「試み」であり、「心見」「心実」「心味」という意味を含んでいるそうです。
わたしは日々、「心」について考えている人間ですので、望むところです!



心といえば、今わたしたちの社会は「心の社会」に向かっているのではないでしょうか。それは、あらゆる人々が幸福になろうとし、思いやり、感謝、感動、癒し、そして共感などが何よりも価値を持つ社会のことです。
人類はこれまで、農業化、工業化、情報化という三度の大きな社会変革を経験してきました。それらの変革はそれぞれ、農業革命、産業革命、情報革命と呼ばれます。第三の情報革命とは、情報処理と情報通信の分野での科学技術の飛躍が引き金となったもので、変革のスピードはインターネットの登場によってさらに加速する一方です。



わたしたちの直接の祖先をクロマニョン人など後期石器時代に狩猟中心の生活をしていた人類とすれば、狩猟採集社会は数万年という単位で農業社会に移行したことになります。そして、農業社会は数千年という単位で工業社会に転換し、さらに工業社会は数百年という単位で20世紀の中頃に情報社会へ転進しました。それぞれの社会革命ごとに持続する期間が一桁ずつ短縮しているわけで、すでに数十年を経過した情報社会が第4の社会革命を迎えようとしていると考えることは、きわめて自然だと言えるでしょう。わたしは、その第4の社会とは人間の「心」が最大の価値を持つ「心の社会」であると考えています。



わたしは、「心の社会」を「ハートフル・ソサエティ」と呼んでいます。
人間尊重の精神としての「礼」を基本に、人生を肯定し、「おめでとう」と「ありがとう」の声が活発に行き交う社会といったイメージです。
いじめ、暴力、虐待、うつ、自殺、孤独死、路上死・・・わたしたちの社会は、さまざまな深刻な問題を抱えています。なんとか、これらの問題を乗り越えるヒントを見つけたいと思っています。ささやかなコラムですが、すべての人が幸せに暮らせる「ハートフル・ソサエティ」への道案内が少しでもできれば嬉しいです。


ハートフル・ソサエティ

ハートフル・ソサエティ

*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2013年9月30日 一条真也