「エイジ・オブ・ディスクロージャ―:真実の幕開け」

一条真也です。
22日の夕方、東京から北九州に戻りました。その夜、アメリカのドキュメンタリー映画「エイジ・オブ・ディスクロージャー:真実の幕開け」をアマゾン・プライム・ビデオで観ました。アマゾン・プライム・ビデオで映画を観るのは初めてです。どうしても本作が観たくて加入したのですが、この作品の視聴には、かなりの追加料金を取られました。



映画.comの「解説」には、「1947年、ニューメキシコ州ロズウェル近郊で起こったロズウェル事件以来、アメリカ政府は80年にわたってUFO(あるいはUAP)や地球外生命体の存在を隠蔽してきたという事実を暴くドキュメンタリー。マルコ・ルビオ国務長官を筆頭に、総勢34人の米国政府、軍、諜報機関の元・現役高官が登場し、UFOとの遭遇に関する詳細や墜落した飛行物体からの技術回収について証言を行っている。これらの証言には、議会公聴会やニュースメディアでの報道映像なども数多く引用されており、テーマの説得力を高めている。監督は、スティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」のプロデューサーとしても知られ、この作品でドキュメンタリー監督デビューを果たしたダン・ファラー。2025年のサウス・バイ・サウスウェスト映画祭でワールドプレミアされ、観客から熱狂的な支持を得た。25年11月21日より、Amazon Prime Videoで有料配信されている」とあります。

 

映画.comの「あらすじ」は、以下の通りです。
「80年にわたり世界的に隠されてきた地球外生命体の存在や、地球外由来の先進技術の解析をめぐって大国間が水面下で競ってきた事実について暴くドキュメンタリー。34人のアメリカ政府・軍・諜報機関の関係者が衝撃の告白。ついに人類の未来を大きく左右する重大な真実が明らかにされる」


最初にUFOの存在を知った『20世紀のなぞとふしぎ』

 

わたしは「オカルト」が好きなので、UFOに関する情報は随時フォローしてきました。最初にその存在を知ったのは小学校の図書室で見つけた『20世紀のなぞとふしぎ』庄司浅水著(偕成社)という1969年刊行の児童書で、UFOではなく「空飛ぶ円盤」と表現されていました。表紙にも、空飛ぶ円盤の編隊が描かれています。同書は現在では稀覯本となっていますが、わたしは所持しています。その後、わたしの人生に決定的な影響を与えた漫画である恐怖新聞つのだじろう著(秋田書店)でもUFOの知識を得ました。

 

TVのオカルト番組やYouTubeの動画はさておき、UFOが大きな話題になったのは、2020年の4月です。米国防総省は、海軍が撮影した「謎の空中現象」として、未確認飛行物体(UFO)のような円盤状の物体が雲の上を高速で飛んでいるような様子が記録されている3種類の映像を公開しました。このところ支持率が急速に低下しているトランプ政権が米国民の「注意そらし」をしたのではないかという見方が一般的ですが、わたしは、新型コロナウイルスによるパンデミック(感染の世界的大流行)は「宇宙人の襲来」に似ていると思っていましたので、非常に驚きました。

f:id:shins2m:20200428221805j:plainヤフーニュースより 

 

同年4月28日にCNNが配信した「米国防総省、UFO映像3本を正式公開」という記事には、「米国防総省はこのほど、海軍が赤外線カメラでとらえた『未確認航空現象』の映像3本を正式公開した。この映像は、過去に民間企業から公表されていた。映像には、高速で動き回る未確認飛行物体(UFO)と思われる物体が映っている。このうち2本では、その動きの早さに乗員が驚きの声を上げていた。1本には、ドローン(無人機)かもしれないと推測する音声が入っている。米海軍は昨年9月の時点で、この映像が本物であることを確認していた。今回、正式公開に踏み切った理由について国防総省の報道官は、『出回っている映像が本物なのかどうか、映像にはまだ何かあるのかどうかに関する一般の誤解を解くため』と説明する」と書かれていました。

f:id:shins2m:20200428222336j:plainヤフーニュースより 

 

国防総省が公開したUFO画像について、日本の河野防衛大臣(当時)がコメントを出しました。同年4月28日に「産経新聞」が配信した「UFOとの遭遇に備え『手順定めたい』 河野防衛相」という記事には、「河野太郎防衛相は28日午前の記者会見で、米国防総省が未確認飛行物体(UFO)のような円盤状の飛行物体を記録した映像を公開したことに関連し、自衛隊がUFOに遭遇した際に備えて『(対応の)手順をしっかり定めたい』と述べた。河野氏は『正直に言うと、私はUFOを信じてはいない』と前置きし、映像公開について『米国から真意や分析を聞きたい』と語った。また、自衛隊機のパイロットがUFOに遭遇したことは『ないと聞いている』と述べる一方、万が一遭遇した際の映像の撮影や報告の段取りについて航空自衛隊をはじめとする各自衛隊に検討を求めた。米国防総省が公開したのは海軍が撮影した『謎の空中現象』とする3種類の映像で、同省は『映像に残された現象の正体は分からないままだ』としている」と書かれています。



