書斎のアップデート

一条真也です。
26日の夕方、横浜から小倉へ戻ってきました。
昨夜は幻想的なストロベリームーンを堪能しましたが、早速、「バク転神道ソングライター」こと宗教哲学者の鎌田東二先生と交わしているシンとトニーのムーンサルトレター195信がUPされていました。今回も、お互いに話題が盛りだくさんです。ぜひ、お読み下さい!

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書棚がはみ出した約10年前の書斎正面 

 

さて、自宅に戻ると、書斎の様子が一変していました。ブログ「わが書斎」でも紹介したように、わたしの書斎の書棚は変わった造りをしていて、何カ所か空中にはみ出しています。これは今から四半世紀も前に現在住んでいる家をリフォームして書斎を作るとき、わたしが建設会社に「見栄えはどうでもいから、とにかく本が1冊でも多く入るように作ってほしい」と依頼したからです。そのせいで、書斎の壁面にはまったく隙がなく書棚が設けられ、エアコンは嵌め殺しされました。

f:id:shins2m:20210703150728j:plain書棚が削られ、新しいエアコンが!

 

その後、エアコンが老朽化してたので買い替えようと思ったところ、嵌め殺しにしているため、書棚の一部を除去する必要が出てきました。また、床も本の重みで抜けそうになっていたため、補強工事をすることにしました。わたしが横浜出張から戻ってくる日が工事が終了する日だったのです。書斎の扉を開けると、いきなり正面にエアコンが取付けられていました。まあ、これが普通ですよね。(笑)

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机の左側の書棚 

 

工事のため、机の左側の本棚を空にしていたのですが、そこは各種の文庫本、レファレンス類、愛読する澁澤龍彦の単行本、そして100冊以上の一条本をはじめ、コレクションしているタロットカードや世界遺産のフィギュア、さらにはミュージアムグッズなどが所狭しと並んでいるワンダーランドでした。この書棚を元の通りに復元するのでは能がないので、ずっとこの場所に置きたかった本たちを倉庫から運んできました。

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三島由紀夫全集』と『澁澤龍彦全集』の第1巻

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三島由紀夫全集』と『澁澤龍彦全集』

 

それは、15年以上前に東京・神保町の小宮山書店で購入した『三島由紀夫全集』全36巻(新潮社)と『澁澤龍彦全集』全24巻(河出書房新社)です。いつか書斎に並べたいと思いながら、かなりの時間が経過してしまいました。わたしは、三度の飯よりも三島と澁澤が大好きで、彼らの本ならいくら読んでも飽きません。最初はダリの歪んだ時計、真鍮の望遠鏡、響17年、インドで買ったガネーシャ像などと一緒に並べてみました。

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結局、このように並べました

f:id:shins2m:20210703145842j:plain新レイアウトが完成!

 

わたしの思考法の1つに「この問題は、三島や澁澤ならどう考えるだろうか?」というものがあります。現在の新型コロナウイルスの感染によるパンデミック東京五輪の強行開催などに対しての彼らの意見には興味があります。特に、宮内庁の西村長官が発言された天皇陛下の想いなどを三島がどう受け止めるだろうかと想像することは、まことに思索的な時間を与えてくれます。

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わが書斎の『世界の名著』 

 

東京五輪が強行開催されれば、感染のリバウンドは必至です。4度目の緊急事態宣言もありうるでしょうが、『三島由紀夫全集』と『澁澤龍彦全集』さえあれば、ステイホームなど大歓迎です! あと、わたしもこれまで馬鹿みたいに多くの本を読んできましたが、これからは視力も体力も衰える一方ですから、本当に読みたい本をじっくり読む読書にシフトしたいと考えています。そのとき、真っ先に思い浮かぶのが、『三島由紀夫全集』と『澁澤龍彦全集』、それに『世界の名著』全81巻(中央公論社)、『日本の名著』全50巻(中央公論社)あたりでしょうか。

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相変わらずのスーパー・カオス! 

 

ただでさえ読書離れが叫ばれている昨今、ハードカバーの全集を読破する者など天然記念物のような存在かもしれませんが、とにかくわたしは読書が好きで好きでたまらないので、老後に全集本を読むのは至福の時間です。それにしても、もともと書棚に収めてあった本はどこに移そうか? あと、タロットカードや世界遺産フィギュアやミュージアムグッズは? ふと、視線を右に移せば、わが書斎のシンボルであるツタンカーメンを中心にスーパー・カオス状態の空間がそこにありました。とほほ。

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わたしは、この書斎で数え切れないほどの多くの本を読んできました。そして、多くの著書を書いてきました。この書斎は、わたしの仕事場であり、隠れ家であり、こころのシェルターです。何よりも、心をゆたかにしてくれるハートフル・ルームです。考えてみれば、読書ほど心をゆたかにする営みはありません。わたしは、読書によって、さまざまな人生の試練を乗り越えることができました。本は人を生かしてくれます。わたしは、死ぬまで、そして死んだ後も読書の素晴らしさを訴え続けたいです。

f:id:shins2m:20210628092137j:plain心ゆたかな読書』(現代書林)

 

そんなわたしは、発行部数が125万部の「サンデー新聞」に「ハートフル・ブックス」という書評コラムを連載していますが、その書籍化である『心ゆたかな読書』(現代書林)がこのたび出版される運びとなりました。『論語』から『鬼滅の刃』まで、わたしをこれまでハートフルにしてきた珠玉の150冊を心をこめて解説しました。同書は、8月3日に発売されます。どうぞ、お楽しみに!

 

 

2021年6月27日 一条真也