MS責任者会議

一条真也です。
15日の16時から、 松柏園ホテルの「ジュエル・ボックス」でサンレーグループMS責任者会議が開催されました。

父の遺影に報告しました

 

MSとは「MEMBERS SERVICE(メンバーズ・サービス)」であり、「MORAL SUPPORT(モラル・サポート)」のことです。日々、「人の道」としての冠婚葬祭の意義と必要性をお客様に説明している人たちです。ブルシット・ジョブの対極に位置する最重要の仕事です。生前の父はSM担当の方々に特に目をかけていました。わたしが開始前に父の遺影に「これからMS責任者会議で講話をしますよ」と報告すると、父が「一番大切な仕事が報われるようにしておくれよ」との声が聴こえた気がしました。

最初は、もちろん一同礼!


表彰式を行いました

表彰状を授与しました


不動のエース・三浦さんと記念撮影

「八人の侍」を讃える


「八人の侍」ポスター

 

会議の冒頭、優績部署の表彰を行いました。わが社のMSの不動のエースである三浦英子さんを表彰させていただきました。社長講話の冒頭で、わたしは「八人の侍」としてMSのスターたちを称えたポスターを持ち、「みなさんは、サンレーという会社よりも『人の道』という大切なものを守っているサムライです!」と述べました。

サンレーグループ全国MS責任者会議のようす

こども冠婚葬祭』の受賞を報告

そして、わたしが登壇して社長訓話を行いました。まず、わたしは「毎日、お勤めご苦労様です」と言ってから、以下のような話をしました。1月に刊行したこども冠婚葬祭(昭文社)が「ルビフル大賞2026」を受賞しました。大賞の選出理由については、公式HPに「この数十年に及ぶデジタル化の流れの中で、効率化・生産性が過度に重視され、日本古来の伝統や儀式などが効率の悪いものだと感じる人が増えてしまったかもしれません。そんな中、儀礼の代表的なものとして冠婚葬祭の基本知識を子どもでもわかるようにまとめた本書の価値は高いと思います。一見、子ども向けに良いかも、と手に取った大人が、つい『あ、自分も知らないかも』の連続。親子で学びたいテーマだからこそ総ルビがふさわしい」と書かれています。

山下常務のメッセージを紹介

 

それを知った山下常務から、「ルビフル大賞2026受賞、誠におめでとうございます。まさに快挙です! 日本人の心にとって大切な冠婚葬祭文化を次世代へ伝える本書が高く評価されたことを、心よりお祝い申し上げます。社員の一人として大変誇らしく思います。社長が掲げる『天下布礼』の精神が結実した受賞であり、多くの方々にその志が届いた証でもあると感じております。今後さらに多くの親子に読み継がれ、日本の美しい文化と礼の心が広がっていくことを願っております。改めまして、このたびのご受賞、誠におめでとうございました!!」とのLINEメッセージが届きました。

飛鷹取締役のメッセージを紹介

 

また、飛鷹取締役からも「このたびのルビフル大賞2026受賞、心よりお祝い申し上げます。『こども冠婚葬祭』は、親子で日本の伝統行事や礼儀作法を学べる素晴らしい書籍であり、子どもでも読みやすく、私達にとって大切な儀式が多くの次世代の子供達に受け継がれて行くのではと思います。佐久間社長の「天下布礼」のお気持が高く評価されたのだと思います。今後も、さらに多くの子どもたちに学びの楽しさを届け続けてください。改めまして、受賞おめでとうございます」とのLINEメッセージが届きました。

中山総支配人のメッセージを紹介

 

中山総支配人からも「この度の、ルビフル大賞2026の受賞誠におめでとうございます! 審査員のある方は、ルビを『あなたにもこの本を読んでほしいという思いやりの印』と表現しているそうでが、おもいやりを販売している我々にとって、とても誇らしい受賞です。本書には、『最近は』や『海外では』とトレンドも盛り込まれており、まさにおもいやりや優しさが溢れている教本だと思います。これを機に、年齢を問わず、日本人や日本文化を愛する方々に一読いただきたいです。また、MS業務においても相手の理解力に応じてルビを振るかのように、寄り添う対応を心掛けていきたいとおもいます」とのLINEメッセージが届きました。

こども冠婚葬祭』の「はじめに」を朗読

 

