「永遠の知的生活」講演

一条真也です。
7日の14時から、ブログ「『永遠の知的生活』講演のお知らせで紹介した講演会が行われました。「永遠の知的生活〜人は老いるほど豊かになる」と題した講演で、会場は黒崎のコムシティ7階にある「北九州市立 子どもの館」内のホールでした。初めて訪れましたが、とても立派なホールでした。


コムシティ内の「北九州市立 子どもの館」にて

ホールの控室にて

書籍販売コーナー

冒頭の主催者挨拶のようす



講演ポスターには、その趣旨が以下のように書かれています。
「一人の人間、それも人生経験豊かな高齢者とは一個の図書館に等しいという考え方があります。それだけの情報や知識が込められているわけです。『老い』は衰退ではなく、逆に人間的完成としてとらえられます。
老いるほど豊かになるためには?
人生の勝利者である「老い」についてお話しします」


登壇しました

200名もの人で超満員に!

講演がスタートしました

まずは自己紹介を・・・・・・



丁重な講師紹介の後で、わたしは登壇しました。原則100名収容のホールに200名もの人が入って超満員となりました。その熱気のせいか、最初はしばらく暑かったです。講演の冒頭に、「わたしをご存知ですか?」と問いかけ、まずは簡単な自己紹介をしました。それから、「ハートフル」をはじめとしたキーワードについて説明しました。


ハートフルとは?

日本人の心を求めて


それから、「ハートフル」や「日本人の心」についての考えを述べた後、、『礼を求めて』『慈を求めて』『和を求めて』の三部作を紹介して、神道・仏教・儒教が調和した「日本人の心」について説明しました。


超高齢社会をどうとらえるか

好老社会としての江戸時代について



それから、講演のサブタイトルにもなっている「人は老いるほど豊かになる」について語りました。わたしは、古代エジプト古代ローマ、古代中国、そして日本の江戸時代の話をしながら、これまでの人類史上には「人は老いるほど豊かになる」と考える好老社会が何度も生まれたことを説明しました。世界に先駆けて超高齢社会に突入した現代の日本こそ、世界のどこよりも「好老社会」でなければなりません。日本が「嫌老社会」で老人を嫌っていたら、何千万人もいる高齢者がそのまま不幸な人々になってしまい、日本はそのまま世界一不幸な国になります。逆に「好老社会」になれば、世界一幸福な国になれるのです。


「長寿祝い」について

自分の葬儀を想像する



北九州市の最大の特徴とは何か。それは、高齢者が多いことです。100万人弱の人口に対して、65歳以上の高齢者の比率は平成25年3月末が26.2%、平成27年3月末はさらに上がって28.2%となっています(数字はいずれも住民基本台帳人口要覧による)。
この高齢者比率は、全国に20ある政令指定都市の中で最も高い数字です。北九州市はいわば「日本一の高齢化都市」であると言ってよいでしょう。そこで、わたしは日本中の高齢者の方々にも北九州市に来ていただきたいと考えています。現在、全国には600万8000人(平成27年、内閣府の推定)もの独居老人が分散して暮らしています。そういった方々に北九州に参集していただき、余生を過ごしていただきたいのです。わたしは、幸せな老後を実現する具体的な手法として、「長寿祝い」や「自分の葬儀を想像する」ことを紹介しました。そこで5分間の休憩に入りました。


永遠の知的生活』について

講演に聴き入る人々



休憩時間が終了して講演を再開、わたしは「永遠の知的生活」について話しました。まず、「10月27日から11月9日までは『読書週間』ですが、みなさんは本を読まれていますか?」と問いかけました。読書は「知的生活」の基本です。この日の講演のタイトルは上智大学名誉教授である渡部昇一先生とわたしの対談本である『永遠の知的生活』(実業之日本社)に由来します。渡部先生は「稀代の碩学」であり「知の巨人」、そして「現代の賢者」として知られます。 わたしは、渡部先生の偉大さについて大いに語りました。


