『無縁社会を乗り越えて』

一条真也です。
わたしは、これまで多くのブックレットを刊行してきましたが、一条真也ではなく、本名の佐久間庸和として出しています。いつの間にか44冊になっていました。それらの一覧は現在、一条真也オフィシャル・サイト「ハートフルムーン」の中にある「佐久間庸和著書」で見ることができます。整理の意味をかねて、これまでのブックレットを振り返っていきたいと思います。 

無縁社会を乗り越えて』(2012年1月刊行)

 

今回は、『無縁社会を乗り越えて』をご紹介します。
2012年1月に刊行したブックレットです。NPO法人・北九州ホームレス支援機構(当時)の奥田知志理事長との共著で、「『縁』と『絆』が、これからの日本を変える」というサブタイトルがついています。

 

このブックレットの目次構成は以下の通りです。
●ハウスレスとホームレス両面からのサポートが大切
●血縁と地縁を再生し心ゆたかな「隣人の時代」へ
●支え合いの風土がある北九州市を高齢者の先進都市に
●支援された人が支援する側へ自己有用感の確立が課題
●助けて、助けられて・・・・・・、
 助け合う「互助社会」を創造


朝日新聞」の見開き紙面を再編集しました

 

ブックレットの内容は、ブログ「隣人の時代へ」で紹介した「朝日新聞」の紙面と基本的に同じです。「サンレー 創立45周年記念対談」として平成23年11月5日の同紙に掲載された全面広告を再編集したのです。全面広告のタイトルは、「無縁社会を乗り越えて、隣人の時代へ」。そして、サブタイトルが「北九州で育まれた『縁』と『絆』が、これからの日本を変える」というものでした。わたしが「縁」、奥田理事長が「絆」をキーワードとして、話は進められていきました。対談の内容は非常にスリリングなものとなりました。


朝日新聞」2011年11月5日朝刊

 

株式会社サンレーは、1966年に北九州市で誕生しました。北九州市は、いわゆる製造業の街として広く知られていますが、東日本大震災の被災者に対する積極的な取り組みでも全国的に注目されました。
その北九州市では、「絆プロジェクト北九州」という試みが行われました。奥田理事長の呼びかけに北橋健治市長が応え、住まいの提供から生活相談、就業支援まで官民協働のネットワークで被災者を支えることを目指したのです。詳しくは、ブログ「北九州へ!」を参考にされて下さい。

 

当時も現在も、北九州市は「ハートフル北九州」を謳っています。その名に恥じない、思いやりにあふれた都市づくりを目指しています。このような被災者の受け入れ支援などは北九州市の得意技ではないでしょうか。全国の政令指定都市で最も高齢化の進む北九州市には、「助け合い」や「支え合い」の文化があるように思います。奥田理事長らが長年取り組んでこられた「ホームレス支援」活動は日本一の実績を残しておられます。また、わが社がサポートさせていただいている「隣人祭り」の開催回数も日本で最も多いのではないでしょうか。


朝日新聞」2011年11月5日朝刊

 

朝日新聞」の全面広告は、各方面から大きな反響がありました。多くの方々からお褒めの言葉を頂戴しましたが、奥田さんが牧師を務めておられる教会の信者さんたちから連絡があり、「素晴らしい内容だが、字が小さくて高齢者には読みにくいので、ぜひ拡大版を印刷していただきたい」とのお願いがありました。そこで、このブックレットを製作した次第です。活字も大きくなって、読みやすくなりました。


活字も大きくなって、読みやすいです

 

その後、NPO法人・北九州ホームレス支援機構は認定NPO法人抱樸に名称変更しました。理事長を務める奥田さんをはじめとする抱樸のみなさんは、北九州市を拠点にホームレスなどの生活困窮者の支援を続けてこられましたが、その活動が新たな段階に入りました。ブログ「奥田知志さんの来社」で紹介したように、抱樸として、日本全国に名が知られている特定危険指定暴力団の本部事務所跡地(北九州市小倉北区)を購入し、ここに誰もが利用できる全世代型の福祉拠点を作る計画を進めているのです。

f:id:shins2m:20220228125046j:plain
奥田知志さんと(2022年2月28日)

 

奥田さんとわたしは同年齢ですが、これまでにブログ「隣人対談」ブログ「無縁社会シンポジウム」ブログ「茂木健一郎&奥田知志講演会」ブログ「包摂社会シンポジウム」ブログ「最期の絆シンポジウム」ブログ「支え合いの街づくり」ブログ「荒生田塾講演」などで紹介したとおり、数多くの対談やシンポジウムでご一緒させていただきました。そのたびに、奥田さんに対する尊敬の念が強くなりました。

f:id:shins2m:20220305093655j:plain奥田知志ツイッターより

 

活動の場は違っても、ともに有縁社会あるいはハートフル・ソサエティの創造を目指している点では同じであり、同志であると思っています。今後も、社会を良くするプロジェクト実現のために可能な限り協力させていただきたいです。できれば、「希望のまちプロジェクト」に参加して、日本一の「子ども食堂」をオープンしたい!

 

2022年5月24日 一条真也