何事も陽にとらえる 

一条真也です。
9月20日の朝、かねてより病気療養中だった父・佐久間進が行年90歳で旅立ちました。最後は、家族に見守られながら、堂々と人生を卒業していきました。

『佐久間進のすべて』より

 

父の肉体は死を迎えましたが、父は生前に多くの言葉を遺してくれました。今回は、「陽転思考――何事も陽にとらえる」を紹介いたします。ブログ「創業守礼と天下布礼」にも書いたように、企業には「アップデート」とともに「初期設定」というものが求められます。58年前、父は万人に太陽の光のように等しく冠婚葬祭のサービスを提供したいと願って、サンレーを創業しました。佐久間会長こそは、わが社の「初期設定」を行った本人です。


「2014年 年頭所感」の会長メッセージ



父は、昭和41年(1966年)に北九州市冠婚葬祭互助会の看板を掲げ、冠婚葬祭互助会事業を起こしました。今日に至るまで幾度の試練をこの言葉で乗り越え、「人間尊重」の経営を実践し続けています。昭和48年(1973年)には、社団法人・全日本冠婚葬祭互助協会(全互協、現在は一般社団法人)の初代会長に就任し、互助会事業法制化に尽力し、過渡期の互助会業界を軌道業界発展の礎を築き上げました。平成13年(2001年)にサンレーグループ会長に就任し、社業に留まらず、地域社会の発展のために精力的に活動してきました。その奮闘の歴史は、『太陽を追う男』山崎匠著(スポーツ報知西部本社)に詳しくまとめられています。


父の陽転思考人生を綴った『太陽を追う男』

 

その父が創業以来、基本思想として持ち続けてきたのが「陽転思考」。まさに「サンレー」の社名に通じる太陽の思想ともいえる陽転思考とは、「何事も陽にとらえて、明るく、楽しく、いきいきと生きる」ということです。良い事、悪い事、どんな事が起きたとしても、ありのままに受け止めて、そこから様々な可能性を見出していく姿勢です。父は「陽転思考」について、ただ前向きに「やるぞー!」と意気込むことではないと述べています。起きた出来事、その結果をありのままに受け入れることが大切で、それをプラス思考で捉えることで陽転思考の本髄、本当の力が生まれ、新しい道が開かれると説きました。


天道館で卓話する父

 

歴史上の名立たる人物は、押し並べてプラス思考だったとされています。その上で、父は読書がプラス思考・陽転思考の大切さを早く感じ取ることができると語っています。読書とは、まさに歴史上の人物に学ぶことです。自らが経験することから学ぶことも大事ですが、読書によって人生の要諦を学ぶことで、難局を切り抜けていく思考や姿勢が身につくのです。マイナス思考からは何も生まれません。陽転思考を発動して、プラス思考になることで、希望がひとつひとつカタチになっていくことを父は自らの人生を通じて見事に証明してきました。

『佐久間進のすべて』(オリーブの木

 

2024年9月23日 一条真也