自分の書斎も公開しました



わたしは「結局、人間は何のために、読書をしたり、知的生活を送ろうとするのだろうか?」と考えることがあります。その問いに対する答えはこうです。わたしは、教養こそは、あの世にも持っていける真の富だと確信しています。 あの丹波哲郎さんは80歳を過ぎてからパソコンを学びはじめました。霊界の事情に精通していた丹波さんは、新しい知識は霊界でも使えると知っていたのです。ドラッカーは96歳を目前にしてこの世を去るまで、『シェークスピア全集』と『ギリシャ悲劇全集』を何度も読み返したそうです。


渡部昇一流「不安から脱出するには」

渡部昇一流「日々のトレーニング」

一条真也流「日々心がけたいこと」

一条真也流「作家として心がけたいこと」



死が近くても、教養を身につけるための勉強が必要なのではないでしょうか。モノをじっくり考えるためには、知識とボキャブラーが求められます。知識や言葉がないと考えは組み立てられません。死んだら、人は精神だけの存在になります。そのとき、生前に学んだ知識が生きてくるのです。そのためにも、人は死ぬまで学び続けなければなりません。
わたしがそのような考えを渡部先生に述べたところ、先生は「それは、キリスト教の考え方にも通じます」と言って下さいました。


読書によって得たものは永遠です!



渡部先生は現在85歳ですが、95歳まで読書を続け、学び続けると宣言されていました。渡部先生ほどの現代日本最高の賢者でも学ぶことをやめない。そのことに、わたしは猛烈に感動しました。人は死ぬまで学び続けなければならないのです。最後に「読書によって得たものは永遠です!」と言って話を終えると、盛大な拍手が起こって感激しました。


講演後に質問を受けました

質問には真摯にお答えしました



講演後は、質疑応答コーナーです。いくつかの質問を受けました。
最初に手をあげた女性の方は「映画がお好きだそうですが、なにかおススメの映画はありますか?」と言われたので、ブログ「おみおくりの作法」で紹介した映画の名を挙げ、その内容や見所についてお話しました。
それから、年配の男性の方で「永遠の知的生活は、『般若心経』でいう『空』とはどのような関係にありますか?」という凄い質問をされた方がいました。わたしはまず、「『空とは何か』という問題自体が非常に難しいのですが、いわゆる『無』とは違います。『無』とはゼロですが、『空』は永遠を意味するのではないかと思います」と述べました。それから、「空海は『虚空蔵』ということを唱えました。これは、ドイツの神秘哲学者シュタイナーが『アーカシック・レコード』と呼んだもので、宇宙のすべての叡智、人類史のすべての情報が蓄えられているスーパー・データベースです。いわば、宇宙の超図書館です。永遠の知的生活をめざして、死ぬまで学び続けた者はこの『虚空蔵』にアクセスできるのではないかと思います」とお答えしました。


ファンの方からの熱いメッセージに感動!

最後に盛大な拍手を受けました



最後に手を挙げられた御婦人は「一条先生の大ファンです。今日は先生と同じ空間に居合わせ、同じ時間を過ごさせていただいたことに感動し、心より感謝申し上げます」と述べられたので、たいそう恐縮しました。でも、その方の熱いメッセージを聴きながら、「ああ、わたしにもこんな熱心な愛読者の方がいてくださるのだ。なんと、ありがたいことだろう」としみじみと思いました。わたしが御礼を申し上げたいくらいでした。
すべての質疑応答を終え、わたしがステージ中央まで出て一礼すると、講演終了時にも増して盛大な拍手を頂戴し、大変感激しました。


書籍販売&サイン会のようす

カメラに向かってハイ、チーズ!



その後は、著書の販売、サイン会、握手会が開かれました。
本は飛ぶように売れ、用意していた書籍がまたたく間になくなりました。
特に、『永遠の知的生活』、『決定版 終活入門』、『和を求めて』の3冊の人気が高かったです。わたしは本を購入して下さった方々の1人1人のお名前を伺って、署名させていただきました。サインをしているとき、「先生、寝ていますか?」とか「お身体は大事にして下さいよ」とか言われるので、ギョッとしました(苦笑)。また、握手や写真撮影もたくさん求められました。
本当に、今日は素晴らしい1日でした。講演会にお越し下さったみなさま、および関係者のみなさまに心より御礼を申し上げます。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年11月7日 一条真也