こども冠婚葬祭』の「はじめに」で、わたしは次のように書きました。
いまの時代、人と人とのつながりがうすれつつあると感じることがあります。けれども、わたしたちは本来、たがいに助けあい、支えあいながら生きてきました。「冠婚葬祭」とは、人の一生における大切な節目を祝い、見送り、感謝する日本の文化です。「冠」は成長、「婚」は幸せな出会い、「葬」は別れ、「祭」はご先祖さまへの感謝を表します。これらの行事を通して、人は“いのちのつながり”を学び、思いやりの心を育ててきました。わたしは冠婚葬祭の会社の社長として、この文化を未来へ伝えることを使命だと感じています。行事のかたちが変わっても、人の心のあたたかさは変わりません。むしろいまだからこそ、礼を尽くし、感謝を伝える時間が大切なのです。冠婚葬祭はみなさんの心をゆたかにし、人生を輝かせてくれます。この本を通して、みなさんが日本の美しい心といのちを敬う気持ちを感じてくれたらうれしく思います。次の時代を生きるみなさんが、その心を受けついでいってくれることを願っています。

天下布礼」とは何か?

熱心に聴く人びと

 

こども冠婚葬祭』は、わたしが一番書きたかった本です。この国の「未来」のために書きました。そして、「天下布礼」のために書きました。「天下布礼」とは、「創業守礼」とともに、サンレー創業時に父・佐久間進が掲げていたスローガンです。2008年、わたしが上海において再び社員の前で打ち出しました。上海は中国最大の都市ですが、言うまでもなく中国は孔子が生まれた国です。2500年前に孔子が説いた「礼」の精神こそ、「人間尊重」そのものだと思います。上海での創立記念式典で、わたしは社員の前で「天下布礼」の旗を掲げました。かつて戦国武将の織田信長は「天下布武」の旗を掲げました。わたしたちは「天下布礼」です。「天下布武」はけっして武力で天下を制圧するという単純な意味ではありませんが、それを踏まえた上で、わたしたちは「人間尊重」の思想で世の中を良くしたいのです。

すべては「天下布礼」の一環である!



わが社の小ミッションは「冠婚葬祭を通じて良い人間関係づくりのお手伝いをする」。冠婚葬祭ほど、人間関係を良くするものはありません。そして、わたしたちの理想はさらに大ミッションである「人間尊重」へと向かいます。太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神です。だから、わたしは「礼」の精神が誕生した中国の地で「天下布礼」という言葉を持ち出したのです。天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることが、わたしたちサンレーの使命です。わたしたちは、礼業という、この世で最も大切な仕事をさせていただいていると思っています。これからも冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをさせていただきたいです。また、わたしが大学で教壇に立つのも、講演活動を行うのも、本を書くのも、さらには庸軒として道歌を詠むのも、すべては「天下布礼」の一環であると考えています。

紫雲閣とは礼器である!

 

何よりも「天下布礼」の中心にあるのは冠婚葬祭業です。現状、わが社には97のセレモニーホール=コミュニティホールがありますが、現在、3つの会館を同時並行で建設しています。10月末に福岡の東郷紫雲閣が完成すると、ちょうど100店目となります。先日、人間国宝である陶芸家の十四代 今泉今右衛門先生と対談させていただきました。工芸文化と儀礼文化をめぐって「日本文化」の本質を浮かび上がらせる内容でした。茶の湯には茶器、生け花には花器、いずれも陶器を「うつわ」として使います。儀礼文化は「うつわ」によって完成すると言えるかもしれません。すると、葬儀という儀礼文化が行われるセレモニーホールとは「うつわ」だと思います。わが社は、「はこ」ではなく礼を完成させる「うつわ」としての紫雲閣を作り続けてきたように思います。それは、まさに「礼器」と呼べるものです!

礼器で働く人々は礼人である!

熱心に聴く人びと

 

そして「礼器」で働く人々を「礼人」と呼びます。「礼人」は、茶道における「茶人」と同じ意味合いです。宗教哲学者の柳宗悦は、民衆的工芸としての「民藝」に従事する無名の職人を「工人」と呼びました。優れた工人は自然体であり、個人の表現を超えた「自然の力」によって作られた品に、美が宿るといいます。柳は、職人の技巧や個性(自力)ではなく、積み重ねられた習慣や伝統から生まれる「無心」の境地こそが、民藝の美を支えると主張しました。また、工人が作る作品が「健全(頑丈で機能的、かつ美しい)」であることを重視しました。工人も礼人も、ある意味では日本文化を守り続ける「文化の防人」という点で同じですね。

民禮が日本文化を守る!



