一条真也です。
ニューヨークに来ています。
9月20日の午前、ニューヨーク市ブロンクスにある「ウッドローン墓地(The Woodlem Cemetry)」を訪れました。この場所はもともと農場でしたが、マンハッタンの人々の墓地として1863年に創設されました。
160ヘクタール、400エーカーのウッドローン墓地には、30万人もの死者が眠っています。アメリカ人だけでなく、第一次世界大戦の連合軍の兵士たち、イギリス人やカナダ人も眠っています。
野口英世、高峰譲吉などの医学者や新井領一郎、佐々木指月などの日本人の墓もあります。わたしたちは最初に野口英世夫妻の墓を参拝しましたが、子どもの頃に偉人伝(偉人伝全集の第1巻に必ず入っていました)でその伝記を愛読していた野口英世の墓参ができて感慨深かったです。
ウッドローン墓地には、デューク・エリントン、マイルス・デイビスといったJAZZ界の巨人たちの墓もあります。さらに、アメリカ人の国民文学といえる『白鯨』を書いたメルヴィル、実業の世界で偉大な足跡を残したウェスティンハウス、ウールワース、ベルモントらの墓もありました。
それぞれの墓は、どれも個性的で暗さを感じさせません。
人間1人ひとりの人生がアートであるということを教えてくれます。
ユダヤ教徒やキリスト教徒、同じキリスト教徒でも宗派を超えた人々の墓が並んでいるのを見ると、死んだら宗教も宗派も関係ない、まさに「死は最大の平等である」ということを再認識しました。
日本円で5000万円以上するという墓もありました。その中には見事なステンドグラスが輝いており、小さいながらも完成された聖空間でした。
その隣には同性愛者だったという女性2人が固く抱き合ったモニュメントの墓がありました。わたしはそれを眺めながら、「この2人は、生前から『死んだら、こんなお墓を作って一緒に入ろうね。そして永遠に一緒にいようね』と約束していたのかもしれない」と思いました。
あらゆる人生には、あらゆるドラマがあります。わたしは、永遠に抱きしめ合った彼女たちの人生に想いを馳せ、とても厳粛な気分になりました。「私のお墓の前で泣かないで下さい」という歌詞の歌もありますが、お墓の前で誰かが泣いてくれる人生も素敵だなと思いました。
*よろしければ、本名ブログ「佐久間庸和の天下布礼日記」もどうぞ。
2014年9月21日 一条真也拝