米海軍が撮影した3種の映像はすでに広く知られたものですが、どうして、米国防総省が正式公開し、「正体は分からないままだ」などと発表したのか。いろいろと推測できますが、いくつかの見方を示したいと思います。まずは、感染拡大で外出自粛している国民に「謎」や「ミステリー」や「ロマン」といった娯楽を提供したのではないかということです。なんでも、人はワクワクすればするほど、免疫力が上がるそうですから。しかし、「神話なき国」であるアメリカにとって、UFOやエイリアンといった存在はまさに「現代の神話」であり、TVドラマの影響もあってエイリアンによるアブダクション(誘拐)を心から恐れる米国民は多いです。というわけで、娯楽というよりも恐怖を提供したとの見方もありますが・・・・・・。



その後、未確認飛行物体を意味する「UFO」は「UAP」と呼ばれるようになりました。これは「未確認異常現象 (Unidentified Anom lous Phenomena)」を指します。 水中、宇宙空間で発生する、正体不明の物体や現象の総称です。調査対象: 既知の航空機や自然現象では説明できない、奇妙な動きや性能を示す現象が対象で、日本海などでも目撃情報が寄せられています。「UAP]という言葉自体は以前からありましたが、米国防総省がUFOに代わり公式に使い始めたのは2021年頃からで、本格的な調査機関(AARO)が設立され、関連動画や報告書が公開され始めたの2022年7月以降(特に2023年の年次報告書とウェブサイト公開)からで、日本でも国会で議論されるようになったの2024年6月の議員連盟設立以降であることは明らかです。 



「エイジ・オブ・ディスクロージャー:真実の幕開け」では、80年間も米国政府がUAPおよびエイリアンの真実を隠蔽していたとしていますが、それは有名な「ロズウェル事件」に起因します。アメリカのニューメキシコ州ロズウェル近郊で発生した、世界で最も有名なUFO(未確認飛行物体)墜落騒動1947年7月87月8日、ロズウェル陸軍飛行場(RAAF)が「空飛ぶ円盤(Flying  Disc)」を回収したと公式発表し、地元紙が大きく報じました。しかし翌日、軍はこの発表を撤回し、回収されたのは「気象観測用の気球」であったと修正しました。事件は一旦忘れ去られましたが、1970年代後半に当時の関係者が「あれは宇宙船だった」と証言したことで再び注目を集め、異星人の遺体回収説などの陰謀論へと発展しました。その後、アメリカでは数えきれないほどのUFOや宇宙人についての都市伝説が生まれ、多くの映画も作られました。



それにしても気になるのは、アメリカが2020年4月28日というコロナ禍の渦中に最初のディスクロージャーを行ったのかということです。当時、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、WHOは「パンデミック」を宣言しました。これを陽にとらえて前向きに考えた場合、世界中のすべての人々が国家や民族や宗教を超えて、「自分たちは地球に棲む人類の一員なのだ」と自覚したということが言えるでしょう。そして、今回のUFO映像の公開は、その自覚を強化させる目的があるのではないかということです。「宇宙船地球号」とは、アメリカの思想家・デザイナーであるバックミンスター・フラーが提唱した概念・世界観です。地球上の資源の有限性や、資源の適切な使用について語るため、地球を閉じた宇宙船にたとえて使われています。

f:id:shins2m:20200516165530j:plain心ゆたかな社会』(現代書林)

 

宇宙線地球号」は、安全保障についても使われることがあります。「各国の民は国という束縛があってもみんな同じ宇宙船地球号の乗組員だから、乗組員(国家間)の争いは望まれない」というように使われます。わたしたちが「宇宙船地球号」の乗組員であることを自覚する、その最大の契機をパンデミックは与えてくれたのではないか? 2020年に上梓した拙著心ゆたかな社会(現代書林)では、「グローバル」という言葉について深く考察しました。そして、パンデミックについて、わたしは新しい世界が生まれる陣痛のような気がしました。なぜなら、この問題は国際的協力なくしては対処できないからです。アメリカと中国とか、日本人と韓国人とか、キリスト教イスラム教とか、そんなことを言っている余裕はありません。人類が存続するためには、全地球レベルでの協力が必要とされます。もはや、人類は国家や民族や宗教の違いなどで対立している場合ではないのです。