わたしは、柳宗悦が提唱した「民藝」という言葉に着想を得て、「民禮」という言葉を発案しました。「民藝」は民衆的工芸という意味ですが、「民禮」は民衆的儀礼という意味です。宮中儀礼などの「有職故実」とは一線を画す、一般庶民の生活に根ざした儀礼を指します 。具体的には、冠婚葬祭や年中行事など、日々の暮らしの中で受け継がれてきた「礼」の実践が含まれます 。これらの日常の「礼」を支える人々が「礼人」です。具体的には、冠婚葬祭業のセレモニー・スタッフのことです。そして、冠婚葬祭互助会のメンバーズ・サポートをするみなさんのことです。みなさんこそが、日本の文化を守っているのです。本当に素晴らしいことです!

儀式とは「文化の核」である!



改めて考えてみると、冠婚葬祭互助会とは貴族や大名や富豪のための組織ではありません。互助会は民衆のための組織であり、そこで働く礼人たちは「民禮」という儀礼文化、ひいては日本文化を守るのです。これほど価値があり、働きがいのある仕事はありません。「冠婚葬祭文化」といいますが、冠婚葬祭は文化そのものです。日本には、茶の湯・生け花・能・歌舞伎・相撲・武道といった、さまざまな伝統文化があります。そして、それらの伝統文化の根幹にはいずれも「儀式」というものが厳然として存在します。たとえば、武道は「礼に始まり、礼に終わる」ものです。すなわち、儀式なくして文化はありえません。その意味において、儀式とは「文化の核」と言えます。


冠婚葬祭は日本文化の集大成



そして、「冠婚葬祭は日本文化の集大成」です。茶道・華道・香道といえば日本文化を代表する「三大芸道」ですが、仏式葬儀の中には、お茶・お花・お香もすべて含まれています。その他、冠婚葬祭には「食」の文化、「装」の文化、「書」の文化、「歌」の文化、さらには「写真」の文化などが詰まっています。それら以外にも冠婚葬祭とそれを構成する要素は日本に存在する多くの文化と密接に関連しています。こうした現状はまさに「文化の集大成」であり、冠婚葬祭の存在なくして日本の伝統文化はもちろん、近代になって生まれたものも含めた諸文化を論じることが困難であるとすらいえます。こうした事実から、冠婚葬祭が持つ文化の集大成としての意義は極めて大きいといえるでしょう。


親の葬儀は人の道」である!



そして、冠婚葬祭の中でも葬儀は人類の存在基盤です。古今東西、人が亡くなって葬儀をあげなくてもいいと考えた民族も宗教も国家も存在しません。もし、日本に「葬式は、要らない」とか「葬式消滅」とかの考えが存在するのなら、それは人類史から見て現在の日本人が異常なのです。「親の葬儀は人の道」というのはわたしの信条ですが、孔子が開いた儒教では、親の葬儀をあげることを「人の道」と位置づけました。孔子の死後、約100年たってから誕生した孟子は、人の道を歩むうえで一番大切なことは、親の葬儀をあげることだと述べています。史上最高の哲学者と呼ばれるドイツのヘーゲルも、孟子と同様の主張を述べ、「親の埋葬倫理」ということを説いています。

自信と誇りをもって下さい!

最後は、もちろん一同礼!

 

親に限らず、愛する肉親の葬儀をきちんとあげることは、人間として当然のことであることは言うまでもありません。父の葬儀をしっかりと行ったわたしは「人の道」を踏み外すことはありませんでした。もちろん父を亡くした喪失感はありますが、一方で最大の務めを果たしたという満足感もあります。このように、MSのみなさんは「文化」と「人の道」を守っているのです。これほど価値のある仕事が他にあるでしょうか? 今年は創立60周年のアニバーサリー・イヤー。ぜひ、これからも世の中を良くしているという自信と誇りをもって、この素晴らしい業務に励んで下さい!」と言って、わたしは訓話を終えました。

懇親会の冒頭で挨拶しました

山下常務の発声でカンパ~イ!

 

社長訓話の後は、 松柏園ホテルの「長浜」に移動して、久々の懇親会を開催しました。わたしは、「みなさんは、この世で最も価値のあるものを守っているのだという誇りを持っていただきたい!」と述べました。それから、山下常務の発声で乾杯しました。各地から参集したみなさんは、お酒や料理を楽しみながら会話の花を咲かせました。最後は、飛鷹執行役員による中締めの挨拶でした。飛鷹執行役員は、 サンレー・オリジナルの「末広がりの五本締め」で締めました。この日は、みんなの心がひとつになりました!

 

2026年6月15日 一条真也