友人がいなければ、
誰も生きることを選ばないだろう。
たとえ、他のあらゆるものが
手に入っても。(アリストテレス)
一条真也です。
言葉は、人生をも変えうる力を持っています。
今回の名言は、アリストテレス(紀元前384年~前322年)の言葉です。古代ギリシアの哲学者で、自然研究の業績から「万学の祖」とも呼ばれます。マケドニア王国のスタゲイラ生まれ。マケドニア王、アレクサンドロス3世(アレクサンドロス大王)の家庭教師であったことでも知られます。
かつて、ギリシアは世界の知をリードしてきました。とくに哲学者のアリストテレスは「万学の祖」と呼ばれるように、多岐にわたる自然研究の業績を残しました。哲学という言葉はギリシア語の「フィロソフィア」を訳したものです。アリストテレスは、人間の本性が「知を愛する」ことにあると考えました。フィロは「愛する」、ソフィアは「知」を意味しています。この言葉は、人を愛することを人間の本質においた彼らしい言葉です。
現代社会は「無縁社会」などという言葉で表現することがあります。一方、わたしは微力ながら、無縁社会を乗り越え、有縁社会を再生する活動を行なってきました。もともと「無縁社会」という日本語はおかしいのです。なぜなら、「社会」とは「関係性のある人々のネットワーク」という意味だからです。ひいては、「縁ある衆生の集まり」という意味なのです。
「社会」とは最初から「有縁」です。「無縁社会」というのは表現矛盾といえます。アリストテレスの言葉から、友のいない人生ほど、さみしいものはない、生きている意味がないという真理に気づきます。そう、アリストテレスの有名な言葉のように、人間とは「社会的動物」なのです。なお、この言葉は『死を乗り越える名言ガイド』(現代書林)に掲載されています。
2020年12月23日 一条真也拝