火星の水

一条真也です。
東京に来ています。昨夜は福山雅治の結婚祝いに、赤坂見附のカラオケ店で「家族になろうよ」を熱唱しました♪ 本当に、おめでとうございます!
今日は定宿で打ち合わせラッシュです。
昨夜は「スーパームーン」に多くの人々が酔いました。
今日は、月ではなく、火星に関心が集まっています。というのも、火星に水が存在することの新証拠をNASAが発表したからです。


ヤフーニュースの「火星表面に液体の水、NASAが裏付け 生命存在の可能性高まる」という記事には以下のように書かれています。
「米航空宇宙局は9月29日(日本時間)、火星に今も液体の水が存在していることを裏付ける観測結果を発表しました。もしも本当に液体の水が火星に存在するとすれば、火星に生命が存在する可能性は著しく高まることになります。これまでの観測から、山肌などの斜面に、川のような模様があることはすでに発見されていました。この模様は季節によって消えたり現れたりを繰り返しており、水が流れた跡ではないかという仮説はあったものの、それを裏付ける証拠はありませんでした。しかし今回、火星軌道上から分光計を使ってこれを観測したところ、模様の部分から塩の結晶とみられる鉱物を計測。NASAはこの結果から、この模様が『塩水が流れていた跡』である可能性が高いと分析しています。
液体の水は生命存在に不可欠な要素の一つであり、今回の発見は、生命発見への第一歩とも言えます。また、将来人間が火星を探査するうえでも水があることによる恩恵は大きく、今回の発見で火星探査がまた一歩近づいたと言えそうです。今回の発見について、NASAは会見後、ハッシュタグ『#AskNASA』で質問を受け付けるとしています」


「火星の水」について報道する新聞各紙



とてもロマンがある話ですね。わたしは「火星の水」から有名な「火星の運河」を連想しました。「火星の運河」とは何か。『ブリタニカ国際大百科事典』小項目事典には以下のように書かれています。
「1877年G・スキアパレリが火星表面の細い線条模様を観測し,これをカナリ (運河)と名づけた。それを実際に運河ではないかと考えた P・ローエルが詳細な研究を行い,全世界の耳目を集めた。運河派のおもな論旨は,極冠の氷が解けた水を赤道地方に運ぶ,なんらかの施設だというところにあり,これから火星文明への想像が生れて,人々の想像力をかきたてた」


火星の運河 (角川ホラー文庫)

火星の運河 (角川ホラー文庫)

この「火星の運河」からインスピレーションを得た江戸川乱歩は、その名も『火星の運河』という妖美な幻想小説を書きました。わたしの愛読書です。
今回の「火星の水」新証拠から「火星の生命」発見への期待が高まります。
唯葬論』(三五館)の第一章である「宇宙論」で、わたしは宇宙の生命が地球に飛来したことを書きました。わたしは、葬儀の本質とは「宇宙の子」である人間が本来の故郷である宇宙に還ってゆくセレモニーにほかならないと考えているのです。


唯葬論

唯葬論

人類の生命が宇宙から来たという仮説は、今や多くの科学者が支持しています。DNAの二重螺旋構造を提唱してノーベル賞受賞者となった分子生物学者のフランシス・クリックが「生命の起源と自然」を発表し、生命が宇宙からやってきた可能性を認めました。その後、イギリスの天文学者フレッド・ホイルと、星間物質を専門とするスリランカ出身の天文学者チャンドラ・ウィックラマシンジは「パンスペルミア説」を提唱しました。生命は宇宙に広く多く存在しており、地球の生命の起源は地球ではなく、他の天体で発生した微生物の芽胞が地球に到達したものであるという説です。ホイルとウィックラマシンジは、生命の種子が彗星によってもたらされたと主張したのです。



その後、クリックはさらに、高度に進化した宇宙生物が生命の種子を地球に送り込んだとする「意図的パンスペルミア説」を提唱しました。 地球が誕生する以前の知的生命体が、意図的に“種まき”をしたというSFそのもののような仮説です。「パンスペルミア説」が正しいにせよ、SFのような「意図的パンスペルミア説」が正しいにせよ、わたしたち人間の肉体をつくっている物質の材料は、すべて星のかけらからできています。これは、もう間違いない事実でしょう。その材料の供給源は地球だけではありません。はるかかなた昔のビッグバンからはじまるこの宇宙で、数え切れないほどの星々が誕生と死を繰り返してきました。



その星々の小さな破片が地球に到達し、空気や水や食べ物を通じてわたしたちの肉体に入り込み、わたしたちは「いのち」を営んでいるのです。わたしたちの肉体とは星々のかけらの仮の宿であり、入ってきた物質は役目を終えていずれ外に出てゆく、いや、宇宙に還っていくのです。宇宙から来て宇宙に還るわたしたちは、「宇宙の子」であると言えます。人間も動植物も、すべて星のかけらからできているのです。「火星の水」の新証拠発見のニュースを見ながら、わたしはそんなことを考えました。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2015年9月29日 一条真也