 

宇宙戦争 (偕成社文庫)

宇宙戦争 (偕成社文庫)

 

 

その意味で、「パンデミック」は「宇宙人の襲来」と同じようなものです。新型コロナウイルスも、地球侵略を企むエイリアンも、ともに人類を「ワンチーム」にしてくれる外敵なのですから。よく考えてみると、こんなに人類が一体感を得たことが過去にあったでしょうか。戦争なら戦勝国と敗戦国があり、自然災害なら被災国と支援国がある。しかし今回は、すべての国が当事者であり、全人類が「一蓮托生」なのです。「人類はみな兄弟」という倫理スローガンが史上初めて具現化したという見方もできました。先のパンデミックを大きな学びとして、人類が大気汚染、森林伐採、温暖化をはじめとした地球環境問題、そして長年の悲願である戦争根絶を視野に入れた平和問題と真剣に向き合うことができることを、わたしは真剣に望んでいました。



新型コロナウイルスの感染拡大が世界平和への契機になるという事実に気づいたアメリカが、「パンデミック宣言」に加えて、米国民をはじめとした人類に「宇宙人の襲来」を連想させるようなUFO映像を正式公開したと考えるのは、いくら何でもロマンティック過ぎるでしょうか? 当時の世界情勢を見ると、パンデミックという呉越同舟の関係にありながら、アメリカと中国が「平和」とは程遠い小競り合いをしていました。当時のUF0映像公開を穿った目で見るなら、UFOのようなオカルトを引き合いに出して、新型コロナウイルスが中国の武漢にある研究所が開発した生物兵器であるという陰謀論を米国民に信じさせようとしたという意図さえ読み取ることも可能です。さらには、UFOが中国の軍事兵器であるというメッセージにも読み取れます。なにしろ、あのトランプ大統領がわざわざ、最もアメリカが大変な時期に映像を公開したのですから。

f:id:shins2m:20200312220411j:plainワンチームで行こう!

 

しかし、わたしはやはり何事も陽にとらえたい(前向きに考えるという意味で、陽性反応にとらえるという意味ではありません。念のため)です。思えば、新型コロナはITの普及によって全世界にもたらされている悪い意味での「万能感」を挫き、人類が自然に対しての畏れや謙虚さを取り戻すことを求めました。ウイルスの感染拡大は人智を超えた世界です。そして、UFOも人智を超えた世界です。人智を超えた世界に対して、人類は謙虚にならなればなりません。最後に、わたしは、この広大な宇宙に意識を持った存在が地球にしか存在しないというのは、あまりにも非現実的であり、おそらく宇宙には隣人がいるのではないかと考えています。



地球人類と宇宙の隣人が初めて交流する物語が、SF映画史上に残る大傑作未知との遭遇(1977年)です。スティーヴン・スピルバーグ監督が人類と異星人の接触を描き、世界的ヒットを記録しました。メキシコの砂漠で、第2次世界大戦中に消息を絶った戦闘機が当時と変わらぬ姿のまま発見。一方、アメリカのインディアナ州では大規模な停電が発生。復旧作業に向かっていた電気技師ロイ(リチャード・ドレイファス)は、発光する謎の飛行物体と遭遇します。それ以来、何かに取り憑かれたようにその正体について調べ始めたロイは、やがてワイオミング州のデビルズタワーという山にたどり着くのでした。宇宙人=侵略者という従来のイメージを覆す展開は、当時斬新なものがありましたが、その交流を音と光で描ききったクライマックスは、いま見直しても感動します。



そのスピルバーグ監督は、じつに50年ぶりに人類と異星人についての映画を作りました。今年の夏公開予定の「ディスクロージャ―・デイ」です。「開示の日」という意味を持ち、人類が宇宙で孤独ではないという真実が明かされる壮大な物語を予感させ、世界中が注目する作品です。わたしが大好きな女優であるエミリー・ブラントをはじめ、ジョシュ・オコナー、コリン・ファースなどが出演。「もし人類が宇宙で一人でなかったら?」という根源的な問いを扱い、人類の前提を覆すような「開示(ディスクロージャー)」が描かれます。天気予報キャスター(エミリー・ブラント)が伝える天気予報の声に異変が起き、スタッフが動揺します。特報映像には、森の動物たちが一斉に特定の方向へ集まる不可思議な光景が映ります。そして、「全人類はその真実を知る権利がある。 “開示(ディスクロージャー)”する/全世界に一斉に」というセリフで、人類史を揺るがす瞬間の到来を示唆するのでした。

 

*よろしければ、佐久間庸和ブログもお読み下さい!
https://tenkafurei.hatenablog.com/

 

2026年1月23日  一条真也