熊本地震1年

一条真也です。
本日、熊本地震の発生から1年を迎えました。
じつに、最大震度7を2度記録した大きな災害でした。熊本県の被災者は3月末現在、4万7725人が県内外の仮設住宅などで避難を続けています。


毎日新聞」4月14日朝刊



毎日新聞」の14日朝刊は、一面トップで「非難なお4万7725人」という大見出しで熊本地震1年を扱っています。記事にはこう書かれています。
「県は昨年11月までに仮設住宅4303戸の整備を終え、4179戸に1万985人が入居している。民間アパートなどを借り上げる「みなし仮設住宅」には県外も含む1万4705戸に3万3832人、公営住宅などには1322戸で2908人が暮らしている。親族宅に身を寄せるなど把握できない人を含めると、避難者の数はさらに膨らむとみられる。
一連の地震で最大震度7を2度記録したのは観測史上初で、熊本県を中心に甚大な住家被害に見舞われた。罹災(りさい)証明書の発行に伴う建物被害の判定が進む中で損壊家屋数は増え、県内では13日現在、約19万棟の住家に被害が出ており、全半壊は約4万2000棟に上った」


毎日新聞」4月14日朝刊



1年前の4月14日夜、益城町でM(マグニチュード)6.5の地震が起きた後、16日未明にM7.3の地震が発生、これは1995年の阪神淡路大震災に匹敵する規模でした。震度1以上の地震の回数は新潟県中越地震阪神淡路大震災をはるかに上回り、史上最多であるともいわれています。
この地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々の不安や心配や苦悩が少しでも軽減されることを心からお祈りいたします。



わたしは2014年6月に冠婚葬祭互助会の全国団体である全国冠婚葬祭互助会連盟(全互連)の会長に就任しましたが、その場所がまさに熊本でしたので、非常に複雑な心境です。今回の被害状況を踏まえ、全互連では人道的な見地に立ち、微力ながら可能な限りの支援を行わせていただくと同時に、一刻も早い復興を心よりお祈り申し上げます。



自然災害のたびに思うことですが、熊本地震でも自然の脅威を嫌というほど思い知らされました。よく、「自然を守ろう」とか「地球にやさしく」などと言います。しかし、それがいかに傲慢な発想であるかがわかります。やさしくするどころか、自然の気まぐれで人間は生きていられるのです。生殺与奪権は人間にではなく、自然の側にあるということです。



それにしても、熊本地震阿蘇山の大噴火につながらなくて良かったです。九州のみならず、わたしたちの日本列島は火山列島地震列島だということを改めて思い知りました。2014年には、長野・岐阜両県にまたがる御嶽山が噴火し、じつに58人の方々が亡くなられました。火山活動としては戦後最多の犠牲者を出すという最悪の惨事になりました。阿蘇山が大噴火すれば、被害は甚大だったでしょう。



熊本地震の被災地では「助け合い」の動きが活発化しました。地元の飲食店は無料で食料を提供し、人々は炊き出しでおにぎりや味噌汁を作り続けました。2011年の東日本大震災で到来したとされる「隣人の時代」の再来でした。1995年の阪神淡路大震災のときに、日本に本格的なボランティアが根づきました。あのときが日本における「隣人の時代」の夜明けだったわけです。今また、多くの人々が隣人愛を発揮しています。


隣人の時代』(三五館)


なぜ、人々は隣人愛を発揮するのでしょうか。その答えは簡単です。よく、「人」という字は互いが支えあってできていると言われます。互いが支え合い、助け合うことは、じつは人類の本能なのです。「隣人愛」とは「相互扶助」につながります。わたしの本業である冠婚葬祭互助会のコンセプトです。被災された方々のために何ができるかを考えたいと思います。



*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。



2017年4月14日 一条真也