玄侑老師を訪ねて福聚寺へ

一条真也です。
15日、ブログ「三春の滝桜」で紹介した日本三大桜の1つを見学した後は、雨の中をタクシーで福聚寺に向かいました。福聚寺は、福島県田村郡三春町にある臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は慧日山。本尊は釈迦如来です。

福聚寺の山門

福聚寺の山門にて

福聚寺の住職は、芥川小説家でもある玄侑宗久先生です。このたび、玄侑先生とわたしの対談本である仏と冠婚葬祭(現代書林)が刊行されましたので、そのお礼を兼ねて参拝させていただきました。あまりにも素晴らしいお寺なので驚きました。1万5000坪の広大な敷地で、庭園には桜が咲き誇っています。特に、しだれ桜が見事でしたが、これは滝桜の最初の子孫だそうです。玄侑先生は、「まさに満開です。当山に何度もお出でくださっても、桜は見たことがない、という方も多いなかで、やはり一条さんは祝福された方なのかもしれませんね」と言って下さいました。まことに、ありがたいことです。


山門を通って本堂へ


庭園には見事な桜が・・・


玄関のようす


「三聖図」を説明して下さいました


「三聖図」


本堂のようす


福聚寺の本堂で玄侑先生と

 

玄関を入ってしばらく行くと、玄侑先生が襖絵を指さされて、「これは一条さんがお好きそうな三聖図ですよ。仏僧と儒者道教の方士が描かれています」と説明して下さいました。三聖図のメッセージは「真理はひとつ」「道は違っても、目的地は同じ」ということだと思います。「三教一致」という意味ですが、中国における道教は日本の神道に近いので、『仏と冠婚葬祭』の刊行によって神儒仏の三部作対談が完成した直後に三聖図を拝見することができ、感激もひとしおでした。本堂では、お寺の由緒や庭園について丁寧に説明していただき、さらには江戸時代に葬式で使った籠を見せて下さいました。まるで博物館です!


本堂から素晴らしい庭園が見えました


庭園を説明して下さる玄侑先生

庭園を背景に玄侑先生と


江戸時代の葬式籠がありました

 

福聚寺の由緒は、1339年(暦応2年)復庵宗己の開山、田村輝定の開基により安積郡福原(現・郡山市和田町八丁目字聖坊)に建立された寺とされ、1504年(永正元年)田村義顕が現在地に移転したといいます。県指定重要文化財として、田村氏掟書。町指定有形文化財として、木造十一面観音像、雪村周継筆達磨図附雪村庵関係文書2通、復庵宗己頂相、一元紹碩墨跡、物外紹播墨跡、福聚寺所蔵印證。町指定史跡として、田村氏三代の墓。これらの貴重な文化財の多くを拝見させていただきました。


お座敷に通されました


お土産をお供えされる玄侑先生


素晴らしい仏像に圧倒されました!

十一面観音像の足元に『仏と冠婚葬祭』が!

 

玄侑先生は、この素晴らしいお寺の第35世住職であります。1世代20年と考えても、700年もの歴史が刻まれたお寺はとても威厳がありました。それでいてほっと落ち着く場所でもあります。お寺を見学させていただいた後は、玄侑先生のYouTube動画でも有名なお座敷に通されました。わたしが持参したお土産の菓子折(湖月堂の栗饅頭)をお渡しすると、玄侑先生は丁重に床の間にお供えされ、大変恐縮いたしました。床の間には貴重な達磨図が飾られ、さらには十一面観音像と観音像の間に『仏と冠婚葬祭』が置かれていました。しかも十一面面観音像の持物が水瓶(全ての穢れを洗い清める力)と蓮華(煩悩に染まらない悟りの象徴)であり、まるで「慈礼」を求めるわが人生を暗示しているように思えました。

ゆべし&抹茶をいただきました


玄侑先生の背後には達磨図が・・・


禅的生活365日』のサイン本を頂戴しました

禅的生活365日』を持って玄侑先生と

そのお部屋で「ゆべし」のお菓子とお抹茶を御馳走になり、玄侑先生といろいろお話をさせていただきました。葬儀について、幽霊について、悪魔祓いについて、AIについて・・・・・・わたしたちの対話は縦横無尽に留まるところを知らず、自由闊達に語り合いました。お抹茶の後は、ほうじ茶とコーヒーまで御馳走になり、奥様にも最上のおもてなしをしていただきました。玄侑先生からは最新刊の禅的生活365日』誠文堂新光社)のサイン本を頂戴しました。嬉しかったです!


庭園に出る玄侑先生


庭園を歩く玄侑先生


頭上には桜の洪水が・・・


観音堂に向かう玄侑先生


観音堂に立つ玄侑先生


観音像が桜を眺めている!


観音堂で桜を語る玄侑先生


福聚寺の庭園にて玄侑宗久先生と

 

帰りの新幹線の時間が迫ってきたので暇乞いをすると、玄侑先生が「ぜひ、観音堂に寄っていらっしゃい」と言って下さいました。先生はお庭に出られて、見事な桜の洪水の中を歩いて行かれました。そして、観音堂に立たれると、「ここに立ってごらんなさい」と言われました。わたしが立つと、それはそれは美しい光景が広がっていました。ブログ「天国の日々」で紹介した前日鑑賞したアメリカ映画は「史上最も美しい映画」と言われていますが、その映像美よりもずっと美しいと思いました。玄侑先生によれば、観音像が桜を愛でることができるように設計されているそうです。ワンダフル! その後、呼んでいただいたタクシーに乗車して、わたしはJR郡山駅へと向かったのでした。このたびは、生涯忘れ得ぬ思い出ができました。心からのおもてなしをして下さった玄侑先生御夫妻に深く感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。

 

 

2025年4月16日 一条真也