災難に遭いました

一条真也です。
29日、ブログ「宮崎新年進発式」で紹介した会社行事および昼食会を終えた後、JR延岡駅から特急にちりん10号に乗って大分に向かいました。13時39分発で、JR大分駅には15時43分に到着するはずでした。


にちりん10号のグリーン車に怒号が飛ぶ!

にちりん10号が完全に止まってしまった!

 

すると、アクシデントが起きました。14時30分頃に電車が止まって、まったく動かなくなったのです。ちょうどそのとき、わたしは読書をしていたのですが、乗っていたグリーン車内で「どないなっとるんじゃい!」と大きな声がしたので驚きました。見ると、左後方に座っていた60代後半ぐらいの男性が若い車掌を捕まえて騒いでいました。この電車は特急なのに、なんと若い車掌が1人しか乗車していないワンマンカーでした。騒いでいる男性は「早く岡山に行かんといかんのじゃ。早く動かさんかい!」と言うのですが、その言い方がじつに粗野だったのでカチンときました。彼は赤い野球帽を被って、見たこともないような派手で下品なブルゾンを着ていました。


そこは、重岡という駅でした


JR重岡駅前で

 

もしかすると、あっちの筋かなとも思いましたが、彼があまりにも若い車掌を怒鳴るので、わたしが「まあ、この人を責めても始まらんでしょう。わしも小倉に行かんといけんのやけんどねえ・・・」と、わざと一人称を「わし」と言って重低音で「小倉」と言ったところ、彼はギョッとして目を逸らし、「本当に困ったのお」とつぶやきました。車掌に聞くと、停電だそうです。停電なので扉も開かないというのですが、マイクロバスやタクシーを呼んで大分駅まで搬送してくれるとのことでした。そのときの話では15時にタクシーが来るというので、「まあ仕方ないかな」と思いました。そのうち手動で扉が開いて外に出ると、そこは「重岡」という駅でした。延岡と佐伯の中間だとか。


重岡駅前でタクシーを待つ


NHKニュースより

 

しかし外に出たのはいいものの、15時を過ぎてもまったくタクシーなど来ません。インバウンドの外国人観光客もいましたが、とても不安そうでした。この日は気温が低かったので、体が冷え切って風邪を引きそうでした。スマホで調べてみると、NHKニュースに「JR日豊本線 佐伯〜延岡 上下線運転見合わせ 倒木影響」という14時43分配信の記事が出ていました。記事には、「JR九州によりますと、日豊本線佐伯市直川駅重岡駅の間で発生した倒木のため、佐伯駅と宮崎県の延岡駅の間の上下線で運転を見合わせています」と書かれていました。


寒空の下、体が冷え切る

10年に一度のトラブル?

 

寒空の下を一緒に並んで待っていたおばあさんが「いつもこの電車に乗っ取るけど、こんなんは初めてよ。10年に一度のことやね」と言っていました。それを聴きながら、わたしは「そんな災難に遭うとはついていないな」と思いました。ようやく、重岡駅にタクシーが到着したのは15時20分ぐらい。とりあえず、随行者2人とそれに乗って大分駅に向かいました。佐伯からやってきたタクシーの運転手さんだったのですが、「こんなの珍しくないよ。いつものことよ」と言うではありませんか。なんでも、ちょっと雨が降っただけで電車が止まり、大分駅までタクシーで搬送するのはしばしばだそうです。運転手さんによれば、さっき「10年に一度のことやね」と言ったおばあさんはJR九州の回し者の可能性があるそうです。 

タクシー飛ばして、JR大分駅に到着


改札を抜けて、ソニックのホームへ!

 

タクシーの運転手さんは、結構なスピードで急いでくれました。また、高速道路も空いていたので、想定したいた時間よりも早めに大分駅に到着しました。料金は2万円を超えていましたが、もちろんすべてJR持ちです。この日だけで60万円以上を負担するそうです。こんなことを繰り返していては、いつまでも赤字でしょうね。大分駅に着くと、急いで改札を抜けて、ソニック号が発車するホームへと急ぎました。少し発車時間までは時間があったので待合室で休もうとしたら、なんとそこには変なオブジェが飾られているではないですか! そう、JR大分駅のホームにはガラス張りの待合室があるのですが、ここ数年アート作品を展示していて、乗客が利用できずに困っています。


ホームの待合室がアートギャラリーに!


力いっぱい「ダメ出し」をしました

 

この日も寒いのに待合室に入れなくて困りました。雪が降る寒い日でも、逆に真夏の猛暑の日でも、待合室を利用することはできません。これは、JR大分駅が完全に「鉄道駅の本義」というものを見失っています。高齢者が体調を崩して生命にかかわるような事態になったら、どうするのか? そもそも、駅は前衛芸術を展示する場所ではありません。この日も、変てこりんなオブジェが置かれていました。でも、わたしは、まったく価値を認めません。待合室とは列車を待つ乗客たちが体を休め、暑さや寒さを凌ぐためにあるのであり、奇妙なオブジェを飾るためにあるのではありません。ここは駅のホームという公共の場なのですから、変なオブジェを飾るよりも、乗客の待合室という本来の用途で使用すべきです。外に締め出された乗客が不便な思いをするのは本末転倒。まったくズレた企画!(怒)


ホームにソニックが入ってきました


小倉行のソニック車内で

 

大分駅長は、即刻、ホーム待合室を乗客に開放すべし!」と考えていたら、ソニック号がホームに入ってきました。「これにさえ乗り込めば、とりあえず小倉に帰れる!」と思うと、少しは気が楽になりました。本当は、いろいろプンプンすることがあったのですが、怒ってばかりいると体に悪いので、「何事も陽にとらえる」と思うことにしました。そう、倒木が自分の頭上に倒れてきて命を失ったと思えば、電車が遅れるぐらいで済んでラッキーでした。また、今回のJR九州の対応には思うところが多々あったので、これは自社のクレーム対応などに生かしたいと思いました。わたしに随行していた2人は、冷静沈着で的確な判断をしてくれたので助かりました。さすがに日頃お客様相手の仕事をしている人間は違いますね。本当はこの夜に 松柏園ホテルで開催される「新北九州を考える会」に出席したかったのですが、アクシデントによって大幅な遅延となったので、山下常務に代理出席をお願いしました。この日は、親しくしている日銀の北九州支店長の講演があったので残念でしたね。森下さん、ごめんなさい!

JR小倉駅に着いたのは夜でした!


まあ、なんとか小倉に帰ることができて良かった!

 

JR小倉駅に到着したときはすっかり夜で、暗くなっていました。ヘトヘトですが、明日は黒崎紫雲閣の竣工式なので、これから帰宅して竣工式の挨拶を考えます。それにしても1月は忙しいなあ。早く2月にならないかなあ。あ、2月も忙しいか。まあ、仕方ないですね。「天下布礼」に休みなし。願わくば神仏の御加護があらんことを!

 

2025年1月29日  一条真也