一条真也です。京都に来ています。
19日、上智大学グリーフケア研究所の特別研究員である「京都の美学者」こと秋丸知貴さんと打合せをしました。すると、秋丸さんが「ぜひ、ご案内したいお庭があります!」とのことで、夕方の会合まで時間があったので、ミニ京都散策しました。真夏の京都は猛烈に暑いので、銀座トラヤ帽子店で求めた白のボルサリーノを被りました。
JR京都駅前で
東山の小路で
鰻の名店「釜座」
名物の鰻丼
鰻を食って精をつけないと!
大好物の鰻を食らふ美学者
まず、昼を少し過ぎていたので、わたしたちは東山にある「釜座」という鰻の名店に入って昼食を取りました。注文したのは、秋丸さんが大好物だという名物の「鰻丼」です。わたしは、「猛暑を乗り切るために、鰻を食って精をつけないと!」と思いました。秋丸さんと会うのはブログ「『日本人と死生観』シンポジウム」で紹介した京大でのシンポジウムが開かれた昨年11月23日以来なので、いろいろと話の花が咲きました。
お腹いっぱいになりました!
高台寺を訪れました
素晴らしい景観です
高台寺庭園の入口で
庭園は国指定史跡名勝です!
庭園はこの世の浄土
臨済宗なので茶室あり!
茶室の前で
その後、歩いて5分くらいの場所にある高台寺を訪れました。高台寺の本尊は釈迦如来。寺号は詳しくは高台寿聖禅寺と称します。豊臣秀吉の正室である北政所が秀吉の冥福を祈るため建立した寺院であり、寺号は北政所の落飾(仏門に入る)後の院号である高台院にちなみます。臨済宗の禅寺であるとともに、秀吉と北政所を祀る霊廟としての性格を持った寺院です。
霊屋(おたまや)の前で
釈迦涅槃図が描かれた「利生堂」
秀吉の顔出しパネルを発見!
最近話題のアンドロイド観音
高台寺の霊屋(おたまや)の堂内装飾には桃山様式の蒔絵が用いられ、これを「高台寺蒔絵」と呼びます。他に北政所所持と伝えられる蒔絵調度類を多数蔵することから「蒔絵の寺」の通称があります。夜間拝観を京都で最初に行い始めた寺院とのこと。また、釈迦涅槃図が描かれたセレモニーホールとしての「利生堂」では、結婚式や葬儀も行われるそうです。話題のアンドロイド観音もありましたが、今日は鑑賞できませんでした。
圓徳院の後藤住職と
三面大黒天の前で
それから、わたしたちは圓徳院へ向かいました。すると、門のところで、住職の後藤正晃さんにお会いしました。わたしたちは、秋丸さんの紹介で名刺交換し、しばし立ち話をしました。圓徳院は、京都市東山区にある臨済宗建仁寺派の寺院で、高台寺の塔頭です。本尊は釈迦如来。豊臣秀吉の正室・北政所が晩年に自身の本拠地としたことで知られるほか、一説にはその終焉の地とも言われています。所蔵されている三面大黒天は秀吉の念持仏と伝わるもの。
幽霊画がありました
圓徳院にて
ここにも幽霊画が・・・
極楽図もありました
豊臣秀吉の没後、正室の北政所は、慶長8年(1603年)に朝廷から「高台院」の号を勅賜されると、秀吉の菩提を弔おうと寺院の建立を発願し徳川家康もその建立を支援しました。家康と高台院は、現在高台寺や圓徳院があるこの地にあった岩栖院を南禅寺の境内に塔頭として移転させると、慶長10年(1605年)に高台院は実母である朝日局が眠る康徳寺(現・上京区上御霊馬場町にあった)をこの地に移転させて新たな寺院・高台寺を建立し、その境内を整えていきました。
圓徳院北庭は国指定名勝
しばし物思いに耽りました
その際、高台院は高台寺の西側に自らの屋敷と甥の木下利房の屋敷を造営することとし、同年に伏見城にあった北政所化粧御殿とその前庭をこの地に移築して自らの邸宅・高台院屋敷としました。翌慶長11年(1606年)に高台寺は完成しています。高台院は没するまでの19年間を高台院屋敷と高台寺で過ごすと、寛永元年(1624年)9月6日に屋敷で亡くなりました。
圓徳院近くの小路で
時代劇の撮影でよく使われる場所で
寛永9年(1632年)、高台院屋敷は木下利房によって高台寺の三江紹益を開山として高台寺の塔頭・圓徳院に改められた。以降は木下家の菩提寺となりました。寛政元年(1789年)2月9日、高台寺で火災が発生して小方丈や庫裏などが焼失した。そこで、高台寺は寛政7年(1795年)に当寺の北政所化粧御殿を高台寺の小方丈にするために解体、移築が行われ、当寺には代わりとして新たに北書院が建立されました。
「掌美術館」は、小さなミュージアム
抹茶ソーダで涼を取る!
なお、高台寺の小方丈となった北政所化粧御殿は文久3年(1863年)7月26日に放火で焼失しています。なお、圓徳院と高台寺の間は「ねねの道」となっています。それにしても、京都在住のプロの美学者から名勝を案内してもらうとは、なんという贅沢でしょうか! その後、秋丸さんと別れてホテルに戻りました。今夜は、宮川町松原の料理屋さんで開かれる業界の会合に出席します。
京都タワーを背景に
2022年8月日 一条真也拝