ガンジス川

一条真也です。
インドに来ています。
15日の早朝、「ベナレス」とも呼ばれるバラナシを視察しました。
i言うまでもなく、バラナシはヒンドゥー教、仏教の一大聖地です。


早朝のガンジス川へ向かう人々

ガンジス川岸辺のようす



この地を訪れるのがわたしの長年の悲願でした。
なぜなら、三島由紀夫の「豊饒の海」の『暁の寺』、遠藤周作の『深い河』の舞台として登場する場所だからです。『暁の寺』の取材のため、三島はインドとバンコクに行きますが、ベナレスを見て、「インドでは宗教が生きています。あれだけ宗教がナマナマしく生きてゐる国は見たことがありませんね」と語っています。沢木耕太郎長渕剛などの著名人もこの地を訪れました。自分もやっと来ることができました。感無量であります。


暁の寺―豊饒の海・第三巻 (新潮文庫)

暁の寺―豊饒の海・第三巻 (新潮文庫)

深い河 (講談社文庫)

深い河 (講談社文庫)

「西遊旅行」という旅行サイトの「インドみどころマップ バラナシ(ベナレス)」には以下のように書かれています。
「首都デリーから南東に約820km、カルカッタから北西に約700kmの場所に位置し、両巨大都市を結ぶ幹線鉄道と国道2号線のほぼ中間地点に位置します。聖なるガンガーを中心に広がるバラナシの市内には、大小1500近いヒンドゥー教寺院と270以上のモスクがあると言われています。 年間100万人を超える参拝客が訪れ、ガンジス川の西岸約500kmに渡って伸びる階段状のガートで身を清め、市内の寺院に参拝します。ガート沿いには寺院や参拝客用のホテル、民家が様々な形で立ち並び、ガンジス川の川面と美しい調和をみせています」


夜明け前のガンジス川を背に

船に乗り込みました

少女から花を受け取る

この花をガンジス川に流しました

船上にて・・・・・・

船を1人で漕ぐ人



わたしたちは、まず、ガンジス川で小舟に乗りました。日の出前は暗かったですが、次第に薄暗かった空が赤く染まっていく美しい光景が見られました。早朝からヒンドゥー教徒が沐浴をしている光景も見られました。ガンジス川で沐浴すると全ての罪が洗い流されるといわれています。


夜明け前のガンジス川

幻想的な光景でした

夜明けの建物群

川で洗濯をする人々

洗濯されたシーツが干されていました



「西遊旅行」の同記事には、以下のように書かれています。
「バラナシ最大の見所と言えばなんといってもガンジス川。旅行者に限らず、ヒンドゥー教徒にとってガンジス川で沐浴をすることは最大の夢なのです。夜も明けきらぬ内から、どこからともなく人々が集まり、日の出と共に沐浴をします。中には、祈りを口にしながら水を浴びる人やシャンプーや石鹸を使いごしごしと体を擦りながら沐浴する人、浮き輪で水遊びに夢中の子供たちもいたりします。ガンジス川の水は腐ることがないと言われており、遠くから来た巡礼者がポリタンクに水を汲んで、持ち帰る風景がよく見られます。また、ボートに乗り、ガンジス川の上からガートや沐浴風景を眺めることが出来ますが、火葬場の写真撮影は厳禁ですのでご注意下さい」


船の上で合掌・・・・・・

ガンジス川を泳ぐ老人



わたしは、火葬場の火が見えたとき、合掌しました。
火葬場について、同記事には以下のように書かれています。
「バラナシは『大いなる火葬場』という別名でも知られており、ガンジスの岸辺の2ヶ所に火葬場があります。有名な火葬場があるのは、街の中心に近いマニカルニカ・ガート。ここでは24時間火葬の煙が途絶えることがありません。 ここに運ばれてきた死者は、まずシヴァ神を祀るターラケーシュワル寺院のリンガのそばに安置されます。死者の耳にシヴァ神のターラカ・マントラ(救済の真言)を囁くことで、生前いかなる罪を犯した者でも解脱出来ると言われています。 死者がガンジス川の水に浸され、火葬の薪の上に乗せられると、喪主が火を付けます。荼毘に付された後の遺骨は火葬場の仕事をするカーストの人たちによってガンジス川に流されます。子供と出家遊行者は荼毘に付されず、石の重しをつけて川の深みに沈められます。子供はまだ十分に人生を経験していないから、出家遊行者はすでに人生を超越しているからだという理由からです」
わたしたちは船上から火葬場のハリスチャンドラ・ガートを視察し、『深い河』にも登場するマニカルニカ―・ガートを訪れました。


ドローンの準備

聖なるガンジスをドローンが飛ぶ!

ドローンを呆然と見つめる人々

泳いでいた老人も空を見上げる



なお、セレモニーの志賀社長がガンジス川上空にドローンを飛ばして、多くのインド人や外国人旅行者を驚かせていました。川を泳いでいた老人も呆然としてドローンを見上げていました。いやあ、志賀社長は相変わらずやってくれます!


餌に群がるカモメ

沐浴する人々

ガンジス川に朝日が昇りました

太陽はすべての人間を等しく照らしてくれます

思わず朝日に向かって合掌しました

思い出に残る体験でした



そのうちに朝日が昇って、周囲を明るくしました。
船上から朝日を拝んでいる人々がいました。
ガンジス川ヒンドゥー教徒にとっての「聖なる河」ですが、太陽は宗教を超えてすべての人間を等しく照らしてくれます。わたしは朝日を眺めながら、「ああ、ガンジス川のSUNRAYだ!」と感動し、思わず太陽に向かって手を合わせていました。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2016年2月16日 一条真也