一条真也です。
9月20日の朝、かねてより病気療養中だった父・佐久間進が満88歳で旅立ちました。25日の通夜、26日の葬儀も無事に終え、ご弔問・ご参列いただいた皆様、また供花・弔電を頂戴した皆様には心より感謝申し上げます。
『佐久間進のすべて』より
荼毘に付されて父の肉体は消滅しましたが、その精神は生きています。というのも、父は生前に多くの言葉を遺してくれました。今回は、「八美道」を紹介いたします。父は、ブッダの「八正道」ならぬ「八美道」という言葉を提唱しました。
父は、著書『わが人生の「八美道」』(現代書林)の「まえがき」に書いています。
「八正道とは、みなさまもよくご存知のように、お釈迦様の言葉です。
お釈迦様が、人間の生き方として『八』の正しい道を示されました。
私は、自らの人生を振り返り、自分の人生をどう表現したらいいだろうか、と考えることがあります。果たしてお釈迦様が示された『八つの正しい道』を歩めただろうか? 精進努力を惜しんだつもりはありませんが、『八正道にはほど遠いなあ』と反省するばかりです。
では、自分の人生で何を目指してきたのか。人として、男として、夫として、父として、経営者として、業界のリーダーとして、自分は何を追い求めてきたのか。
美――『美しさだったかな』という思いに至りました。
礼法を学び、おじぎを極め、会社を興し、すべてが『美』を追い求めてきた気がします。
『正しいか、正しくないか』――私にはわかりません。
『美しいか、美しくないか』――これはわかります。
『美』を唯一無二の基準にして、生きてきたような気が致します。
自然の美しさに学び、心の美しさに涙し、無理のない美しい流れを大切にしながら生きてきました。ささやかではありますが、その行いのすべてが、今日ある私の姿です。良し悪しは他人様に評価して頂きたいと存じます。
私は自分の生き方を『八美道』と名づけてみました。まだ発展途上の私です。自らの道、『八美道』を今しばらく追い求めていくつもりです」
「喜寿の祝い」で挨拶する父(2012年1月16日)
『佐久間進のすべて』(オリーブの木)
2024年10月25日 一条真也拝