一条真也です。
5日、松柏園ホテルで毎年恒例の「財界九州」新年号の取材を受けました。1年が経つのは本当に早いですね!
貴賓室での写真撮影のようす
写真をチェックしました
「財界九州」の新年号に登場させていただくのも、早いもので、もう25回目です。第1回目は、社長に就任した2001年の暮れに取材を受けました。それ以来、20年以上にわたって会長職にあった父と共に取材を受け、父子で見開きページに掲載されました。1人になってしまって寂しいです。本日は、最初に松柏園ホテルの貴賓室で写真撮影を行いました。それからインタビュー取材に移り、財界九州社・企画編集部・編集統括の鳥海副部長の質問に答えました。
インタビュー取材のようす
2026年は、わが社の創立60周年の記念すべき年です。60年前、サンレーの前身となる北九州市冠婚葬祭互助会は「天下布礼」を掲げた佐久間進の志によって誕生しました「天下布礼」とは、「創業守礼」とともに、サンレー創業時に掲げられていたスローガンです。2008年、わたしが上海において再び社員の前で打ち出しました。太陽の光が万物に降り注ぐごとく、この世のすべての人々を尊重すること、それが「礼」の究極の精神です。
「天下布礼」について
天下、つまり社会に広く人間尊重思想を広めることが、サンレーグループの使命です。わたしたちは、礼業という、この世で最も大切な仕事をさせていただいていると思っています。これからも冠婚葬祭を通じて、良い人間関係づくりのお手伝いをさせていただきたいです。また、わたしが大学で教壇に立つのも、講演活動を行うのも、本を書くのも、さらには庸軒として道歌を詠んだり、映画に出演したりするのも、すべては「天下布礼」の一環であると考えています。
「礼」について
孔子にはじまる儒家は「礼」の思想にもとづく秩序ある社会の実現をめざしていました。「礼」の重要性を説いた日本人に陽明学者の安岡正篤がいます。彼は、「本当の人間尊重は礼をすることだ。お互いに礼をする、すべてはそこから始まるのでなければならない」と言いました。「経営の神様」といわれた松下幸之助も、何より「礼」を重んじました。彼は、世界中すべての国民民族が、言葉は違うがみな同じように礼を言い、挨拶をすることを不思議に思いながらも、それを人間としての自然の姿、人間的行為であるとしました。すなわち「礼」とは「人の道」であるとしたのです。
「有縁社会」の再生を!
わが社においても「礼」をすべての基本とし、大ミッションには「人間尊重」を掲げています。もともと冠婚葬祭を業とする会社ですから当然といえば当然ですが、さらに創業者である父が小笠原流礼法の伝統を受け継ぐ「実践礼道・小笠原流」の宗家であったため、挨拶・お辞儀・電話の応対・お茶出し・お見送りにいたるまで、社員へのマナー教育は徹底に徹底を重ねました。「礼」の考え方を世に広めることが「天下布礼」ですが、これは「有縁社会」を再生する試みです。
『RITUAL』を紹介しました
さて、最も新しいものはAIですが、最も古く、最も普遍性のあるものは儀式です。じつは現在、世界的に「儀式」が注目されています。わたしが2016年に書いた『儀式論』と内容が非常によく似た本を読みました。ブログ『RITUAL 人類を幸福に導く「最古の科学」』で紹介した本です。著者のディミトリス・クシガラタスは、コネチカット大学・実験的人類学研究室長。認知人類学者です。彼は「日々の生活のなかで、私たちはみな儀式を行っている。乾杯のときにグラスを掲げ、卒業式に出席し、誕生日会に参加する。儀式は、太古から人々に必要とされ、人類の文明のなかできわめて重要な役割を果たしてきた」と述べています。
創立60周年に向けて「天下布礼」を加速させたい!
最近、わたしがこれまで世に送り出してきた多くのハートフル・キーワード、いわば「礼の言霊」を2分間ほどの動画にしてYouTubeにアップしています。「儀式の意味や重要性がわかりやすく説明されている」と、冠婚葬祭業界をはじめとして話題となっているようです。2025年12月には『「鬼滅の刃」と日本人』(産経新聞出版)を上梓。2026年も『こども冠婚葬祭』(昭文社)、『コンパッショナリー・カンパニー』(講談社)など多くの著書の出版が予定されていますが、紫雲閣の100店舗達成という大きな節目も待っています。あの手この手で、記念すべき創立60周年に向けて「天下布礼」を大いに加速させたいです!
「財界九州」2025年新年号
*よろしければ、本名ブログもお読み下さい!
2025年11月5日 一条真也拝